2020/07/12:熊本, 茨城, 豊後水道で小規模な地震
2020/07/12は熊本, 茨城, 豊後水道で小規模な地震がありました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
【熊本県天草・芦北地方】
2020/07/12 10:15頃, 震度1, M2.3, 深さ10km, 北緯32.3度, 東経130.5度
【豊後水道】
2020/07/12 09:48頃, 震度1, M3.3, 深さ50km, 北緯33.4度, 東経132.2度
【茨城県南部】
2020/07/12 08:16頃, 震度1, M3.2, 深さ60km, 北緯36.0度, 東経140.1度
熊本県の芦北地方での地震は 2020/01/30 以来となりますが、7月上旬に豪雨に見舞われています。
近年の有感地震を見てもM4.7と最大震度4を超える地震は起きていませんが、2016年の熊本地震が起きるまで熊本では過去100年以上も大きな地震はありませんでした。豪雨の被災地となっていますが、警戒は必要です。
茨城県南部も有感地震は多めで、7/9にもM4.7・最大震度4の地震が起きたばかり。今回の地震も震源の深さが60kmと、フィリピン海プレートが陸側の下に沈み込んだ先端部分あたりで発生した地震です。
茨城県の下は「地震の巣」と言えるほど発生頻度が高いため、こちらも継続的な備えと警戒を。
また今回注目したのは豊後水道での小規模な地震。
豊後水道は南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端あたりに位置しており、今回の震源はほぼ中央構造線上で発生。近くには四国電力の伊方原子力発電所がありますが、こちらも中央構造線上に位置しています。
ちょうど2020/07/07に気象庁から南海トラフ周辺に関する情報
『南海トラフ地震関連解説情報について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-』
が公開されています。
これは毎月初旬に定期的に公開されている情報となります。
状況としてはいつもどおり、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とのことですので、特段の心配はありません。
日向灘付近を含む南海トラフ周辺の海底(東海から四国の陸地から遠く離れた海底)では、最近になってプレートの境目がゆっくり動く「スロースリップ(ゆっくりすべり)」という現象が東京大学と海上保安庁の研究グループによって初観測されています。
スロースリップ自体は長期間にわたって極めてゆっくりと動くため観測が難しいのですが、東日本大震災が発生する直前にも発生自体は確認されていたため、今後の津波を伴う地震のメカニズム解明や防災対策への活用が期待されています。
南海トラフ巨大地震に関しては、確度の高い予測は困難との判断が下されていることはご存知の通りで、近年、警戒警報の発令は凍結され、代わりに震源域で異常な現象を観測した場合に「臨時」の情報が発表されることになっています。
難しいのは、この臨時情報が出た際に、私たち個人レベルではどう対応すべきかという点。実際に起きてしまった場合の想定被害は過去類を見ない甚大なものになる試算がなされていますが、逆に臨時情報が出たとしても何も起きないことも考えられます。
2000年代に入り、環太平洋火山帯全体で活動が活発化している状況とも考えられます。
この規模での地殻活動となると、日本でもいつどこで大きな地震や噴火がほとんど前兆無しで発生するか判りませんが、それはこれまでも繰り返されてきたことです。
基本的に環太平洋火山帯では日々大きな地震が起きるものです。地球上で発生する地震の約90%はここで起きています。出来るかぎり(可能な範囲で構いません)の備えをした上であれば、必要以上に怖がったり不安に感じることはありません。
この日、他に発生した有感地震(主に記事公開後)
【岐阜県飛騨地方】
2020/07/12 21:48頃, 震度1, M2.8, ごく浅い, 北緯:36.3, 東経:137.6
【青森県東方沖】
2020/07/12 18:32頃, 震度2, M4.6, 深さ10km, 北緯:40.9, 東経:143.1