お米のように研ぐ必要も吸水も必要なく、数分ほど煮るだけですぐに食べられる「オートミール」。燕麦(エンバク)を押しつぶしたりカットした全粒穀物で、欧米では古くから主食の1つや朝食用シリアルとしてとてもポピュラーな食材です。洋画の食事のシーンや海外のアウトドア料理動画などで見かけたかたも多いでしょう。
日本人的な感覚だと、欧米の一般的なオートミール料理のお粥状のルックスが微妙なので手を出しにくい感もありますが、白米や玄米よりも食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富で1食あたりで見ればお米よりも栄養価が高くて低カロリーであるためダイエットにも最適。医者も白米よりこちらを勧めることがあるほど、隠れたヘルシーフードでもあります。また、お粥状にすれば離乳食としても使えます。
何より備蓄性も良く持ち運びもラク、お米のように研いだり吸水時間を確保する必要も無いので、煮る・茹でるだけですぐに使えます。備災用途だけでなく、キャンプ(特にソロキャンプ)や登山時の山めし用にもピッタリの食材。
という優秀な能力を持つオートミールを使った美味しい食事「スープミール」のレシピをご紹介します。今回は乾燥野菜類を使った野菜たっぷりの「野菜スープミール」。作り方はとっても簡単で短時間でできちゃいますよ。
・「山クッカー角形3の大鍋 or 小鍋」
・「レギュレータストーブ・SOTO ST-310」
(ご家庭での日常食なら、普通にキッチンのコンロと鍋でOKです)
・オートミール(30〜40g:潰したのみで細かくカットされていないもの)
・フリーズドライの野菜スープ(1人前、必要な水の量は160ml前提)
・水(200〜220ml)
・乾燥野菜(10g〜)
・乾燥ワカメ(3〜5g)
オートミールをスープで煮込むだけの時短&超簡単レシピ「スープミール」ですが、応用範囲が広いので日常生活の様々なシーンに取り入れられます。もっともオーソドックスなオートミールの食べ方は熱湯を注ぐ又はお湯で煮る(塩をひとつまみ入れても可)か、レーズンなどのドライフルーツやクルミなどのナッツ類と一緒に牛乳で煮込んで粥状にすることですが、ちょっと抵抗を感じてしまう人もいるでしょう。
やはり、「オートミールをスープで煮込む・またはお湯で煮てから味付けをする」というのが美味しく食べるコツの1つ。要は「雑炊」や「何とかライス」的な調理方法にすることです。今回はフリーズドライの野菜スープでしたが、粉末のコーンスープや各種コンソメスープの素でもいいですし、最初はオートミールをお湯だけで煮てからレトルトの各種ソースなどを絡めても美味しくいただくことができます。
オートミールの原料である燕麦(えんばく)自体が、お米よりも多量の食物繊維・タンパク質・ビタミンB群・鉄分やマグネシウムなどの各種ミネラル類を含むのに対して1食あたりのカロリーが低い低GI食品でもあります(同重量換算だと1食分の量がお米の2倍強になります)。
またオートミールを食べることによって、血糖値や血中コレステロール値が上がりにくくなる作用や血圧低下・お通じを良くする・心臓病の発祥リスクを下げる・免疫機能の調整作用などの効果が欧米を中心に多数報告されています。普段の食事が偏りがちな方は、朝食や夕食をオートミールに切り替えてみるといいかもしれません。食事としてだけでなく、フレーク状のオートミールをヨーグルトにひと晩漬け込んだものに蜂蜜をかけていただくと、デザートとしても美味しい一品に。
価格的なところを見てみると、たとえばオートミール2kgはだいたい2000円程度、対するお米は2kgで1300円程度。オートミールのほうが割高な気がしますが、1食あたりで必要な量と価格を見てみると、オートミールは30gで30円ですがお米は75gで50円と、意外とオートミールのほうが割安であることが判ります。
さてオートミールで作る今回の「スープミール」ですが、とにかく早く作れて美味しいので、オートミールと乾燥野菜をセットにしてジップロックやナルゲンボトルなどに入れて、フリーズドライのスープと一緒に登山やソロキャンプへ持っていくのもオススメです。クッカー炊飯も楽しく美味しいですが、たまには「山でオートミール」もいいのではないでしょうか。