2018/11/29:伊豆大島・三原山噴火は30〜40年周期、次の噴火は数年内!?
2018/11/29付の「NHK NEWS WEB」で「東京で噴火再び!? その時、どうする…」という記事が公開されましたが、伊豆大島(の三原山)の大規模噴火が間近に迫っている可能性を示唆するものでした。
ちょうど、2018/11/27の22:16頃、伊豆大島近海では震度2・M3.0・深さは「ごく浅い」地震が起きていたばかりです。
このあたりの地震で近年の震度3以上のものをピックアップすると次のような状況となります。
2018/01/15 03:12, 伊豆大島近海, 震度3, M3.5
2018/01/06 05:47, 伊豆大島近海, 震度3, M4.6
2017/09/24 06:08, 伊豆大島近海, 震度3, M4.1
2016/07/24 13:54, 伊豆大島近海, 震度3, M3.8
2016/07/24 02:44, 伊豆大島近海, 震度3, M3.4
2016/07/24 00:59, 伊豆大島近海, 震度3, M3.3
2015/03/06 12:21, 伊豆大島近海, 震度3, M3.2
2014/09/27 10:20, 伊豆大島近海, 震度3, M1.8
2014/07/28 17:05, 伊豆大島近海, 震度3, M4.4
2014/05/05 05:18, 伊豆大島近海, 震度5弱, M6.0
2013/02/02 15:41, 伊豆大島近海, 震度3, M3.5
2011/01/31 17:22, 伊豆大島近海, 震度4, M4.1
2010/10/17 20:01, 伊豆大島近海, 震度3, M3.4
特に、2017年からはM4以上が出てきています。では、噴火に関してはどうでしょうか。記録上で明確な1684年〜の「貞享の大噴火」以降、目立った噴火の記録を見てみます。
1986年:中規模噴火・全島民1万人が一時的に島外へ1ヶ月間の避難(28年経過後)
1957〜1958年:小規模なマグマ噴火・火口付近で観光客1名死亡、重軽傷者53名(6年経過後)
1950〜1951年:溶岩流出を伴う中規模なマグマ噴火(36年経過後)
1912〜1914年:溶岩流出を伴う中規模なマグマ噴火(3年経過後)
1887〜1909年:火口底で赤熱溶岩露出を伴う噴火(25年経過後)
1822〜1824年:農作物被害を出す中規模噴火(63年経過後)
1777~1792年:「安永の大噴火」(30年経過後)
1684~1690年:「貞享の大噴火」(87年経過後)
1986年の全島民島外避難となった噴火後、1987〜1988年にも小規模な噴火があり、1990年の水蒸気噴火以降は小規模な地震や微動程度が続いていました。
1994年には地震が多発、島全体の膨張傾向が観測され、2011年の東日本大震災以降は島西方沖及び北部で地震活動が活発化したとのことです。
(出典:気象庁「伊豆大島 有史以降の火山活動」より、ITOITO-STYLE編集部にて再構成)
2008年あたりからの伊豆大島近海での地震発生状況を見ても、比較的コンスタントに震度1〜2、M2クラスのものは発生しています。
傾向的に、2014年あたりからは地震の発生回数は増え、地震も規模の大きなものが起こるようになってきましたので、やはり報じられているように『穏やかに見えるが、地下では着実に次の噴火に向かっての準備がされている』という状況であることに間違いはないでしょう。
2018年前半は、特に九州地方の中央構造線沿いの火山の活動が活発化していましたが、環太平洋火山帯の範囲で見た場合は九州も関東も極めて近い位置にあり、地殻ではつながっています。また、伊豆大島周辺は駿河トラフ・相模トラフ・南海トラフが存在し、糸魚川・静岡構造線とも接続しています。
伊豆大島の噴火は30〜40年周期と言われますが、地球の歴史から見れば100年程度はほんの一瞬です。
前回、全島民1万人が避難することとなった大規模噴火から30年以上が経った今、環太平洋火山帯全体が活性化している状況を考えると、次の大規模噴火が起きたときに東京や関東地方に与える影響がどのようなものになるかが案じられるところです。