世の中には様々な「缶詰の炊き込みご飯」がありますが、人気の高いのは魚介類の缶詰を使ったもの、中でも「さんま」の味付け缶を使ったものは初心者にも優しいながら、王道的なレシピと言えるでしょう。作り方も簡単。もっともシンプルになるなら、ご飯を炊く時の研いだ米に一緒にサンマの缶詰の中身を入れるだけ。
・「メスティン(炊き込み2人前用)」
・「esbit ポケットストーブ」
・固形燃料1個
・無洗米(1合:160g)
・サンマの蒲焼缶詰め(1缶)
・乾燥野菜(10〜15g)
・おろし or 刻み生姜(チューブ生姜でも可。「桃屋のきざみしょうが」推奨)
・醤油または濃縮麺つゆ(大さじ1〜2)
・水(220ml:炊飯用)
材料です。乾燥野菜以外は、けっこうどちらのご家庭にもあるようなものばかり。
メインはサンマの蒲焼缶詰め。この手の「魚の味付け缶詰め」は缶詰め独特の風味がありますが、それを消してくれるのがショウガ。
備災メシとしてはイチ押しの「乾燥野菜」。お湯で戻すだけで野菜が摂取できます。国産野菜を使ったものも数多く販売されています。
さて、準備していきましょう。クッカーにお米と水を入れ、乾燥野菜を投入します。
味の主役はこちらの「サンマの蒲焼缶詰め」です。各社各様の商品が出てますので、お好みの缶詰めを選んでください。
缶詰めの中身を入れ、煮汁も余すこと無くすべて投入します。この煮汁が炊き込みご飯全体のベースの味になりますよ。
醤油または麺つゆを入れます。醤油だったら大さじ1、濃縮麺つゆなら大さじ2程度。薄味が好みなら、この工程は省いても構いません。
いわゆる「魚の缶詰の独特の風味」を消してくれる、おろしショウガ。チューブ生姜もいいですが、「桃屋のきざみしょうが」の瓶詰めオススメです。多めが美味しいですよ。
すべての材料を投入したので、準備完了です。
炊いていきます。
火が消えたら、タオルに包んで蒸らして完成。
サンマの身をほぐしながら、全体を混ぜ合わせます。ここでさらにおろしショウガを追加しても可。
魚の蒲焼き缶だけで炊くのが一番簡単ですが、他の具材があればぜひ追加したいところです。備災メシとしては乾燥野菜の備蓄をぜひオススメします。普段メシであれば、野菜やショウガは生鮮品にすればもちろん美味しいですし、仕事などで忙しい日々には備災メシをそのまま日常の食事として活用してください。
「缶詰」がこの世に生まれたのは1810年のイギリス。その数年前には「瓶詰め」が発明されていましたが、瓶詰めは重くて割れやすかったため、その代わりになるものが求められていました。
当時の缶詰は今のような一般消費者が気軽に買うものではなく、船乗りや兵士たちが航海や戦場へ持っていくための長期間保存が利く非常食・軍用食として使われていました。アメリカの南北戦争においても活用されたという記録も残っているそうです。
日本における缶詰の歴史は1871年からになります。当時の長崎県でフランス人技師の指導のもと、魚類の缶詰の試作がおこなわれていました。現在は缶切りが不要な「イージーオープン缶」が主流になり、開缶も簡単。
缶詰め食品は調理過程の性質上、防腐剤なども不要・原材料もかなりシンプルにできるため「食の安全」という観点でも実に優秀な食品です。普段の食事にももっと活用したいものですね。