2020/3/23〜3/24:岩手,福島,和歌山,徳島,宮崎,沖縄で相次ぐ小規模な地震
2020/3/23〜3/24にかけて、岩手,福島,和歌山,徳島,宮崎,沖縄で小規模な地震が相次ぎました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
【岩手県沖】
2020/03/24 20:13頃, 震度1, M3.9, 深さ40km, 北緯:40.0, 東経:142.3
【宮崎県北部平野部】
2020/03/24 12:15頃, 震度3, M3.1, 深さ20km, 北緯:32.1, 東経:131.5
【宮古島近海】
2020/03/24 10:09頃, 震度1, M3.0, 深さ50km, 北緯:24.7, 東経:125.4
【福島県中通り】
2020/03/24 09:56頃, 震度1, M2.7, 深さ10km, 北緯:37.2, 東経:140.5
【福島県会津】
2020/03/24 05:49頃, 震度1, M2.1, 深さ10km, 北緯:37.0, 東経:139.5
【徳島県北部】
2020/03/24 04:24頃, 震度1, M2.1, 深さ10km, 北緯:33.9, 東経:134.2
【宮古島近海】
2020/03/24 02:07頃, 震度1, M3.5, 深さ50km, 北緯:24.7, 東経:125.4
【和歌山県北部】
2020/03/24 00:31頃, 震度2, M2.7, 深さ10km, 北緯:34.1, 東経:135.2
【沖縄本島近海】
2020/03/23 22:57頃, 震度2, M4.5, 深さ10km, 北緯:26.5, 東経:128.8
【福島県会津】
2020/03/23 19:37頃, 震度1, M2.6, 深さ10km, 北緯:37.0, 東経:139.5
前日の3/23は概ね静穏な1日でしたが、3/24は新月というタイミング。従来より満月と新月においては地球と月との間の「潮汐力」が大きくなるため地震が起きやすいとは言われています。
満月の場合、地球は月と太陽の間に位置する状態となります。この場合、地球にとって「両手」方向から引力が働きます。
対する新月の場合は、地球と太陽の間に月が位置する状態となります。これは、地球にとって「片手」の方向に太陽と月が位置する状態となり、より強い引力を受けることになります。
そして3/24は和歌山県北部・徳島県北部・宮崎県北部でも有感地震がありました。このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域内に該当します。ここ数日は紀伊水道や豊後水道などでも有感地震が続いており、南海トラフ周辺も継続的に動き続けていることが実感できます。
2020年1月には、東京大学と海上保安庁の研究グループが南海トラフの海底でプレート境界がゆっくり動く「スロースリップ(ゆっくり滑り)」現象の初観測に成功したというニュースがあったばかりです。
スロースリップ自体は長期間にわたって極めてゆっくりと動くため観測が難しいのですが、東日本大震災が発生する直前にも発生自体は確認されていたため、今後の津波を伴う地震のメカニズム解明や防災対策への活用が期待されています。
南海トラフ巨大地震に関しては、確度の高い予測は困難との判断が下されていることはご存知の通りで、近年、警戒警報の発令は凍結され、代わりに震源域で異常な現象を観測した場合に「臨時」の情報が発表されることになっています。
難しいのは、この臨時情報が出た際に、私たち個人レベルではどう対応すべきかという点。実際に起きてしまった場合の想定被害は過去類を見ない甚大なものになる試算がなされていますが、逆に臨時情報が出たとしても何も起きないことも考えられます。
2000年代に入り、環太平洋火山帯全体で活動が活発化している状況とも考えられます。
この規模での地殻活動となると、日本でもいつどこで大きな地震や噴火がほとんど前兆無しで発生するか判りませんが、それはこれまでも繰り返されてきたことです。
基本的に環太平洋火山帯では日々大きな地震が起きるものです。地球上で発生する地震の約90%はここで起きています。出来るかぎり(可能な範囲で構いません)の備えをした上であれば、必要以上に怖がったり不安に感じることはありません。