2020/01/19:紀伊水道、茨城、岩手、佐渡付近で小規模な地震
2020/01/19は、紀伊水道・茨城・岩手・佐渡付近で小規模な地震がありました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)。
【佐渡付近】
2020/01/19 17:00頃, 震度1, M3.5, 深さ10km
【岩手県内陸南部】
2020/01/19 06:57頃, 震度1, M2.7, 深さ10km
【茨城県北部】
2020/01/19 07:41頃, 震度1, M3.1, 深さ10km
【紀伊水道】
2020/01/19 03:51頃, 震度1, M3.1, 深さ10km
紀伊水道あたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域内ですが、比較的静穏な震源です。
過去数年では紀伊水道を震源とする有感地震として目立ったものでも、
2019/03/13 13:48頃, M5.2, 最大震度4
2018/11/02 16:54頃, M5.4, 最大震度4
程度。今回はM3.1, 最大震度1ですので小規模なものです。
岩手県内陸南部は有感地震の発生頻度はさほど高くない震源で、今回のM2.7は近年発生した有感地震の中でもかなり小さな規模です。
過去10年で見ても最大震度4を超える揺れを観測するような地震も起きていませんが、2016年の熊本地震のように、それまで100年以上も大きな地震が無かった場所でいきなり起きる場合がありますので、完全に安心しきるべきではないでしょう。
佐渡付近の地震も今回は小規模なものですが、遡ると
2012/02/08 21:01頃, 震度5強, M5.7, 深さ10km
という地震が起きています。
この時は佐渡市で震度5強を観測し、人的被害は無かったものの公共施設などでは壁や天井の一部が崩落するなどの被害が複数件発生しています。
また、今回の震源から南へ35km離れた場所には、柏崎刈羽原子力発電所があります。
日本列島においては、伊方原子力発電所も中央構造線のほぼ直上に立地していたりしますので、今後想定される巨大地震を考えると心配な点ではあります。
茨城県北部は、南部とともに最近地震の発生頻度が高くなっている印象を受ける震源です。
特に、2019年後半あたりは大きめの地震が起きていました。
地震の多い茨城県内においては、意外なことに「確実に活断層である」とされるものはこれまでに知られていません。
日本有数の大断層である「棚倉断層」は存在していますが、これは活断層ではないのです。
(棚倉断層:茨城県常陸太田市と福島県棚倉町の間を北北西から南南東方向へ通る約60キロメートルの横ずれ断層)
棚倉断層は棚倉西縁断層と棚倉東縁断層から構成されていて、その中間に破砕帯があります。これらを含めて「棚倉構造線」も呼ばれ、従来は東北日本と西南日本の境界線と考えられてきました。
(別途、東北日本と西南日本の境界線は利根川構造線であるという見解もあります)
また茨城県の北部の陸から沖合にかけては、棚倉構造線と同様の走向を持つ長さの短い断層が多数分布しています。
東日本大震災以降、これらの断層に次々と正断層型の地震が生じて破損等の被害が発生しているという状況もありますので、今後も長期的な警戒と備えが必要です。
もとより茨城県内は「中規模地震の巣」と言えるくらい地震が頻発するエリアであり、今後の情報には注意しつつ備えだけはしっかりと。