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【四国】四国沖で震度は1と小さいながらもM4.0の地震が発生(2019/03/07)
3/7の午前中に四国沖で震度は1と小さいながらもM4.0の地震が発生しました。
この震源域での体感規模の地震自体は2017/12以来。
震度3以上となると過去10年でも4回程度しか起きていないようです。
ここより西側の高知沖では過去ほどんど地震が発生していない空白域があります。
このあたりは南海地震の想定震源域であり、なおかつ南海トラフ巨大地震の想定震源域かつ、南海トラフの固着域の強めの領域でもあります。
九州〜四国〜和歌山〜愛知あたりは中央構造線に沿ってスロースリップ・深部低周波地震が以前から継続しています。
プレートの動きによるものですが、その中でほとんど地震の起きていないエリアがあるのは気になりますね。
なお、3/7は気象庁から南海トラフ地震に関連する定例情報が発表されています。
https://www.jma.go.jp/jma/press/1903/07a/nt20190307.html
『現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない』
とのことです。つまり平常通りで異常なし、ということです。
リンク先ではさらに詳細な資料もPDF形式で公開されていますので、興味のある方はぜひご確認ください。
【宮崎】日向灘でM3.8、震度2の地震(2019/03/06)
2019/3/6は朝6時過ぎに日向灘でM3.8、震度2の地震がありました。
このあたりで過去10年間に起きた震度4以上の地震を見てみると、だいたい1〜2年に1回くらいの頻度で起きているようです。
たくさんある「小さな白い点」は米国USGSが公開している記録で、1900〜2015年までの震源です。
高知沖での地震が極端に少ないですが、このあたりは南海トラフの陸側の強い固着域に含まれ、固着域は複数存在します。
南海トラフはフィリピン海プレートが日本列島の下に沈み込んでいる場所で、年間約5〜6cm程度の速度で移動しているということで単純計算では10年間では50〜60cmほど動いていることになります。
その中でも小さな地震も少ない場所というのは、他よりもひずみが溜まっていると考えられます。
地震研究の最前線では、南海トラフ巨大地震の発生の可能性が高まるのは、一説には2030年代からという見方が出ています(特に2030年代後半)。ただ、まだまだ猶予があるとは思わずに、備えるものだけは備えておくといいでしょう。
【国内】地球深部探査船「ちきゅう」による南海トラフのプレート境界面の掘削調査断念
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」による、南海トラフのプレート境界面の掘削調査が2018年より続けられていましたが、目標としていたプレート境界断層への到達は不可能である見込みとなり調査断念とのこと。
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■JAMSTEC公式『プレート境界面に向けた超深度掘削』
http://www.jamstec.go.jp/chikyu/j/nantroseize/
キャッシュ:http://archive.fo/CvVkp
■日経新聞『南海トラフ調査、プレート境界の掘削断念 海洋機構』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4109541008022019000000/
キャッシュ:http://archive.fo/wExHO
■朝日新聞『南海トラフ掘削、5200m到達は断念 探査船ちきゅう』
https://www.asahi.com/articles/ASM276DSBM27ULBJ00Z.html
キャッシュ:http://archive.fo/1vbaD
■産経新聞『巨大地震に迫る海底下5千mの岩石採取断念 海洋機構の南海トラフ調査』
https://www.sankei.com/photo/daily/news/190208/dly1902080017-n1.html
キャッシュ:http://archive.fo/uguB4
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南海トラフで繰り返される巨大地震の仕組みを調べるために、地球深部探査船「ちきゅう」で海底下約5,200mのプレート境界から岩石などを採取するためのプロジェクトです。
1月には海底下約3,260mまでの掘削に成功していましたが、複雑な地層による掘削孔の歪みやライザーパイプが抜けなくなるなどの状況により予定通り掘削を進めることができなくなったとのこと。
とても残念ではありますが、お疲れ様でしたと言いたいところです。
今年に入り、1月から南海トラフ巨大地震の想定震源域では「スロースリップ(プレート境界面でのゆっくりすべり)」が継続しています。昨年12月にはM6.0の規模の短期的なスロースリップが発生しています。
気象庁の発表資料に基づき、スロースリップの発生エリアや「ちきゅう」の調査地点を図に起こしてみました。
海洋機構によれば、今の技術で今回の複雑な地層を掘削することは不可能との見解がでています。今後は、別のアプローチによる調査で、南海トラフ巨大地震の発生予測につながるような情報収集ができればいいですね。
なお「ちきゅう」には「人工地震を起こして大震災を誘発させている」という説をはじめとした「いわゆる陰謀論」がネット上にありますが、少し調べれば判るようにデマであり風評被害と言って問題無いでしょう。
科学では説明のつかない現象もあるなどとも言われますが、まずは科学的な根拠に基づいた検証と判断が何よりも重要です。
陰謀論も話のネタとしてはとても楽しめるものではありますが、根拠無く流布されている情報に関してはまずは「そういう話しもある」といった接し方で十分でしょう。
【静岡】静岡県中部で震度3・M4.1(2019/2/8)
2/8に注目した地震は、06:34頃の静岡県中部を震源とする震度3・M4.1のもの。
このあたりを震源とする体感する震度1以上の地震は多くはありませんが、震度2以上に限ると昨2018年は1回、一昨年の2017年も1回でした。2016〜2015年には震度2以上は発生せず、2014年に6回程度です。
この震源よりも西側の中央構造線沿いとなる静岡県西部を震源とする震度2以上の地震のほうが多めのようです。
このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域内であり、なおかつ「固着域」。特に静岡県中部には強い固着域が存在していますが、この地震が何か特別危険なものであったり、大きな地震の前兆であったりという情報は発表されていません。
特に静岡にお住まいの皆様は、数十年前から来るぞ来るぞと言われ続けていると思いますので、釈迦に説法かとは存じます。
中央構造線などの主要な大規模断層帯沿いでは体感しない規模の小さな地震は連日多数発生しており、これはプレートの動きによる通常のものと捉えて良いかと思います。
2/7に公表された気象庁による「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」も通常どおりですので差し迫った危険は無いと言えますが、いつ何どき起きるか判らないのが自然災害。
備えをしっかりした上で、何か起きたときにはすぐに対応できるようにしておきましょう。
【九州四国】南海トラフ地震の想定震源域で小規模な3回の地震と、口永良部島で噴火(2019/1/28〜1/29)
2019年1月28日〜1月29日にかけて、南海トラフ地震の想定震源域で(大きくないものの)3回の地震と、口永良部島で噴火がありました。
地震の震源に関しては比較的コンスタントに揺れている位置であり、気象庁による南海トラフ地震に関連する定例情報でも特段の異常は無いと言えますが、想定外のことが起きるのが自然災害です。備えだけはしっかりと。
長いこと気になっているのは、四国沖(主に高知県沖)の南海トラフ固着域での震度1以上の地震が相変わらず少ない点でしょうか。
また1月29日の夕方には口永良部島の噴火がりました。口永良部島では今年に入ってから1月2日と1月17日にも爆発的噴火があったばかり。2018年12月にも複数回の噴火を起こしています。
特に2015年5月の噴火においては、口永良部島の全島民が一時的に屋久島への避難を余儀なくされています。
大きな被害を出した噴火で記憶に新しいのは、2014年の「御嶽山」の噴火です。火口付近に居合わせた登山者ら58名が死亡するという、戦後最悪の火山災害と言われています。この時は噴火の直前まで前兆らしい前兆がありませんでした。
よく「備えあれば憂いなし」とは言いますが、備えがあっても時として自分が居る場所やタイミングや「運」なども影響するとも言えます。
大きな災害を目にするたびに自然のチカラに対する人間の無力さを痛感しますが、万が一のときには、まずは個々人が(予め備えた上で)ベストを尽くす以外に方法はないのではないでしょうか。
【徳島】徳島県南部で震度3・M4.1の地震、震源的には揺れの増加傾向?(2018/11/25)
2018/11/25の18:19頃、徳島県南部で震度3・M4.1の地震がありましたが、南海トラフ巨大地震の想定震源域内とは言え南海トラフの固着域の範囲外、これまで起きているスロースリップ領域にも該当せず、徳島での活断層帯にも該当しない模様ですが、この10年間で今回の震源では年に数回程度の地震はコンスタントに発生しています。
直近では11/23に、2ヶ月ぶりの地震として震度1・M2.7が発生しています。
強いて言えば中央構造線に近いという点でしょうか。中央構造線に近い地震と言えば、11/23から続く長野と岐阜の境界近く、中央構造線と糸魚川静岡構造線の交差領域の西側での地震です。
ただ、2018年においては徳島県南部での地震は例年に無く発生回数が増えています。今年は九州四国にかけて、南海トラフ周辺でのスロースリップも多く観測されているので、その影響もあるのでしょうか。
この震源付近では、2015/2/6に震度5弱・M5.0(深さ10km)の比較的大きな地震が起きており、その際には緊急地震速報も発令されています。
南海トラフ巨大地震の想定震源域では着々と「歪み(ひずみ)」は蓄積され続けていることに変わりは無いので、(緊張感を常に持続することは困難ですが)各ご家庭でもしっかりと備えていただきたいと思います。備えた上で、平穏な状況が長く続くことが望まれます。
【千葉】千葉県南部で早朝に起きた震度3・M4.1(2018/11/12)
2018/11/12の気になった地震は、千葉県南部で早朝に起きた震度3・M4.1です。午前4時台に2回発生。
この震源では2018年の6月あたりは震度2〜4が頻発していました。プロットにはありませんが千葉県の東方沖・南東沖・北東部あたりでも比較的活発に発生しています。
房総沖は北米プレート・太平洋プレート・フィリピン海プレートの3つが接する場所があり、それぞれのプレートは動き続けています。
そして近年、房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、それぞれ160kmと300kmという巨大な活断層が発見されています。
これら2つが同時かつ断層全体が動いた場合、M8〜9クラスの巨大地震が発生することが想定されており、発生した津波が東北〜関東〜東海一帯に影響を与える可能性があります。
またこの房総沖の巨大活断層は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近にあると見られ、フィリピン海プレートはご存知の通り南海トラフに接しています。連動することも考えられるでしょう。
今年は2018年版「全国地震動予測地図」が公表されましたが、今後30年以内に震度6弱以上の大地震の発生・遭遇確率のトップ1は千葉市となっています。(2位は横浜市、3位は水戸市)
巨大地震がこのあたりで発生した場合は、当然ながら日本経済の中枢を担う東京なども無事であるはずはなく、震災発生後の国や行政による初動が遅れる可能性も十分に考えられます。
個人で何も備えていなかった場合、電気ガス水道が止まった中での水や食料の枯渇、水洗トイレの断水による衛生環境の悪化、被災地における治安面リスクの増加なども想定されるため、まずはいかに「自助」を実現できるかが課題となります。
助け合いとなる「共助・互助」はその上で作られると言えるでしょう。
【和歌山・静岡】南海トラフ固着域で続く小規模地震(2018/11/06)
2018年11月6日は、早朝に和歌山県南方沖と静岡県西部で震度1の小規模な地震がありました。
南海トラフと中央構造線に近い部分での地震が10月あたりから増えています。東海・東南海・南海地方では地表における高さ・水平方向での顕著な変動が出ているという話も出ています。
また紀伊水道での地震も目立ってきた感がありますが、北西方向には淡路島があり阪神淡路大震災の震源となった野島断層を含めた断層帯があります。
阪神淡路大震災は逆断層・横ずれ断層型の直下型地震ですが、今後発生が想定されている南海トラフ巨大地震は海溝型地震でタイプとして同じではありません。
しかし阪神淡路大震災の震源からさらに北東方向には2018年6月に発生した「大阪府北部地震」の震源付近には「有馬ー高槻断層帯」を始めとする大きめの断層帯が複数存在しています。
特に「有馬ー高槻断層帯」あたりの断層では地震発生率の評価がほぼ「0%」のところ、つまり従来はノーチェックだった場所で大きな地震が発生しているため、お住まいの地域にどのような断層帯が存在するのか、確認しておくと良いでしょう。
【和歌山】紀伊水道で続く地震、震度3・M4.5(2018/11/05)
2018/11/02に続き11/5の8時19分頃にも紀伊水道で地震がありました。震度3・M4.5、深さは50km。
10月あたりから、東海〜近畿での中央構造線沿いの南海トラフの固着域における地震が増えてきているようです。特に紀伊水道周辺にいくばくかの集中も見られます。
ここ最近、東海〜近畿あたりでの地震が増えているようにも感じますが、連日どこかで地震が発生する環太平洋火山帯では通常運転です。怖がる必要も慌てる必要もありませんが、常に備えだけはしておきましょう。
また11/5は紀伊水道だけでなく、国後島付近では連続地震、23時台にには鹿児島でも震度3を観測しています。国後島付近の地震に関しては、別途お知らせいたします。
【静岡】静岡県西部、南海トラフ固着域での小規模地震(2018/11/03)
2018年の文化の日・11月3日は、朝6時39分頃に静岡県西部で震度1の小さな地震がありました。
10/7の愛知県東部の震度4の震源に近く、前日11/2の紀伊水道の震度4同様、南海トラフの弱い固着域の端あたりです。
東海〜四国にかけて弱い固着域が広く大きく存在し、その範囲に強い固着域が点在しています。
静岡県東部においては、10月後半でこの領域を含め岐阜・三重・奈良あたりでも地表の高さ・水平方向の変動が大きい傾向が出ているという話もありますので今後も注意が必要です。
静岡ではこれまで東海地震などへの啓蒙や教育が徹底されてきました。抜き打ちで防災訓練が実施されるという話があるほど、小中学校や一般家庭レベルでも国内屈指の地震対策に関する関心の高さを持つ県とも言えます。
余談ですが、固着域といえば9月のニュースで沖縄本島付近の琉球海溝沿いでも固着域が新たに発見され、琉球海溝でも東日本大震災や南海トラフ巨大地震で想定されるレベルの巨大地震が起きる可能性があることが判りました。
琉球海溝沿いの固着域の想定面積は、最小でも沖縄本島の2倍以上と見られます。
沖縄では地震が少ないと思われていますが、沖縄周辺でも地震は活発に起きています。しかし震源は沖の方であることが多いため記録が少なく、過去の大地震に関する記録が残っていないため、見かけ上は地震が起きないと思われています。
沖縄在住のかたも地震は起きないと思わず、可能な範囲の備えをしておいていただきたいところです。