トップ 2分で読む 【海外】ジャマイカでM7.7の大規模地震(2020/01/29)

【海外】ジャマイカでM7.7の大規模地震(2020/01/29)

2020/01/29は、ジャマイカでM7.7の大きな地震がありました。また前後して近辺のカリブ海周辺ではケイマン諸島周辺でのM6.1の地震を含め群発地震を思わせる地震が起きています。

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2020/01/29:ジャマイカでM7.7の大規模地震

2020/01/29は、ジャマイカでM7.7の大きな地震がありました。
また前後して近辺のカリブ海周辺では、ケイマン諸島周辺ではM6.5の地震をはじめ、群発地震が起きています。
この日にジャマイカ周辺で発生した地震は下記の通り。


【ジャマイカ・ルーシー付近】

2020/01/29 04:10頃, M7.7, 深さ10km

【ケイマン諸島・東海岸近海】
2020/01/29 06:55頃, M6.1, 深さ10km

ジャマイカはカリブプレートとゴナーブ・マイクロプレート(Gonâve Microplate)の境界に位置する島国で、これまでの歴史の中で幾度かの大きな地震が発生しています。

■1692年:ポートロイヤル地震
1692/06/07 11:43頃(現地時間)にポートロイヤルで起きたM7.5の大地震。
当時のポートロイヤルはジャマイカの海運商業の中心地であると共にいわゆる「海賊」の天国であり、「世界で最も裕福で邪悪な都市」と呼ばれました。

この地震では場所によって海岸から270m〜1.6km程度の「引き波」の後、1.8mの津波が押し寄せた結果、街の3分の2が水没し地震と津波によって約2,000名が死亡、その後の数日間のうちに負傷や病気により約3,000名が死亡。合計5,000名もの方々が亡くなるという大きな被害を出しました。
地震が収束する前の状況でも生存者の一部は暴徒化し、略奪がおこなわれたとの記録があります。
Wikipedia「1692 Jamaica earthquake」より

■1907年:キングストン地震
1907/01/14 15:30頃(現地時間)に、ジャマイカの首都であるキングストンを襲ったM6.5の大規模地震。
この地震でジャマイカの北海岸で最大波高2m(一説には2.5m)の津波が確認されました。
地震と火災により、キングストンのすべての建物が損傷を受け、火災は3時間続きました。地震と津波・火災によって約1,000人が死亡し、発生した物的損害額はおよそ約3,000万ドルに上るとされています。
Wikipedia「1907 Kingston earthquake」より

画像出典:Wikipediaより1907年の地震直後のキングストン

2006〜2007年の研究「Deformation of Jamaica and motion of the Gonave microplate from GPS and seismic data」では、GPSと地震データに基づくゴナーブ・マイクロプレートの動きとジャマイカ島の変形は、(あくまで仮説としながら)将来的にポートロイヤル地震と同規模(M7.0〜7.3程度)の地震を発生させるのに十分な「ひずみ」が蓄積されたと推定しました。

つまり、再びジャマイカを大規模な地震が襲うことを意味している可能性がありましたが、実際にM7.5の地震が発生したと言えます。
(もっとも、これ以前にもジャマイカでは地震がたびたび発生しています)

画像出典:Wikipedia「東日本大震災」より

ジャマイカ同様に日本列島はプレート境界に位置しています。
しかも、太平洋プレート・北米プレート・ユーラシアプレート・フィリピン海プレートという巨大なプレートが4つが重なり合う位置です。
岐阜県・富山県・長野県・新潟県にまたがる飛騨山脈を含めた「日本アルプス」は、プレートテクトニクス理論に基づけば、これらのプレートがぶつかり合って隆起したものと考えられています。

特に、日本の高山の大部分は日本アルプスに集中しており、日本アルプスを構成する飛騨・木曽・赤石山脈は、日本列島を東西南北に分ける中央構造線とフォッサ・マグナに沿って存在しています。つまり、このあたりは地殻変動の激しい場所とも言えます。

近年ではプレートテクトニクス理論そのものにも様々な言及がなされていますが、科学的な観測に基づいたデータとしては間違いなく、海溝や断層付近での地震は発生しています。

皆さんが住んでいる地域にどのような活断層や断層帯が存在するのかという点については、日頃から知っておいても損はないでしょう。

そしてジャマイカの例でも解る通り、今日の巨大地震を引き起こすことになった地殻の変形やひずみは、数百年前から準備されているということです。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とは言いますが、静穏な状況が続くほど次の大災害に対して鈍感になりがちです。

こうした他地域・他国の災害を対岸の火事とは思わず、「次は自分の住んでいる場所で起きるかも知れない」という意識を持って、備えをおこなっていきましょう。

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