2020/04/12:茨城県南部で最大震度4、M5.1および宮城, 岐阜, 西表島で小規模地震
2020/04/12は茨城県南部で最大震度4・M5.1の地震が発生後、宮城,岐阜,西表島付近でそれぞれ小規模な有感地震が発生しました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
【茨城県南部】
2020/04/12 13:10頃, 震度1, M3.2, 深さ50km, 北緯:36.2, 東経:140.0
【西表島付近】
2020/04/12 12:30頃, 震度1, M3.6, 深さ20km, 北緯:24.3, 東経:123.5
【宮城県沖】
2020/04/12 08:29頃, 震度1, M3.8, 深さ50km, 北緯:38.9, 東経:142.1
【岐阜県飛騨地方】
2020/04/12 04:48頃, 震度1, M2.8, 深さ10km, 北緯:36.1, 東経:137.5
【茨城県南部】
2020/04/12 00:44頃, 震度4, M5.1, 深さ50km, 北緯:36.2, 東経:140.0
特に茨城県南部では、昨年後半あたりから有感地震の発生頻度が上がっている印象があります。
ここで、茨城県南部における2020年初頭から本日までに発生した有感地震を見てみます。
茨城県南部における2020年初頭からの有感地震 | ||
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2020/04/12 13:10頃 | M3.2 | 最大震度1 |
2020/04/12 00:44頃 | M5.1 | 最大震度4 |
2020/03/25 02:57頃 | M2.8 | 最大震度1 |
2020/03/21 00:53頃 | M3.2 | 最大震度1 |
2020/03/15 19:09頃 | M3.6 | 最大震度2 |
2020/03/07 20:57頃 | M3.7 | 最大震度2 |
2020/02/25 12:12頃 | M3.3 | 最大震度2 |
2020/02/17 12:40頃 | M4.4 | 最大震度3 |
2020/02/12 22:05頃 | M3.3 | 最大震度1 |
2020/02/01 02:07頃 | M5.3 | 最大震度4 |
2020/01/22 22:43頃 | M3.3 | 最大震度1 |
2020/01/22 22:40頃 | M3.4 | 最大震度1 |
2020/01/14 16:40頃 | M3.2 | 最大震度1 |
2020/01/14 04:53頃 | M5.0 | 最大震度4 |
2020/01/08 04:22頃 | M3.9 | 最大震度2 |
2020/01/04 13:35頃 | M3.1 | 最大震度2 |
1月に最大震度4・M5.0、2月にも最大震度4・M5.3の地震が発生しています。
茨城県南部は北部とともに地震の多いエリアで、南部で発生する地震は震源の深さが50〜60kmのものが多いのです。この茨城県南部の地表下50〜60kmあたりは、フィリピン海プレートが沈み込んだ先の先端部分にあたります。
太平洋プレートがフィリピン海プレートと北米プレートの下に沈み込み、フィリピン海プレートが北米プレートやユーラシアプレートの下に沈み込んでいる複雑な構造となっています。
地震の多い茨城県内においては、意外なことに「確実に活断層である」とされるものはこれまでに知られていません。
日本有数の大断層である「棚倉断層」は存在していますが、これは活断層ではないのです。
(棚倉断層:茨城県常陸太田市と福島県棚倉町の間を北北西から南南東方向へ通る約60キロメートルの横ずれ断層)
棚倉断層は棚倉西縁断層と棚倉東縁断層から構成されていて、その中間に破砕帯があります。これらを含めて「棚倉構造線」も呼ばれ、従来は東北日本と西南日本の境界線と考えられてきました。
(別途、東北日本と西南日本の境界線は利根川構造線であるという見解もあります)
また茨城県の北部の陸から沖合にかけては、棚倉構造線と同様の走向を持つ長さの短い断層が多数分布しています。東日本大震災以降、これらの断層に次々と正断層型の地震が生じて破損等の被害が発生しているという状況もありますので、今後も長期的な警戒と備えが必要です。
もとより茨城県内は「中規模地震の巣」と言えるくらい地震が頻発するエリアであり、今後の情報には注意しつつ備えだけはしっかりと。
昨年後半から茨城県での地震活動の活発化を感じさせるような動きがありますが、同様の活動例はこれまで全国各地で見られます。こうした動きが次の巨大地震などの前兆かどうかは、現代科学の力では残念ながら確度の高い予測としては判断できない現実があります。
昨年末の茨城県と栃木県での地震に関して、一部のメディアが首都直下型地震の前兆の可能性的な報じ方をしたこともありますが、必要以上に不安に感じる必要はありません。
「正しく恐れ、備える」
ということが重要で、これは日常の生活の一部として取り入れておく要素でもあります。
首都直下型地震や南海トラフ巨大地震がいつ起きるのか、という点を気にするよりも、次の大きな自然災害が起きた時に、命さえ無事ならその後を乗り切っていくための備えがあるかどうかが重要です。