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【九州】鹿児島の薩摩硫黄島で小規模な噴火(2019/11/02)

2019/11/02、鹿児島の薩摩硫黄島で小規模な噴火が発生し、気象庁は警戒レベル1から2(火口周辺規制)へ引き上げました。 噴煙の高さは火口縁上約1000m以上。今後、火口から半径約1kmの範囲内では噴石を飛散させる程度の小規模噴火が発生する可能性があり、火口周辺では噴火に対する警戒が必要とのこと。 薩摩硫黄島は鬼界カルデラの北縁に形成された火山島でランクAの活火山に指定。 1999年から2004年まで毎年噴火が発生、近年では2013年6月にごく小規模な噴火を起こしており、今回は6年ぶりの噴火となります。 数日前の10/28には、薩摩硫黄島の北側にある口永良部島でも噴火警戒レベルが入山規制の「レベル3」へ引き上げられています。 口永良部島は10/18まで火山性地震が少ない状態で経過していましたが、同日に火山性地震が多い状態となりました。 薩摩硫黄島が接する「鬼界カルデラ」においては、海底からの高さが600メートルにもなる世界最大級の「溶岩ドーム」が存在し、熱水を吹き出すなど活発に活動していることが2018年に判明しています。鬼界カルデラは世界最大級の「マグマ溜まり」で7300年前の超巨大噴火で形作られました。この7300年前の噴火では火砕流や大量の火山灰が発生し、当時の九州南部の縄文文化を滅亡させたとされています。 従来は7300年前の噴火でその時点でのマグマのほとんどが噴出してしまったと考えられてきましたが、この調査によって現在もマグマの供給が継続されているであろうことがほぼ確実視されています。 神戸大学海洋底探査センターの巽好幸教授によれば、「すでに次の巨大カルデラ噴火の準備過程に入ったと言える」という見解を発表しています。 さすがにこれほどの規模ともなると、どう備えるべきか・備える手段はあるのかという点では不安にはなりますが、例えば2014年の御嶽山噴火では、前兆現象がほとんど無い状態で噴火が発生してしまいました。 そのような噴火災害が実際に起きうる可能性がある、ということだけは心に留めておきましょう。

【鹿児島】口永良部島、噴火警戒レベル3へ引き上げ(2019/10/28)

2019/10/28、口永良部島の噴火警戒レベルが入山規制の「レベル3」へ引き上げられました。 10/18までの口永良部島は火山性地震が少ない状態で経過していましたが、同日に火山性地震が多い状態となりました。 口永良部島は、近年も噴火を繰り返している火山であり、2015年5月や2019年1月に発生した噴火では、その数ヶ月前に同様の地震が発生しています。 気象庁発表によれば、今回の火山性地震はそれらの地震と比較しても振幅は小さめ、発生回数も少ないとのこと。 【口永良部島の最近の噴火記録】 2019/02/02, 11:41頃, 噴火 2019/01/29, 17:13頃, 噴火 2019/01/20, 20:51頃, 噴火 2019/01/17, 09:19頃, 噴火 2019/01/02 01:53頃, 噴火 2018/12/28 22:09頃, 爆発 2018/12/18 16:37頃, 爆発 2018/12/01 09:00頃, 噴火 2018/11/30 12:33頃, 噴火 2018/11/25 09:15頃, 噴火 口永良部島の噴火で近年目立ったものは、2015/5/29に発生した「マグマ水蒸気噴火」です。噴煙高度は火口から最大約1万メートル上空まで到達。 このときも、新岳からの噴火でした。 このとき、噴火からおよそ16分後には屋久島町が島全域に島外への避難指示を出し、気象庁の見解として島民の避難期間が年単位に及ぶ可能性が指摘されました。 (実際にはこの年の12/25に避難指示が解除されています) 2015年の噴火では、噴火警戒レベルが避難を意味する「5」に引き上げられています。気になるのは口永良部島の北側にある「鬼界カルデラ」。世界最大級の「マグマ溜まり」で7300年前の超巨大噴火で形作られました。 この7300年前の噴火では火砕流や大量の火山灰が発生し、当時の九州南部の縄文文化を滅亡させたとされています。 2016年からの神戸大学による調査では、海底から高さ600メートルにもなる巨大な「溶岩ドーム」がカルデラの内側に確認されました。 従来は7300年前の噴火でその時点でのマグマのほとんどが噴出してしまったと考えられてきましたが、この調査によって現在もマグマの供給が継続されているであろうことがほぼ確実視されています。 神戸大学海洋底探査センターの巽好幸教授によれば、「すでに次の巨大カルデラ噴火の準備過程に入ったと言える」という見解を発表しています。 万が一この鬼界カルデラが再び7300年前と同規模の巨大噴火を起こした場合、九州南部に壊滅的な損害をもたらし、関西だけでなく関東にまで影響が及ぶと考えられています。 以上の事柄は「不安を煽る」等の性質ではなく、近年の科学的な調査によって広く公開されている情報です。 さすがにこれほどの規模ともなると、どう備えるべきか・備える手段はあるのかという点では確かに不安にはなりますが、例えば2014年の御嶽山噴火では、前兆現象がほとんど無い状態で噴火が発生してしまいました。 そのような噴火災害が実際に起きうる可能性がある、ということだけは心に留めておきましょう。