トップ レビュー 【レビュー】trangia「メスティン」

【レビュー】trangia「メスティン」

メスティンでの炊飯を一度体験してしまうと、高機能で高価格帯の炊飯器など不要とすら感じてしまうほど美味しいご飯を炊くことが可能。シンプルながら様々な調理に活用できる「一生モノ」。

10498

アウトドア用のクッカーとしては定番中の定番、一人用の食事なら煮炊き炒め物までなんでもこなし、炊飯用途としてはテッパン的な存在。

対応人数:大人1〜2名・または大人1名 + 子ども1名

スウェーデンのtrangia(トランギア)社の無垢のアルミ製クッカーの「メスティン」。国内アウトドア・ファンの間では定番的な人気を誇る名器。標準サイズに加えて大型の「ラージ メスティン」も存在するが、こちらは標準サイズ。最大で1.8合程度までのご飯を美味しく炊くことができるクッカーの1つで、一人用なら炊飯だけでなくパスタから煮物炒め物など対応可能な調理は幅広い。

『trangia メスティン』の特徴

・アウトドアでの炊飯用途ではテッパン的存在。
・無垢アルミのため熱伝導率が高く、燃料の消費量も調理時間も少なくて済む。
・角形かつ長方形のため扱いやすく、調味料などの小物を収納しての持ち運びもラク。
・定番品のため、ネット上に使い方・レシピ・手入れ方法などの情報が多い。
・購入後、使いはじめる前に容器フチのアルミのバリ取りを購入者自身でおこなう必要あり。

使い始めは容器フチのアルミの「バリ」をサンドペーパーで取ることからスタート。サンドペーパーは百均で売っているもので十分です。
商品としての最後の仕上げはユーザーが担うことになり、ここから一生モノとしての付き合いが始まります。

バリ取りが終わったら調理を始める前に一度、米のとぎ汁を入れて数分間沸騰させたり野菜クズなどを炒めたりすると無垢アルミ素材の表面に皮膜を作ることができて良いという話しがありますが、必ずしも必須ではありません。基本的に中性洗剤などで洗えば使用開始できます。

『trangia メスティン』での調理例

「基本のご飯(炊飯)」
メスティンと言ったら、何はともあれ「炊飯」です。炊飯専用に作られたのかと錯覚するほど、美味しいご飯を炊くことができます。メスティンの生まれ故郷であるスウェーデンでもジャガイモやパスタの代わりにコメを食べる習慣はあるそうですが、主食としてコメはメインではないそうです。

「炊飯のコツ」
事前に十分に米に吸水させることが最大のコツ。無洗米を使いましょう。上手く炊きあがれば、このようにおコゲすら無くキレイに炊くことができます。炊きあがったら、すぐにシェラカップなどの器へ。炊きたてのご飯をメスティン内に長時間保存すると容器にくっついて掬いにくくなるので注意。

「炊きたてご飯」
ご飯1合を市販の固形燃料1個で十分に美味しく炊き上げることができます。固形燃料は、100円ショップなどで手軽に入手できます。標準サイズのメスティンでは1.8合炊きまでが限度なので、2合以上を炊きたい場合は別途「ラージ メスティン」を入手しましょう。

「駄菓子カツ丼」
駄菓子として売っている「ビッグカツ」と、フリーズドライの「かきたまスープ」で作った「簡易カツ丼」。米・ビッグカツ・フリーズドライ食品共に保存性の高いものなので、備災メシとしては十分な一品になります。

「お茶漬けの素と缶詰めの焼き鳥を使ったパスタ」
早ゆで3分パスタを使うとパスタも簡単。お茶漬け素、焼き鳥缶、マヨネーズがあればちょっとした和風パスタに早変わり。薬味のネギもフリーズドライ、日持ちのする食材のみで作る美味しいパスタメニュー。

「アヒージョの素とドライパック食材で作るペペロンチーノ」
市販の「アヒージョの素」を使えば、イタリアン・テイストな料理も簡単。加えてドライパックの黒オリーブとビーンズに、マッシュルームの水煮を使えば、ペペロンチーノ風の美味しいパスタの出来上がり。

熱源との組み合わせ

炊飯前提なら、まずは固形燃料との組み合わせ。「esbitポケットストーブ」が最も定番で使いやすい炊飯にもベストな熱源です。燃料の固形燃料は百均で手に入るもので十分。

パスタや炒めモノ・煮物など、炊飯以外の料理にも使いやすいのが、カセットボンベを使うレギュレータ・ストーブやガスコンロ。固形燃料とカセットボンベの2つの熱源があれば、不自由なく調理が可能です。

こちらは「VARGOヘキサゴンウッドストーブ」。基本は「小さな焚き火」に使うもので、枯れ枝や落ち葉、小さくカットした薪などを燃料に使いますが、固形燃料も使えさらにアルコール・バーナーとの組み合わせとしても最適。酸素の取り入れやすさを担保しつつ風防構造になっているため、使い慣れれば燃料を問わないコンパクトな熱源です。

こちらもウッドストーブの1つ。枯れ木に落ち葉・薪を使え、Ohuhuブランドであればアルコール燃料と固形燃料の受け皿付き。焚き火用途としては、VARGOヘキサゴンウッドストーブより大型なので、秋冬などの時期にも活躍します。標準サイズのメスティンと併せて使うには、ゴトク部分の安定感が足りないため、UNIFRAMEのバーナーパッドとの組み合わせがベスト。

その他

ご飯を1合炊く場合、米を入れたら水はこの2つのリベットの下側まで入れると丁度良い水加減。固めに炊きたい場合はここからさらに気持ち少なめでも可。吸水時間は十分に取ったほうが、焦げ付きを無くし美味しく炊き上げるコツ。最低15分、30分なら上出来、1時間吸水させたら文句なし。

炊飯中は少々吹きこぼれます。この吹きこぼれを最小限にするには、十分に吸水させた後、炊飯開始前にいったん水を捨てて新しい水を入れるといいのですが、災害時の被災生活ではその余裕がないかもしれません。吹きこぼれはウェットティシュなどで簡単に拭き取れます。

固形燃料の燃焼が終われば炊飯も終わっていますので蒸らしに入ります。このような保温(保冷)バッグを使えば、蒸らしも効率的。100円ショップで売っているもので十分です。

蒸らしもおわり、美味しく炊きあがったお米です。1合ぶんなら、大人2名か大人1名+子ども1名ぶんのご飯になります。単身者であれば二食分、大盛り好きなら1合程度はペロっといけるでしょう。用途やライフスタイルに併せて、量や合わせる副菜を考えるのも楽しいです。

インスタントラーメンに関しては、標準サイズのメスティンはそのままでは入りきらないので2つ折りにして茹でる必要があります。(だからといって何ら不便はありません)

ラージメスティンであれば、インスタントラーメンも丸ごと1袋ぶん、茹でることができます。お米も最大3.5合まで炊くことができるので、3人以上の家族であればラージメスティンがオススメです。

まとめ

国内アウトドア・ユーザーの間で知名度も高くユーザーも多い「メスティン」。構造も極めてシンプルなので、少々の変形などはあっても余程のことが無い限り故障することはありません。まさに「一生モノ」のクッカー。使い始めのバリ取りなどの一手間は必要ですが、標準サイズとラージサイズの2つを揃えておけば、様々な調理をおこなうことができる優れものです。使い込むほどにキズや汚れが増えていくのも、道具を育てるという点では1つの楽しみです。

アウトドアクッカーの大定番「メスティン」をamazonで見る

最大3.5合炊き対応「ラージ メスティン」をamazonで見る

このサイトや記事が気に入ったらシェアしましょう!