2019/10/15:島根県の東部でM2.7、西部でM3.1の地震
台風19号の上陸中に千葉県南東沖でM5.7の地震発生後、1日以上有感地震がほぼ発生していない状況が続いていましたが、10/14からは再び各地で発生しています。
2019/10/15は島根・和歌山・北海道で地震がありましたが、その中で注目したのは島根県で発生した2度の有感地震。
2019/10/15 03:48頃, 島根県西部, 震度1, M3.1, 深さ10km
2019/10/15 06:43頃, 島根県東部, 震度1, M2.7, 深さ10km
いずれも最大震度は1と小規模です。
島根県は比較的に地震が少ないイメージがありますが、島根大の専門家によると島根県大田市付近から広島県三次市にかけて地震活動が比較的活発な領域があり、遡ること1950年以降に10回以上のM5以上の地震が起きています。
今回の震源となった島根県西部と島根県東部における近年の最大震度4以上のものをピックアップすると、次のようになります。
2018/04/09 05:05頃, 島根県西部, M4.6, 最大震度4
2018/04/09 02:10頃, 島根県西部, M4.8, 最大震度4
2018/04/09 01:56頃, 島根県西部, M4.7, 最大震度4
2018/04/09 01:43頃, 島根県西部, M4.4, 最大震度4
2018/04/09 01:32頃, 島根県西部, M6.1, 最大震度5強
2011/06/04 01:57頃, 島根県東部, M5.1, 最大震度4
島根県東部では少ないものの、東日本大震災の約3ヶ月後の2011/06/04にM5.1・最大震度4が起きています。
島根県西部で注目すべき地震は、2018/04/09に発生したM6.1, 最大震度5強の「島根県西部地震」。
この地震では直接的な死亡者こそ出なかったものの、重傷者2人・軽傷者7人という人的被害となりました。
島根県内で震度5強以上を観測した地震としては2000年に鳥取県西部地震が起きて以来およそ18年ぶり、かつ1922年(大正11年)以降で3回目の大きな地震であったことがわかっています。
この2018年の「島根県西部地震」の震央付近において活断層は特に確認されていませんが、過去にM5以上の地震が発生した記録はあります。
近辺では、
・1930/12/20:M6.1
・1978/06/04:M6.1(島根県東部地震)
・1963年に島根県西部においてM5クラスの地震が相次いで発生
という経緯があります。
中でも1978年の「島根県東部地震(別名・島根県中部地震)」は、この地域を震源とする地震活動としては最大級の規模でした。この地震以降に中国地方の陸上で被害を伴う地震が発生するのは、5年後となる1983年も「鳥取県中部地震」になります。
またM6を超える規模の地震は、そこから40年後の2018年に発生した「島根県西部地震」まで期間が空くこととなりました。
島根県・内陸部の断層
島根県内には
・宍道(鹿島)断層
・日南湖断層
・弥栄断層
・地福断層
・大原湖断層
・筒賀断層
といった断層が存在しますが、今後30年内のM7クラス以上の大きな地震が発生する確率は、ほぼ「0%」または「不明」という評価となっています。
島根は日本海側ではありますが、内陸部の断層よりも南海トラフ巨大地震や安芸灘~伊予灘~豊後水道あたりで発生する大型地震の影響を受ける可能性が高いかもしれません。
地震空白域について
「地震空白域」とは、過去に地震活動があったものの長期間に渡って震源として地震が発生していない・これからもしばらくは発生しないであろうと予想されるエリアです。
地震空白域の存在は、今後の大地震発生の前兆としてみられることもあります。
日本国内における地震空白域の1つとして島根県東部が挙げられていますが、前述のとおり1978年にはM6.1が起きているので今後は定義や認識が変わっていくかもしれません。