昔からダイエットフードのテッパン的定番食材といえば「コンニャク」。日本では「おでん」の具や玉こんにゃく、田楽、すき焼きの具としてのシラタキや糸コンニャクなど様々な定番料理があるのはご存知の通り。近年ではアメリカでニューヨーク・タイムズ紙がシラタキを「健康的でダイエットに良い」と紹介して以来人気が爆発、米国を中心にフランスやイギリスでも「ミラクル・フード」として健康志向の人々の関心を盛り上げています。
超低カロリーで超低糖質、グルテンフリーでカロリーはほとんど無く食物繊維豊富で食べれば満腹。ベジタリアン向けの食材としても最適。麺状のものは「ミラクル・ヌードル」としてパスタの代わり、粒状のものは「ミラクル・ライス」としてご飯代わりに食べられているようです。特に欧米向けには「麺類の1つ」としてマーケティングされていることも、人気と成功の秘訣でしょう。
日本ではまだまだ和風味の煮物やコンニャクステーキ系のレシピが多いですが、ちょっと発想を変えてみると一気に味のレパートリーが広がります。コツは「下味の付け方」。では、編集部オススメの下ごしらえを大公開!
コンニャク料理を美味しく食べるコツ
コンニャクは味が染み込みにくい食材と言われていますが、実際にはその逆。煮込んだり漬け込めば比較的しっかりとした味付けができる食材です。味を感じにくいのはコンニャク自体の構造と食感によるものが大きいのです。
コンニャクを咀嚼しても噛み砕かれる単位が大きいため、舌(味蕾)で味を感じる面積が他の一般的な食材に比べて小さくなります。これがコンニャクに染み込ませた味を感じにくい大きな要因。
最近では、紀文からコンニャクに「おから」をプラスして味を馴染みやすくした商品が発売されています。これは糖質ゼロの「糖質0g麺」。こうしたものを上手く利用するのもいいでしょう。
味の染み込み度と実際に感じる味わいの差を解決しようと煮汁や漬け汁をかなり濃い目の味にして長時間煮込むと、食感は硬めになり塩分も多くなりすぎてしまいます。それを解決して美味しく食べるポイントは次の2点だけ。
1:濃すぎない程度でしっかりと下味を付ける。
2:「ソース」と一緒に食べる。
使うメインの食材は「玉こんにゃく」。小腹が空いたときにも、しっかり食事のときにも、両方に対応できるサイズ感が優秀なコンニャクです。
今回ご紹介するレシピ
今回ご紹介する作るレシピは、次の3種類です。
『昔ながらの玉こんにゃくの甘辛煮』
『玉こんにゃくの激ウマ・タイカレー風味』
『玉こんにゃく&糖質ゼロ麺で作る、クセになるトマトソースパスタ』
それぞれなるべく簡単に作りたいので、市販のつゆ・ソース類などをガッツリ使いますよ。
『昔ながらの玉こんにゃくの甘辛煮』の味付けはコレ。ド定番の麺つゆ&ミリンを使えば、失敗なく味がまとまり、何より旨い!
『玉こんにゃくの激ウマ・タイカレー風味』には、この「RoiThai」のタイカレースープ。タイカレーは近年人気なので、輸入食材店などで様々なものが入手できます。他のスープカレーなら何でもイケます。
そして『玉こんにゃく&糖質0g麺で作る、クセになるトマトソースパスタ』には、こうした市販のトマトソースを。手間なく簡単で、なおかつ原材料がシンプルなものが多いです。
コンニャクの下ごしらえ
いわゆる「コンニャク臭さ(くささ)」ってありますよね。味付けの前に、まずはあのニオイを取りましょう。手順はとても簡単です。「沸騰したお湯で茹でて、水気を切って、軽く炒める」だけ。
沸騰させたお湯で3分ほど強火で茹でます。これでコンニャク臭さはほとんど抜けます。
今回はレシピ3種類を一気に作るので、冒頭の写真にあったように業務用の玉こんにゃく1kgを使います。袋から出したらフォークでブスブスと刺して穴を開けてから、軽く水洗いしてザルにあけます。
茹で上がったコンニャクを、次はフライパンで3分ほど炒めて表面の水気を飛ばしたら下ごしらえ完了。シラタキや糸こんにゃくなら、水洗いしたらそのままフライパンで炒めればいいでしょう。
レシピ①『昔ながらの玉こんにゃくの甘辛煮』
まずは基本のコンニャク料理として「お馴染みの味」から。定番の「山形風の玉こんにゃく」です。煮汁を作って煮込むだけ!
麺つゆを「煮魚・肉じゃが」用より少々濃いめに水で調整し、ミリンか砂糖を入れて煮汁を作り、下ごしらえをした玉こんにゃくを煮込むだけ。
グツグツと5〜10分程度煮込みます。途中で1〜2個味見をしましょう。鷹の爪やダシとしてスルメイカを追加してもいいでしょう。
好みの味になったら火を止めて完成。(味見用に、玉こんにゃく1個を半分に切ったものを加えておくとGood!)和辛子や青のりを添えれば、お酒のアテにも最高です。
レパートリーを増やす決め手は『コンソメ(ブイヨン)』で下味をつける!
ダシ醤油(麺つゆ)ベースの和風の味付けは普遍的に美味しいわけですが、続いてしまうとやはり飽きます。そこで試したいのが様々な洋風やエスニック風などの和風以外の味付け。しかし、意外とそれらの味を美味しく染み込ませるのが実はなかなか難しかったりします。
編集部のオススメはズバリ、コンニャクやシラタキ(糸コンニャク)の「コンソメ煮」です。コンニャクにコンソメ味で下味を付けると、洋食系を中心に料理としてのレパートリーが一気に広がります。方法はとても簡単。下ごしらえしたコンニャクやシラタキを、コンソメスープとしてはちょっと濃いかな?と感じる程度のもので煮込んでからそのままひと晩、コンソメの煮汁に漬け込むだけ。
まずは市販のコンソメやブイヨンを用意しましょう。キューブタイプ・顆粒や粉末タイプ、いずれもOK!
普通のコンソメスープとして飲むよりも少々濃いめの味付けでスープを作り、下ごしらえをしたコンニャクを入れて7〜10分ほど煮込みます。
火を止めて粗熱が取れたらそのままひと晩寝かせて味を染み込ませます。この「コンニャクのコンソメ煮」を多めに作ってタッパーなどに入れてストックしておくと便利ですよ。
レシピ②『玉こんにゃくの激ウマ・タイカレー風味』
まずオススメしたいのは、スープカレーで煮込む「玉こんにゃくのカレー風味」。特にタイカレー・スープで煮込むと、毎日食べたくなるほどクセになる美味しさです。基本的にスープカレーなら何でも合いますので、カレー好きなら様々なカレーで楽しめます。レトルトパウチなどを揃えておくといいでしょう。
タイカレー・スープとコンソメで下味を付けたコンニャクを一緒に煮込んでしまいます。
7〜10分も煮込めば完成!
そのまま食べても美味しいですが、スプラウトやヤングコーン、他にお好みでパクチーなんかを添えるとまた美味です。
レシピ③『玉こんにゃく&糖質ゼロ麺で作る、クセになるトマトソースパスタ』
最後のレシピは、トマトソースで煮込むイタリアンテイストなコンニャク料理。紀文の「糖質0g麺」と併せて、ミートボールパスタ風の一品を、フル・コンニャクで。
コンソメで下味をつけた玉こんにゃくを、市販のトマトソースで煮込みましょう。瓶詰めで販売されているトマトソースでもいいですし、レトルトを使っても簡単。もちろん、自家製トマトソースでも。
あとは弱火でグツグツと煮込むだけ。煮込み中は熱いトマトソースがはねやすいので注意しましょう。
玉こんにゃくを煮込んでいる間に、「糖質0g麺」を用意します。さっと水洗いして水気を切ってスタンバイ。「シラタキ(糸コンニャク)」を使ってもいいですね。シラタキなら同様に事前にコンソメで煮込んでおきましょう。
玉こんにゃくを煮込んでいたトマトソースで「糖質0g麺」を和えたところに、玉こんにゃくを盛り付ければ出来上がり。満足度の高い一品なので、夕食にもピッタリです。
玉こんにゃくなどを中心に、日本人のDNAに刷り込まれたダシの味わい・和風の味付けももちろん美味しいですが、コンソメで下味を付けたコンニャクやシラタキ(糸コンニャク)とレトルトソースの「総合バランス」の良さは、コンニャクダイエットを長く続けるヒントになります。
コンニャクの下ごしらえが面倒という場合は、こうしたコンニャクベースの麺類を買うのも良い選択肢です。手間なく低糖質の低カロリーな食事を作ることができます。
そして、意外と使えるのが「レトルトパウチ」のパスタソース類。カロリーで見ると1人前で90〜150kcal程度しかありません。紀文の「糖質0g麺」だと1袋あたりカロリーは35kcal。併せても1食あたり最大200kcal以下で済みます。この麺は植物性タンパク質であるオカラも含むので、まさに低糖質ダイエットにはうってつけ。
ダイエットも「マズい食事で我慢する」「義務や苦行」になってしまうと続きません。美味しくて満足できる食事であるかどうかも重要なポイント。その点で、主食をコンニャクベースに切り替えつつ、満足できる味わいをレトルトパウチ食品で補うというのもいい選択肢です。
たとえば、平日の食事はコンニャク&レトルトパスタソースなどで1日あたり900〜1000kcal以下に抑えつつ、週末にちょっと美味しいものを食べる、という食生活なら、無理なく美味しくダイエットができると言うものです。なによりも継続できるものをチョイスしたいものですね。