「旅行中です!」の投稿が狙われます。
初夏のゴールデンウィークや夏休み、秋のシルバーウィークに年末から年始にかけての正月休み。
そうしたまとまった休暇を利用して旅行にでかけたり実家に帰省したりと、様々な余暇活動を楽しむ方々は多いと思いますが、そうした休暇の時期に増えるのが「空き巣」と呼ばれる侵入窃盗犯による物盗り被害。
出かける際に玄関の鍵は閉めているけど、意外と部屋の窓の鍵が開いていたりしませんか?
そして多くの方々に心当たりがあると思われるのが「旅行の予定や旅行中の写真、観光スポットへのチェックインなどをfacebookやinstagram、twitterなどのSNSに投稿する」こと。
その投稿のプライバシー設定は大丈夫ですか?友達以外の不特定多数からも見られる状態になっていませんか?
SNSでの友達も、一度も対面で会ったことがなかったり、実際にはよく知らない人だったりしませんか?
【ニュース記事より】
[読売新聞] ちょっと待って!その写真SNSに上げちゃダメ!
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20180426-OYT8T50014/
[朝日新聞] インスタ投稿、空き巣の標的に 窃盗チームもSNSで
https://www.asahi.com/articles/ASLBM51NDLBMOIPE01T.html
SNS投稿のプライバシー設定を見直そう
SNS投稿時、もっとも注意すべき点は
「旅行などで自宅を長時間・長期間、留守にしていることが判る情報をリアルタイムに投稿しない」
というものです。
個人的な旅行などの写真や思い出話をSNSに投稿する際は、できるかぎり帰宅後の投稿とするか、どうしてもリアルタイムに投稿したい場合は信頼のおける友人知人のみの範囲にしましょう。
『いや、住所とか公開してないから大丈夫でしょ?』
と、思うかもしれませんが、SNSに投稿された文章と写真に写り込んだ風景や物を突き合わせて、写真が撮影された場所を特定されてしまうことは、犯罪だけでなくネット上の炎上案件などでも頻繁に発生しています。
facebookのように投稿ごとに公開範囲を設定できる場合は、プライベートな内容は信頼できる友人のみか、さらに絞り込んでオフラインで会ったことの無い人は除外すると良いでしょう。
twitterやinstagramの場合は「非公開アカウント」でない限り、不特定多数の第三者からでも内容を見ることができます。
投稿がフォロワーである友人知人のみ見られると思いこんでいたら、期せずして全世界に公開されていたという悲しい出来事が後を絶ちません。
instagramは投稿内容を後から修正できますが、twitterは投稿内容を後から修正することはできません。使っているSNSの性質を理解して、投稿時に十分注意する必要があります。
もし個人が特定できる内容を投稿してしまった場合は、思い切って削除する気持ちを。
SNSにプライバシーを含む投稿をした後の応急処置
twitterやinstagramで、すでにプライベートな情報をたくさん投稿済みだけれど、修正できなかったり削除するのはすぐに決断できない・・・でも知らない人からは見られないようにしたい。
という場合は、応急処置としてアカウントをフォロワー以外には非公開にすることができます。
これで非公開のアカウントになり、フォロワー以外からは見ることができなくなります。
旅行などにでかけている間だけ、こうした応急処置をとるのも選択肢の1つです。
(ただし抜本的な解決にはなっていないことをお忘れなく)
あわせて自宅に「侵入しにくい」自主防犯を
警視庁の資料によれば、侵入窃盗犯の侵入手段として多いものトップ1位と2位は、
1位:無締り(施錠されていない場所からの侵入)
2位:ガラス破り
となっています。
やはり施錠は一番手軽ですが、基本中の基本。
空き巣などの窃盗犯が嫌がるのは、侵入に際して「手間や時間が掛かる」ことと、声をかけられる・人の目・人のいる雰囲気です。
特に、人から声をかけられることで犯行をあきらめるケースが非常に多く、ご近所づきあいの活発な環境は侵入犯罪に対する防犯力が高まります。
個人・家庭でできることとして、在宅時や自宅を留守にする場合に関わらず、外部から簡単に侵入しにくいようにしておきましょう。
【基本対策】
・在宅や留守を問わず、出入り口や使っていない部屋の窓はすべて施錠する(特に風呂場やトイレ)
・補助錠があるドアや窓は、かならず補助錠も有効にする
・玄関の合鍵を玄関周辺に隠さない(空き巣からはバレバレ)
・郵便ポストには鍵をつけ、郵便物を取り出すとき以外は施錠する
・旅行などで留守にする場合は部屋の電気はつけておく(レースのカーテンは完全に閉め、厚手のカーテンは数センチ開けて光が見えるようにする)
また、応用編としていくつかの防犯機器を利用するという手もあります。
【応用対策】
・窓にはガラスを破りにくくする防犯フィルムを貼る(特に鍵周辺)
・人などの動きに反応して点灯するセンサーライトを取り付ける
・ガラス窓には振動検知アラーム(防犯ブザー)を取り付ける
・録画機能のある防犯カメラを設置する
・ガラス窓を二重にし、面格子を取り付ける
編集部スタッフは、自宅の周囲にセンサーライトを設置し、窓ガラスの鍵周辺には振動検知アラームを取り付けています。
センサーライトは夜間に人が近づいたりすると自動的に点灯し、振動検知アラームはガラスを破ろうとすると大きな音を発します。
こちらは振動(衝撃)検知アラーム。扱いが簡単で誤作動が無いものをという点で選定しました。
ガラス窓に両面テープで貼り付けるタイプで、貼付け面に「WARNING 防犯装置作動中」という記載があり、外からはこれが見えます。
このモデルは誤作動がほとんど無く、窓の通常にお開閉や窓を手で叩いたりしても反応しないのですが、金属などで窓を軽く叩くと反応して、けたたましい大音量で警報が鳴り出します。
編集部スタッフは自宅の全窓に取り付けました。
こちらはソーラー発電と防水性能を持つセンサーライト。
明るいうちは点灯しませんが、夕暮れ以降など周囲が暗くなるとセンサーが動くものに反応して点灯します。
バッテリーも内蔵しているため、昼間にソーラー発電パネルに太陽光が当たる位置に設置できれば、長期に渡ってバッテリー切れを心配する必要が無いのがメリット(定期的にチェックは必要です)。
夜間、建物の死角になる部分に設置しています。
まとめ
自宅の自主防犯対策は、簡単なようですが「とにもかくにも、まずは施錠」が基本です。
「すぐそこにゴミを出しに行くから」「歩いて3分のコンビニに買い物に行くだけだから」などの理由で意外と玄関ドアに鍵をかけずに出てしまったり、マンションの高層階だからまさか窓やベランダからは誰も入ってこないだろうと窓を開けたまま就寝したりといったことで侵入される事例が実際にあります。
特に都市部ではご近所づきあいが希薄であったりするため、マンションの隣の部屋に誰が住んでいるのか把握していない、挨拶もしたことがないということも珍しくありません。
そこで、可能であればご近所さんと顔を合わせた際には「おはようございます」「こんにちは」などの挨拶を。普段みかけない人が自宅前などを行ったり来たりしていた場合も、挨拶の形をとって声をかけましょう。
そうした基本対策をおこなった上であれば、センサーライトや振動検知アラーム、防犯カメラなども有効です。
侵入窃盗犯は基本的に「隠密行動」。自分の動きが周囲に知られることを嫌がりますし、侵入の際に想定以上の手間や時間がかかることも嫌います。
そのあたりを突く対策をおこなった上で、休日の外出や長期休暇を楽しみましょう。
「備えあれば憂いなし」です。