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【国内】地球深部探査船「ちきゅう」による南海トラフのプレート境界面の掘削調査断念
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」による、南海トラフのプレート境界面の掘削調査が2018年より続けられていましたが、目標としていたプレート境界断層への到達は不可能である見込みとなり調査断念とのこと。 -------- ■JAMSTEC公式『プレート境界面に向けた超深度掘削』 http://www.jamstec.go.jp/chikyu/j/nantroseize/ キャッシュ:http://archive.fo/CvVkp ■日経新聞『南海トラフ調査、プレート境界の掘削断念 海洋機構』 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4109541008022019000000/ キャッシュ:http://archive.fo/wExHO ■朝日新聞『南海トラフ掘削、5200m到達は断念 探査船ちきゅう』 https://www.asahi.com/articles/ASM276DSBM27ULBJ00Z.html キャッシュ:http://archive.fo/1vbaD ■産経新聞『巨大地震に迫る海底下5千mの岩石採取断念 海洋機構の南海トラフ調査』 https://www.sankei.com/photo/daily/news/190208/dly1902080017-n1.html キャッシュ:http://archive.fo/uguB4 -------- 南海トラフで繰り返される巨大地震の仕組みを調べるために、地球深部探査船「ちきゅう」で海底下約5,200mのプレート境界から岩石などを採取するためのプロジェクトです。 1月には海底下約3,260mまでの掘削に成功していましたが、複雑な地層による掘削孔の歪みやライザーパイプが抜けなくなるなどの状況により予定通り掘削を進めることができなくなったとのこと。 とても残念ではありますが、お疲れ様でしたと言いたいところです。 今年に入り、1月から南海トラフ巨大地震の想定震源域では「スロースリップ(プレート境界面でのゆっくりすべり)」が継続しています。昨年12月にはM6.0の規模の短期的なスロースリップが発生しています。 気象庁の発表資料に基づき、スロースリップの発生エリアや「ちきゅう」の調査地点を図に起こしてみました。 海洋機構によれば、今の技術で今回の複雑な地層を掘削することは不可能との見解がでています。今後は、別のアプローチによる調査で、南海トラフ巨大地震の発生予測につながるような情報収集ができればいいですね。 なお「ちきゅう」には「人工地震を起こして大震災を誘発させている」という説をはじめとした「いわゆる陰謀論」がネット上にありますが、少し調べれば判るようにデマであり風評被害と言って問題無いでしょう。 科学では説明のつかない現象もあるなどとも言われますが、まずは科学的な根拠に基づいた検証と判断が何よりも重要です。 陰謀論も話のネタとしてはとても楽しめるものではありますが、根拠無く流布されている情報に関してはまずは「そういう話しもある」といった接し方で十分でしょう。