2020/07/11:長野、岐阜、静岡で小規模な地震
2020/07/11は長野、岐阜、静岡で小規模な地震がありました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
【長野県北部】
2020/07/11 12:47頃, 震度1, M2.8, 深さ10km, 北緯36.6度, 東経138.4度
【岐阜県飛騨地方】
2020/07/11 11:07頃, 震度1, M2.7, ごく浅い, 北緯36.1度, 東経137.3度
【静岡県西部】
2020/07/11 03:43頃, 震度1, M3.0, 深さ30km, 北緯34.7度, 東経137.6度
【静岡県西部】
2020/07/11 03:19頃, 震度2, M3.7, 深さ30km, 北緯34.7度, 東経137.6度
今回注目したのは静岡県西部で2度、連続発生したM3クラスの地震で、震源としては南海トラフの弱い固着域周辺に該当します。
静岡県に被害を及ぼす地震は、主に相模トラフ・駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生する海溝型巨大地震と、陸域の浅い場所で発生する地震です。中でも今後の巨大地震が懸念されている南海トラフ沿いでは東海〜四国にかけて弱い固着域が広く大きく存在し、その範囲に強い固着域が点在しています。
静岡県周辺における過去の巨大地震としては、1944年の「東南海地震」があります。最大震度は5〜6でしたが規模はM7.9というもので、死者・行方不明者は295名、全壊家屋は7000棟近くにもなりました。
2年後の1946年には南海トラフで「南海地震」が発生し、規模はM8.0。静岡県内でも津波による家屋の浸水被害や船舶流出などの被害が発生。
さらに遡ると1854年の安政東海地震(M8.4)、1707年の宝永地震(M8.6)が発生、静岡県内では全域で震度6の揺れとなり、地震の揺れ・津波・火災・山崩れ等によって甚大な被害が生じたという記録が残っています。
いずれもプレート間地震となっています。
近年で見ると、東日本大震災直後の2011/03/15に起きた静岡県東部の地震(M6.4)では、負傷者48名などの被害が生じました。
静岡においては県中西部の静岡市付近から浜名湖付近に至る広い範囲にかけて震源の深さ20〜30kmの定常的な地震活動が点在しており、数名の犠牲者を生じるようなM6程度の規模の被害地震が概ね数十年間隔程度で発生しています。
静岡ではこれまで東海地震などへの啓蒙や教育が徹底されてきました。抜き打ちで防災訓練が実施されるという話があるほど、小中学校や一般家庭レベルでも国内屈指の地震対策に関する関心の高さを持つ県とも言えますが、特に今後南海トラフ沿いで発生する巨大地震は数十年前から「来るぞ来るぞ」と言われつつ未だに発生していないため、安心感の広がりなどもあるかと思われます。
しかし、こういう小規模な地震が起きた際には「備えるキッカケ」として、避難経路や備災用品などのチェックを改めてやっておきましょう。
この日、他に発生した有感地震(主に記事公開後)
【宮城県沖】
2020/07/11 22:12頃, 震度2, M3.9, 深さ50km, 北緯:38.9, 東経:142.0