トップ 2分で読む 【九州】鹿児島薩摩でM2.0、日向灘でM3.4の小規模地震(2019/12/23)

【九州】鹿児島薩摩でM2.0、日向灘でM3.4の小規模地震(2019/12/23)

2019/12/23は鹿児島県薩摩地方でM2.0・日向灘でM3.4の小規模な地震がありました。このあたりは地震の頻発地帯となっており、特に日向灘は南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端、以前より日向灘〜四国にかけてスロースリップと呼ばれる現象が継続的に観測されています。

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2019/12/23:鹿児島薩摩でM2.0、日向灘でM3.4の小規模地震

2019/12/23、鹿児島県薩摩地方でM2.0・日向灘でM3.4の小規模な地震がありました。
それぞれの詳細は次の通りです。

【鹿児島県薩摩地方】
2019/12/23 02:12頃, 震度1, M2.0, 深さ10km

【日向灘】
2019/12/23 08:46頃, 震度1, M3.4, 深さ30km

いずれも最大震度1となっています。

このあたりは地震の頻発地帯となっており、特に日向灘は南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端、以前より日向灘〜四国にかけてスロースリップと呼ばれる現象が継続的に観測されています。

なお気象庁による2019/12の発表では

現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない

となります。

【近年における日向灘で起きた最大震度4以上の地震】
2019/05/11 08:59頃, M4.9, 最大震度4
2019/05/10 08:48頃, M6.3, 最大震度5弱
2019/03/27 15:38頃, M5.4, 最大震度4
2017/03/02 23:53頃, M5.2, 最大震度4
2016/10/22 03:33頃, M4.4, 最大震度4
2015/08/26 07:51頃, M5.2, 最大震度4
2014/08/29 04:14頃, M6.1, 最大震度4
2012/01/30 03:18頃, M4.8, 最大震度4
2009/08/05 12:51頃, M5.0, 最大震度4
2009/04/05 18:36頃, M5.6, 最大震度4

有感地震・最大震度4以上で見ると、2019年は日向灘での地震は近年でもっとも多いと言っても過言ではない状況となっています。
喫緊に心配するレベルの地震ではないと考えられますが、熊本地震の例を省みれば解る通り、巨大地震は前兆らしい前兆も無く、ある日突然やってきます。

そして、宮崎と四国の間に位置する日向灘でも地震は頻発しており、このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域。ここでは何年も前から継続的に「スロースリップ(ゆっくり滑り)」と呼ばれる現象が観測されています。

南海トラフはフィリピン海プレートが日本列島の下に沈み込んでいる場所で、年間約5〜6cm程度の速度で移動しているということで単純計算では10年間では50〜60cmほど動いていることになります。

その中でも高知沖には地震がほとんど観測されていない空白地帯が存在します。
小さな地震も少ない場所というのは、他よりもひずみが溜まっていると考えられます。

近年の自然災害は事前の予測が困難であったり、発災後は被害が大規模化する傾向にあります。
災害対策の基本は「自助」ですが、平成30年版の防災白書によれば大地震に対する備えとして「特に何もしていない」という方々が約10%も存在します。

大きな災害が起きたら避難所へ行けばなんとかなる・救急車や消防車を呼べばいい、自衛隊が何とかしてくれるという考え方かもしれませんが、災害の規模が大きければ大きいほど、助けは来ないと考えましょう。

救急消防への電話が殺到しても、救急隊や消防隊の対応には限りがあります。南海トラフ巨大地震レベルになれば、自衛隊ですら助けに来られない場所も多数発生するでしょう。

例えば熊本地震では「九州は地震安全地帯」という認識のもと、地震に対する備えをしていなかった方々が避難所へ多数詰めかけましたが、水食料の配給が追いつかず、オニギリ1個を得るために2時間も並ぶというケースがありました。

より大規模な災害ともなれば、水も食料も無い状態で救援を待つ間に病死や餓死といったケースが実際に発生する可能性もあります。

『いざその時』がやってきた場合、備えの有無でその後の被災生活の内容や質は大きく変わります。そして自助があって初めて共助が成り立ちます。

極限状況に陥った場合、備えをしていた人たちの中だけで共助がおこなわれ、備えをしていなかった人は何も無い状況下での生活を余儀なくされる場面も実際に出てくるでしょう。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とは言いますが、日頃からの情報収集と備えが生死を分けることになります。「まだいいや」で済まさず、明日起きても対応できるように、備えだけはしておきましょう。

地震研究の最前線では、南海トラフ巨大地震の発生の可能性が高まるのは、一説には2030年代からという見方が出ています(特に2030年代後半)。ただ、まだまだ猶予があるとは思わずに、備えるものだけは備えておくといいでしょう。

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