2019/12/16:富士五湖・千葉県沖・胆振地方で中規模な地震
2019/12/16は、山梨県東部の富士五湖、千葉県東方沖、胆振地方中東部で中規模な地震がありました。
それぞれ、
【山梨県東部・富士五湖】
2019/12/16 17:04頃, 震度2, M3.2, 深さ20km
(2019/12/13 23:20頃, 震度1, M2.5, 深さ20km 以来)
【千葉県東方沖】
2019/12/16 04:14頃, 震度3, M4.3, 深さ60km
(2019/10/06 18:28頃, 震度2, M4.2, 深さ60km 以来)
【胆振地方中東部】
2019/12/16 06:52頃, 震度3, M4.3, 深さ30km
(2019/12/12 04:24頃, 震度2, M3.0, 深さ30km 以来)
となります。
北海道・胆振地方中東部ではある程度の間隔をあけつつ、M4クラスが発生しています。
2018/09/06に発生した「北海道胆振東部地震」以降は比較的頻繁に地震が発生するようになっていますが、この地震発生前は有感地震としての前兆らしい前兆はありませんでした。
千葉県東方沖に関しては比較的活発でM4以上も多めの印象があります。特に2019/07は高頻度で地震が起きていました。
また山梨県東部・富士五湖を震源とする大きめの地震は少なく、近年における大きめの地震として注目すべきは
2012/01/28 07:43頃, M5.5, 最大震度5弱
というもの。
この地震では奈良県〜福島県まで揺れが観測され、この時期はM4.7〜M5.5の規模で、最大震度4〜5弱が3連続しました。
南海トラフ巨大地震の想定震源域の東端に掛かるか掛からないかといった位置であり、首都直下型地震の想定震源域の西端あたりに位置します。
ちょうど、駿河トラフ・相模トラフ・糸魚川-静岡構造線の合流ポイント=3つのプレートが重なり合う位置で、富士山や箱根山などの火山が存在することと、周辺には立川断層帯をはじめとした多数の断層が存在します(図に記載した断層は一部です)。
このように関東周辺の構造線と断層帯を図で観てみると、改めて東京を中心とした首都圏が「地震の巣」の周辺に存在しているかがよく解ります。
将来的(今後30年内)に発生が比較的高めの確率で予測されている巨大地震は複数ありますが、予測に関しては
①基本的に様々な仮説を置いた上での推計である
②定量評価できない項目が存在する
③発生確率は低めでも実際に起きた際には甚大な被害を及ぼす事象が発生する可能性もある
という点は意識しておくべきでしょう。
また南海トラフ巨大地震に関してはより根本的な問題として、前述した「発生が比較的高めの確率で予測されている」に反する「確度の高い予測が困難」という状況も現実です。
災害を防ぐ観点での「防災」よりも、国・自治体・地域・家庭・個人というすべての粒度で可能なかぎり備えをし、起きた後の被災を減らす「減災」にいかにつなげていくかが重要になっていきます。