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【レビュー】snowpeak「チタントレック900」

小型の深鍋として使えるコッヘルは、一人鍋やショートパスタ・インスタントラーメンの調理に。カップラーメンやコーヒー用の湯沸かしにも便利。

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アウトドア用の調理鍋としては定番的ルックスの「コッヘル」。軽量なチタニウム製で「一人鍋」や汁物調理に最適、取っ手付きのフタは、そのまま小型フライパンや取り皿として利用可能。

対応人数:大人1名・または大人1名 + 子ども1名

「コッヘル」とはドイツ語「Kocher」で英語のクッカーとほぼおなじ意味。その形状にはちょっとした懐かしさを感じる方々もいることでしょう。子供の頃のキャンプ・ボーイスカウト・林間学校などで、断面がソラマメ型の飯盒(はんごう)でご飯を炊き、こうした円筒形の「コッヘル」で汁物を作る経験を思い出す中高年世代も多いのでは。

『商品名』の特徴

・一人鍋やショートパスタ茹で、インスタントラーメンづくり、湯沸かしなどに
・フタが小型フライパンや取り皿としても利用可能
・チタン製のため軽量で熱伝導率がアルミクッカーに比べて低いため、食べる時に直接クチを付けても熱過ぎない
・250gのOD缶(アウトドア用ガスボンベ)ならピッタリ収納可能
・熱伝導率の低さゆえ底面の火が当たっている部分に熱が集中するため、炊飯には不向き(焦げ付きやすい)

メインのクッカーとして使うなら、一人用の鍋物や汁物・インスタントラーメンや湯沸かしにぴったり。素材がチタンのため熱伝導率がアルミクッカーなどに比べて低い分、熱いものを入れて直接クチを付けてもヤケドをしにくい構造。フタにも取っ手が付いており、取り皿としても小型のフライパンとしても利用可能。

標準で純正品のメッシュカバーが付属。中性洗剤でさっと洗って使用開始。使わない時はメッシュカバーに入れておきます。

メッシュカバーに入れた状態。なお、フライパンや取り皿にもなる上蓋ですが、コッヘル本体には「はめる」というより「乗せる」形になります。しっかりと固定されるわけではないので、メッシュカバー必須です。

『チタントレック900』での調理例

「一人鍋」。カット野菜とソーセージをコンソメで煮込んだ簡単なレシピ。備災観点では、震災直後に冷蔵庫内の生鮮食品を早めに消費する際にこのような鍋料理が効率的。

「主食と副菜」の組み合わせ調理例。右側のクッカーは「山クッカー角形3」の小鍋で、ご飯を1合炊いています。おかずとして缶詰めを使う場合は、このようにクッカー上で加熱できます。

こちらも「主食と副菜」の組み合わせ調理例。チタントレック900でスープを作りつつ、山クッカー角形3の大鍋でご飯を2合炊き、その上で小鍋に入れたおかず類を温めています。

チタントレック900でソーセージを入れたスープを作り、山クッカー角形で缶詰めのアサリ水煮を使った炊き込みご飯。

熱源との組み合わせ

上蓋をフライパン的に使いつつ、コッヘル本体で調理する例。本体の下は固形燃料を利用する「esbitポケットストーブ」。ゆる火で15分〜20分燃焼するので、スープや鍋モノを調理しつつフライパン部分でちょっとしたものを作る想定。

こちらは「VARGO ヘキサゴンウッドストーブ」と。このウッドストーブは枯れ木や落ち葉、小さな薪など燃えるものなら何でも燃料にでき、固形燃料やアルコール・バーナーも使えるスグレモノ。「esbitポケットストーブ」でフライパン部分を加熱し、例えば缶詰めの中身を温める等。

ウッドストーブ2種類と。熱源は、固形燃料・カセットガスと併せてこのウッドストーブ系を用意しておけば、いざというときに燃料が何も無くても枯れ木や古新聞雑誌類など手持ちの可燃性素材を使うことができます。

こちらは「trangia ストームクッカー」のストーブ(バーナー)部分と。ストームクッカー専用オプションの「パンスタンド」に乗せた状態。メインの調理はストームクッカーでおこない、チタントレックは湯沸かし等のサポート役に。

その他

このチタントレック900は、中にカセットガスボンベを使うレギュレータストーブの「SOTO ST-310」と併せてカセットボンベで炭の焚つけや炙りができる「SOTO フィールドチャッカー ST-418」、小型でライター上の形状ながら耐風バーナーの「SOTO スライドガストーチ ST-480」を3点併せて収納できます。

「SOTO ST-310」のの収納袋にすべて収めて、この状態でフタができます。

ぴったり収納。外にはみ出している「SOTO ST-310」収納袋の綴じ紐も、もちろん収納できます。前述の3点を収納すると、中でガタつくこともありません。

なお、チタントレック900ではインスタントラーメンをそのままでは収納できません。ラーメンを携行したい場合は、別の収納手段を利用しましょう。茹でるときは、麺を半分折りにしてお湯に投入します。

まとめ

備災用途としては、主食をご飯にするか否かで「チタントレック」シリーズで揃えるかどうかが変わってきます。チタンクッカーでの炊飯は熟達しないとかなり焦げ付きやすいため、炊飯用は別途アルミクッカーを用意したほうがいいでしょう。縦長の形状のため、麺類調理に向いています。鍋物や煮物などの副菜づくりと、ショートパスタやインスタントラーメン調理などには、この「チタントレック900」は容量的にも余裕があるので扱いやすいクッカーです。
別途「メスティン」などを用意した上でチタントレック900と700のセットを揃えれば、大人2人前のご飯・主菜・汁物の3点セットが調理でき、取っ手付きのフタが取り皿として使えるので、夫婦や親子での2人分の調理ツールとしては十分使いやすいものです。
炊飯用途としてこのタイプのクッカーを使いたい場合は、チタン製ではないアルミ製のコッヘルを選ぶと良いでしょう。焦げ付き・こびり付きにくいノンスティック加工のクッカーなどもあるので選択肢は広いです。

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・今回レビューした900ccサイズ

・少し小さめの700ccサイズ

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