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【防災士監修】繰り返される自然災害や感染症拡大。「次」に対応する備蓄と装備を!

1995年(平成7年)1月17日の早朝、5時46分52秒。兵庫県沖の明石海峡を震源としてM7.3・最大震度7の大規模な地震「兵庫県南部地震」が発生しました。この地震によって引き起こされた災害が『阪神淡路大震災』です。   近畿地方を中心に6,434人もの人命が失われ、3名の行方不明者、負傷者は43,792人とされ、被害総額は約10兆円という巨大災害となりました。   当時は現在のように高速なインターネットではなく、もちろんスマホもありませんでした。当然、TwitterもLINEもfacebookもinstagramも存在していません。   国内のインターネットはようやく商用や個人利用が始まったばかりの頃で、スマホや携帯電話ではない「固定電話回線」を使った「パソコン通信ネットワーク」と呼ばれるインターネットとは別のものを利用し、電子掲示板サービスなどを使って被災情報などの交換がおこなわれました。   2023年は阪神淡路大震災から28年、あの日から四半世紀以上。   この28年の間にも日本では地震をはじめとするいくつもの大きな自然災害が繰り返し発生し、そのつど多くの人命が再び失われていきました。新潟県中越(沖)地震、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、熊本地震、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震 ...   そしてこの先の30年内にも、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震など、複数の大規模災害の発生が予想されています。2011年3月11日 14時46分18秒。宮城県牡鹿半島の東南東沖130km沖を震源としてM9.0・最大震度7という巨大地震「東北地方太平洋沖地震」が発生しました。この地震によって引き起こされた災害が『東日本大震災』です。   東北地方〜関東地方を中心に15,899人もの人命が失われ、2,526名の行方不明者、負傷者は6,157人とされるなど多大な被害が発生し、なによりも津波で福島第一原子力発電所が被災。1〜5号機で全交流電源を喪失後に原子炉を冷却できなくなり、1号炉・2号炉・3号炉でメルトダウンが発生。大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故につながりました。   この原発事故は、国際原子力事象評価尺度で最悪の「レベル7」、チェルノブイリ原子力発電所事故と同等に位置づけられています。   また2022年は阪神淡路大震災から27年。この間にも日本では地震をはじめとするいくつもの大きな自然災害が繰り返し発生し、そのつど多くの人命が再び失われていきました。熊本地震、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震 ...   そしてこの先の30年内にも、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震など、複数の大規模災害の発生が予想されています。2019/09/08〜09/09には台風15号が首都圏を直撃、特に千葉県を中心に大規模な停電が発生。台風通過時〜直後にはおよそ80万戸を超える停電となり、千葉県内では君津市で大型の送電線の鉄塔が2基倒壊。   停電に関しては9/11の19時で40万軒、9/13の朝9時でも20万軒を超える規模で電力が復旧していないと言う、深刻な状況となっています。   併せてインターネット回線も不通となったためスマホやテレビなどが使えない状況となり、ポータブルラジオなどを備えていた方々以外は支援に関する情報の入手が困難となってしまいました。   そして思い出されるのが2018/09/06に発生した「北海道胆振東部地震」。日本海を北上した「台風21号」が地震発生前日に北海道付近を通過、その影響で停電発生。特に道内全域で停電するブラックアウトが発生し、1951年の北海道電力創設以来、初の大規模停電となりました。『備災FUN!』では、次の震災・災害に備える「備災」をテーマに、被災時にも大活躍のアウトドアグッズを日常で活用して「楽しみながら備える」情報をメインに発信しています。2020年初から新型コロナウイルスによる世界規模な感染が拡大、概ね終息するまでは3年以上の期間を要しました。 もしこの状況下で震災級の大きな地震が発生したら、状況の深刻さは想像を絶することになる可能性が高くなるでしょう。過去の震災例を顧みても発災後の初動時の避難所は混乱し、開放された各地の体育館などでは避難者が家族ごとに仕切られることもない「密な雑魚寝」の状態になりました。コロナ禍の状況であれば避難所でクラスターが発生する可能性が高くなるのは間違いありません。   自宅が無事であれば、まずは「在宅避難」を優先すべきです。ここでは大震災を例に取り、発災直後にほぼ必ず起きる状況と、次の大地震に備えて最低限、備蓄しておくべき物資をご紹介します。   ITOITO-STYLE編集部には日本防災士機構認定の防災士が在籍しており、東日本大震災における自身の生活困窮の経験のもとづいて実際に実践しているものばかりです。   なお、備蓄品の調達は大地震が起きてからでは遅いのです。何も無い平時に調達しておきましょう。2018年に発生した「北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)」の発生は、2016年の熊本地震からたったの2年です。   これまで北海道で想定されてきた大地震は、千島海溝でのプレート移動に起因する海溝型のM8〜9クラスの巨大地震でした。しかし、北海道胆振東部地震の震源はそこではなく、やや内陸部の北海道胆振地方で断層型のものでした。画像出典:Wikipedia: by Mikenorton プレート移動による海溝型の地震は将来必ず起きると言っていいと思いますが、やっかいなのはこの断層型です。   日本国内には確認されている活断層は約2000箇所ありますが、未知の断層帯(隠れ断層帯)に関してはその倍の約4000箇所が存在すると言われています。   すでに「将来の発生確率がゼロ%」とされた箇所でも大きな地震が起きていることや、海溝型である南海トラフ巨大地震の発生予測に関してもすでに現実は「科学的に高確度な予測は困難」という結論が出ており、次の大震災がいつ・どこで起きるかを議論するのは、一般庶民レベルでは大きな意味を持たないと言えるかもしれません。   であれば、備えるのみです。   ここでは大地震直後にほぼ必ず起きる状況と、次の大地震に備えて最低限、備蓄しておくべき物資をご紹介します。   ITOITO-STYLE編集部には日本防災士機構認定の防災士が在籍しており、東日本大震災における自身の生活困窮の経験のもとづいて実際に実践しているものばかりです。   なお、備蓄品の調達は大地震が起きてからでは遅いのです。何も無い平時に調達しておきましょう。発災直後は、次のような状況が高確率で現実化します。 ① 停電(電気が止まる) ② 断水(水道が止まる) ③ 都市ガスの供給停止 ④ 物流が止まりお店から商品がなくなる ⑤ ガソリンや灯油などの燃料が入手困難に ⑥ 住居などの建物の破損や倒壊 ⑦ 交通網の麻痺 ⑧ 震災の場合は地盤の液状化で泥(泥水)が路上に出てくる ① 停電(電気が止まる) 震災直後は停電が発生し、場合によっては復旧まで数日を要し、復旧しても節電を余儀なくされる状況がしばらく続くことになります。 特にオール電化住宅などでは電気が復旧するまでの間、IH方式の調理器具なども使えなくなります。 ② 断水(水道が止まる) 上水道の送水設備の停止や敷設された水道管の破損などにより、水道が使えなくなります。 キッチンやバスルームなどで水が出なくなり、水洗トイレや洗濯機も使用不可能となります。 ③ 都市ガスの供給停止 都市ガスを利用している家庭や事業所・店舗などではガスを使った調理器具や給湯機器・暖房設備などが使えなくなります。 大きな災害時は、まずガスの元栓を忘れずに閉めましょう。 ④ 物流が止まりお店から商品がなくなる 過去の震災事例でも100%発生している状況です。 地震の発生直後から人々が店舗に殺到し、飲料水や食料・各種消耗品などが短時間で売り切れになります。買い占めなども起きます。 そして、その後は数日〜1週間程度は商品の補充も困難となります。 ⑤ ガソリンや灯油などの燃料が入手困難に ガソリンスタンドへのガソリンの定期供給が一時的に途絶えるため、スタンドへの沿道ではガソリンを求める車で行列ができます。 石油ストーブの燃料となる灯油もガソリンスタンドで供給されることが多いですが、こちらも在庫限りの状況となります。 ⑥ 住居などの建物の破損や倒壊 各地で建物の破損・全半壊・倒壊などの状況が発生します。 特に、住宅の裏が崖や山である場所などでは、地震の影響で崩れた土砂によって住宅が飲み込まれるケースが発生します。 2019年の台風15号では暴風により千葉県内の送電線の大型の鉄塔が2基、倒壊する事態となりました。 ⑦ 交通網の麻痺 道路の陥没や地割れ、崖崩れなどによって通行不能となる道路がいくつも生じます。停電により信号機なども停止します。 鉄道路線も、線路の歪みや曲がり・軌道上の敷石の流失や設備破損により場合によっては長期間の運行停止となります。 空の便も空港設備や滑走路の破損などによって運行停止となります。 ⑧ 震災の場合は地盤の液状化で泥(泥水)が路上に出てくる 震災と呼べる規模の地震が起きた際は、沿岸部の埋立地や河川沿いの低地・地下水の豊富な地質の周辺では地盤の液状化が発生し、土や砂を多く含む泥水が地表に噴出します。 噴出が収まった後には水分を多く含む泥が堆積し、復旧作業や通行の障害となることが多くあります。上記のような状況になったとしても、個人や家庭で事前にやれる対策はいくつもあり、また個人レベルでは対応不可能はものも当然あります。   順不同となりますが、次の順番に解説します。 A. そもそも個人では対応不可能なもの:⑦〜⑧ B. 条件付きである程度の備えが可能なもの:⑤〜⑥ C. 個人や家庭で備えが可能なもの:①〜④⑦...