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【海外地震】京大防災研発表「2017年メキシコ沖巨大地震がプレート全体を破壊」

メキシコで起きた巨大地震によるプレート全体の破壊。小さなプレートとは言え、この表現は衝撃的です。4つのプレートの境界に位置する日本列島。もしいずれかのプレート境界で地震とともに大規模なプレート破壊が起きた時に何が起こるのかは想像したくありません。しかし巨大地震時代を生きる私たちにとって、避けて通れない宿命かもしれません。

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メキシコでの巨大地震によるプレート全体破壊

2018/11/20付で京都大学防災研究所を含む国際研究チームから少し気になる発表が出ました。

2017年メキシコ沖巨大地震がプレート全体を破壊したことを解明
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/181001_3.html

本記事は、京都大学防災研究所を含む国際研究チームによる発表資料を参考に、ITOITO-STYLE編集部で独自に構成したものです。

ここで中米の太平洋側を震源とする過去の地震で「M7.0を超えるもの」をいくつかピックアップしてみます。

2018年02月17日 08時40分頃, メキシコ、オアハカ州, M7.2
2017年09月20日 03時14分頃, メキシコ中部, M7.1
2017年09月08日 13時49分頃, メキシコ、チアパス州沖, M8.2
2016年11月25日 03時44分頃, 中央アメリカ沖, M7.2
2014年10月14日 12時52分頃, 中央アメリカ沖, M7.4
2014年07月07日 20時24分頃, メキシコ、チアパス州沿岸, M7.1
2014年04月18日 23時27分頃, メキシコ、ゲレロ州, M7.2
2012年11月08日 01時36分頃, メキシコ、チアパス州沿岸, M7.4
2012年09月05日 23時42分頃, コスタリカ, M7.6
2012年08月27日 13時37分頃, 中央アメリカ沖, M7.3

研究に該当する巨大地震は2017年09月08日の13時49分頃に、メキシコ・チアパス州沖で発生したM8.2のものです。

全体が破壊された「ココスプレート」

ここで破壊されたプレートはココスプレートという比較的小さなもので、メキシコはこの「ココスプレート」と「カリブプレート」がぶつかり合う場所に位置しています。

特にココスプレートは太平洋側にあり環太平洋火山帯に属するプレートで、海側は太平洋プレートの下に沈み込み、陸側はメキシコ南部の大陸地殻(カリブプレート)の下に沈み込みながら「中央アメリカ海溝」を形成しています。

この中央アメリカ海溝・ココスプレート・カリブプレート・北米プレートの境界では大きな地震が多く起きていることで知られています。

ココスプレートは数千万年後あたりには完全に北アメリカプレートの下に沈み込むと考えられてきましたが、2017年の巨大地震でプレート全体が破壊されたとなると、そうした想定も変わってくる可能性があります。

同月に起きた「メキシコ中部地震」

このM8.2の巨大地震のすぐ後である2017年09月20日の03時14分頃(現地時間:2017年9月19日 13時14分頃)にもメキシコ中部でM7.1の大地震が起きています。

この9月20日という日は、遡ること32年前にもメキシコで大地震が発生した日ということもあり、午前中から各地で大規模な防災訓練・追悼式などが行われていたところを襲った地震となり、この日の防災訓練が午後には現実のものとなってしまったのです。

画像出典:CNN『メキシコシティでの地震後、崩壊した建物から瓦礫を取り除く人々』

「メキシコ中部地震」と呼ばれるこの大地震では首都メキシコシティなどを含めて20以上の建物が崩壊し、死者361人・負傷者4,683人という大きな被害を出しています。

この地震の時、日本からも「国際緊急援助隊」が派遣されています。日本政府は地震が発生したその日のうちに隊と救助チームの派遣を決定し、翌21日の午後には成田から出発しました。

巨大地震頻発時代にどう備えるべきか

メキシコを含む中米周辺も日本と同じ環太平洋火山帯に含まれるため、文字通りの「対岸の火事」ではありません。

もし、北海道沖で千島海溝を形成する太平洋プレートの沈み込み面や、南海トラフに沈み込むフィリピン海プレートの沈み込み面で大規模なプレート破壊が起きたらどうなるのか。

房総沖には太平洋プレート・北米プレート・フィリピン海プレートが接するプレート境界があり、近年その付近で長さが300kmと160kmの長大な断層帯が発見されています。

いずれの場所で海溝型地震が起きても、M8〜M9クラスの巨大地震となる可能性が指摘されています。

またあまり報じられませんが、依然として地震が頻発している房総沖〜青森県東方沖での日本海溝でも同様の現象が起きたらどうなるのか(東北〜北関東の太平洋側では地殻の隆起が続いています)。

現代の科学技術ではこれらの巨大地震について、発生の想定はできていても「いつ起きるのか」という重要な点については確度の高い予測は困難という状況があります。

「その日」への備えについては、個人・家庭・地域や自治体・国レベルで、それぞれにできることとできないことがあります。

東日本大震災を超えるような巨大地震となった場合は警察・消防だけでなく自衛隊ですら十分に機能できなくなり、国の政治や経済に関しても大きなダメージを受ける可能性もあります。

おそらく十年前くらいであれば、「そのような話しは荒唐無稽で現実的ではなく、オカルトやSF、ハリウッドの災害パニック映画の中だけのフィクションだ」という認識を多くの方々が持っていたはずですが、東日本大震災でのあの津波被害と原発事故を経験してしまった今、もはや絵空事ではなくなってしまいました。

防災から「備災」へ

その日・その瞬間が来てしまった場合は「まずは生き残ること」を念頭においた行動を。

生き残れた人々がまずは自助活動をおこない、そうした人々が集まって互助・共助をおこうコミュニティを作ることが重要になります。そこから「生き抜く」という活動が改めてスタートすることになるはずです。

だからといって、今から個人レベルでできることは限られています。まずは1週間分の生活物資の備蓄から。

次に、公共の電気ガスの無い生活を体験する「普通のキャンプ」を(一般的なキャンプ場であれば、水道とトイレはだいたいあります)。

普通のキャンプに慣れたら、いよいよ「備災キャンプ」を。飲料水・生活用水と簡易トイレまで自前で用意して、個人や家族で「孤立した生活」を楽しみながら体験するものです。

備蓄食糧や備災(防災)用品は、揃えて収納して安心するものではありません。消費ペースや道具の使い方などは日頃から慣れておく必要があります。

地域や企業で実施される防災訓練は必要なものではありますが、やはり啓蒙的かつ形式的なものになってきていますし何より楽しいものではありません。

楽しみながら大きな災害に備える・乗り越えるノウハウと知恵を個人レベルで身につけるという点では、キャンプは最適な活動と言えます。

すでにキャンプを楽しんでおられるかたは、ぜひ次に「備災キャンプ」を。キャンプは未体験という方は、ぜひ時期を見てキャンプデビューしてみてください。

(ITOITO-STYLE編集部のスタッフは、冬でも万全の体制でキャンプに行っております)

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