2018/11/20:青森県東方沖での震度3と周辺を震源とする地震
2018/11/20の15:10頃、青森県東方沖で震度3、M4.1の地震がありました。この震源は月数回・年20回以上は揺れる場所です。
このあたりは「三陸沖北部」として政府の地震調査研究推進本部でも巨大地震の発生可能性に関する長期評価対象です。
2011年の東日本大震災では、この「三陸沖北部」から房総沖の海溝寄りの一部で大きな「すべり量」が観測されています。
この震源域での今後30年以内のM8.0前後の巨大地震の発生確率は4%〜20%となっていますが、M7.1〜M7.6程度の規模の地震の発生確率は90%とかなり高い評価となっています。
特に2014年あたりは震度3以上の地震が比較的多めでしたが、2015〜2017年は若干抑え気味になった後、2018年にまた増えているようです。(東日本大震災のあった2011年は、意外と震度3以上のものは1回程度しか発生していません)
青森での最近の気になった地震と言えば、2018/11/08に青森県陸奥湾を震源とした震度3の地震です。
陸奥湾でのこれ以前の震源は2015年12月。震源のすぐ西側には「青森湾西岸断層帯」が存在します。11/08の地震はこの断層帯が震源となった可能性もあります。
また青森での規模の大きな地震の歴史を遡ると、1766年に青森県西部の津軽地方で起きた「明和津軽地震」があります。この地震では、全壊家屋は4,000軒以上、それによる死者も700人以上出たという記録が当時の古文書に記されているとのこと。
この明和津軽地震の震源は、11/08の陸奥湾での地震の震源付近にある「青森湾西岸断層帯」のさらに西側の「津軽山地西縁断層帯」が動いたと推定されています。
太平洋プレートは西方向へ動き、日本列島の乗った北米プレートの下へ沈み込みを続けていますが、その影響からか今現在も特に房総沖〜北海道沿岸にかけては小さな地震も毎日多く発生しています。
この太平洋プレートは同時にフィリピン海プレートとも接しています。
房総沖ではこれらのプレートがぶつかり合うポイントがありますが、そのすぐ東側にはユーラシアプレート・北米プレート・フィリピン海プレートがぶつかり合う別のポイントがあり、さらにユーラシアプレートは日本列島を東西に分断するプレートです。
かつてから「地震大国」を自認してきた日本列島ですが、地球規模での地震や火山活動が活発になった今、今後に発生しうる巨大地震をどう乗り越えていくかという知識やノウハウ・過去の教訓を、政府や地域だけでなく、家庭や個人レベルでもしっかりと意識しておく必要があるでしょう。