トップ 2分で読む 【異常震域発生】東海道南方沖で最大震度1, M4.9の地震(2019/11/22)

【異常震域発生】東海道南方沖で最大震度1, M4.9の地震(2019/11/22)

2019/11/22の07:32頃、東海道南方沖で最大震度1, M4.9の地震がありました。震源の深さは約410kmとなる「深発地震」で、なおかつ震源から遠く離れた栃木県宇都宮市で最大震度1を観測、これは「異常震域」に該当します。

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2019/11/22:東海道南方沖で最大震度1, M4.9の地震

2019/11/22の07:32頃、東海道南方沖で最大震度1, M4.9の地震がありました。
震源の深さは約410kmとなる「深発地震」で、なおかつ震源から遠く離れた栃木県宇都宮市で最大震度1を観測、これは「異常震域」に該当します。

【東海道南方沖で発生した近年の地震】
2019/11/22 07:32頃, 震度1, M4.9, 深さ410km
2018/12/24 04:22頃, 震度1, M3.5, 深さ43km
2018/12/10 00:21頃, 震度2, M5.2, 深さ367km
2018/12/06 04:48頃, 震度1, M4.2, 深さ41km
2018/01/27 15:00頃, 震度1, M4.3, 深さ24km
2017/09/25 05:45頃, 震度1, M4.1, 深さ390km
2015/05/18 01:33頃, 震度1, M4.6, 深さ10km
2014/08/21 04:38頃, 震度2, M5.3, 深さ327km
2013/02/18 19:59頃, 震度1, M4.8, 深さ24km
2012/12/26 02:08頃, 震度1, M5.1, 深さ397km
2011/10/26 04:34頃, 震度2, M4.9, 深さ45km
2010/08/19 08:33頃, 震度1, M5.3, 深さ396km
2009/08/10 01:01頃, 震度1, M4.8, 深さ316km
2009/08/09 19:55頃, 震度4, M6.8, 深さ333km
2009/01/02 16:42頃, 震度1, M5.2, 深さ345km

東海道南方沖で発生する地震は震源の位置が浅いものと深いものが極端ですが、深い深発地震のケースではほぼ確実に異常震域が発生しています。
異常震域は、

・地盤の状態による例:地盤が弱い場合など
・プレート構造による例:プレート境界に軟弱な地盤構造が存在する場合など
・大規模な深発地震

といったケースで発生し、今回は最後の「大規模な深発地震」が該当するでしょう。
日本周辺では小笠原諸島付近やオホーツク海付近などで発生します。
過去の東海道南方沖で起きた深発地震の際の揺れた地域を見てみると次のようになります。

・2017/09/25 05:45頃, 震度1, M4.1, 深さ390km
→ 栃木県 宇都宮市で震度1

・2014/08/21 04:38頃, 震度2, M5.3, 深さ327km
→ 宮城県, 福島県, 茨城県, 栃木県, 東京都で震度2

・2012/12/26 02:08頃, 震度1, M5.1, 深さ397km
→ 栃木県, 東京都で震度1

・2010/08/19 08:33頃, 震度1, M5.3, 深さ396km
→ 宮城県, 福島県, 茨城県, 栃木県, 群馬県, 埼玉県, 東京都などで震度1

・2009/08/10 01:01頃, 震度1, M4.8, 深さ316km
→ 福島県, 栃木県, 東京都で震度1

・2009/08/09 19:55頃, 震度4, M6.8, 深さ333km
→ 北海道〜高知県まで広範囲で揺れを観測

・2009/01/02 16:42頃, 震度1, M5.2, 深さ345km
→ 福島県, 茨城県, 栃木県, 東京都, 神奈川県で震度1

傾向として、震源から遠く離れた地域で揺れが観測されており、異常震域が発生したことがわかります。

近年、異常震域が発生した例は他にもあります。

・2019/07/28早朝、三重県南東沖の南海トラフ沿いでM6.5・最大震度4(深さ420km)の地震が発生。
同時に東日本の太平洋側・特に宮城付近で強く揺れる「異常震域」が発生。

・2019/7/13にも奄美大島北西沖で起きたM5.9の地震
岡山あたりに異常震域と見られる震度分布を発生。

・2018/12/10の00:22頃、三重県南東沖を震源とした震度2・M5.3の地震
揺れたエリアが三重県からはかなり距離がある関東地方で、最も震度が大きかったのは栃木県。

・2007/7/16には京都沖の日本海で起きた深発地震
京都では小さな震度でしたが、距離的に遠い北海道では大きな揺れを観測。
逆にプレート境界をまたいだ中京関西地方や中部地方での揺れは小さかった。

 

異常震域の発生は決して稀有な現象ではないので必要以上に不安を感じる必要はありませんが、これを機会として備災・防災用品の確認や備蓄品の補充などをおこなっておきましょう。

事前に備える「備災」が、いざ大きな地震が起きた際の「減災」につながります。

キーワード

「異常震域」
通常の地震は震源(震央)で最大となり中心から同心円状に広がりながら減衰していきますが、それとは異なる傾向や震度分布がみられた地域のことで、震源より遠く離れた場所で異常に震度が高くなる現象です。
かつては「地中に地震が伝わる特別な抜け道がある」と考えられ「地震みち(じしんみち)」とも呼ばれていましたが、1920年代には異常震域という用語が用いられるようになりました。

異常震域が現れる原因は、
1. その周辺地域の地盤の状態が、軟弱な地盤や地震波の反射・回析などで異なる
2. 上部マントルの地震波速度構造の違いで、減衰度合いが経路上の構造によって異なる(構造線やプレート境界、マントルをまたぐなど)
と言う2つに分けられます。

「深発地震」
震源の位置が深い地震を示しますが明確な定義はありません。概ね深さ60kmまでの地震を浅発地震、60〜200kmまでの地震を稍(やや)深発地震、200kmより深い位置で発生する地震を深発地震としています。

深さ500〜670kmの範囲でも深発地震が発生することは多いのですが、670kmより深い位置ではほとんど発生しません。
例外として日本近海では小笠原海溝や海外ならトンガ海溝などの特殊な地下構造となっている一部エリアにおいて、さらに深い位置での深発地震も少数ながら発生しています。

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