2020/02/13:択捉島南東沖でM7.0・最大震度4の地震
2020/02/13の19:34頃、択捉島南東沖でM7.0・最大震度4の地震がありました。震源の深さは約160km。揺れを観測した範囲もかなり広範囲となり、遠くは静岡県の西伊豆町でも震度1を観測。
最近、千島海溝沿いでM4〜M5クラスの地震が相次いでおり、このあたりの震源でM7に達したものは相当に珍しいため、今後の情報に注意してください。
図は2020/01下旬あたりからのM4クラス以上の地震をプロットしたものです。
最新順にピックアップすると次のようになります。
【択捉島南東沖】
2020/02/13 19:34頃, 震度4, M7.0, 深さ160km, 北緯:44.7, 東経:148.9
【胆振地方中東部】
2020/02/12 19:36頃, 震度3, M4.4, 深さ40km, 北緯:42.7, 東経:142.0
【北海道東方沖】
2020/02/12 03:06頃, 震度1, M4.2, 深さ30km, 北緯:43.8, 東経:147.3
【根室半島南東沖】
2020/02/05 10:00頃, 震度2, M4.2, 深さ40km, 北緯:43.2, 東経:146.1
【根室半島南東沖】
2020/02/01 17:21頃, 震度2, M4.2, 深さ50km, 北緯:43.0, 東経:145.9
【釧路地方中南部】
2020/01/29 01:33頃, 震度2, M4.0, 深さ60km, 北緯:43.0, 東経:144.9
【根室半島南東沖】
2020/01/28 10:36頃, 震度4, M5.4, 深さ100km, 北緯:43.4, 東経:146.0
【根室半島南東沖】
2020/01/23 07:08頃, 震度2, M4.1, 深さ80km, 北緯:43.0, 東経:145.8
M4以上だけを見ても、これだけの頻度で発生しています。
おおむね震源の深さが60km以下のものが多いのですが、2020/01/28 10:36頃に起きた地震は深さ100kmでM5.4と、規模の大きなものは深めのところで起きています。今回のM7.0がもし深さ10〜30km程度の位置で発生していた場合、仮定の話しにはなりますが「震災級」の地震になった可能性も考えられます。
また熊本地震の例では時間を明けずに2度めの地震が発生し、その2度めが「本震」だったという事例もあります。
今後1週間程度は同等規模以下の地震が再び発生する可能性があるため、警戒が必要です。
2017年12月の政府地震調査委の発表で、北海道の根室沖を中心とした千島海溝沿いでは、今後30年内にM9クラスの巨大地震が発生する切迫性が高く(発生確率最大40%)、仮に発生した場合は沿岸部に20m以上の大津波が押し寄せる可能性があるという予想です。
北海道根室沖を中心とする地震に関しては、発生間隔がおよそ340〜380年周期となっていますが、前回の発生からはすでに400年以上が経過しており、いつ起きてもおかしくないとされています。
自然災害の発生可能性を確率論で見る場合、確率が小さければなんとなく安心・大きければ不安という気持ちになりがちですが、確率論だけに実際にどのエリアにどの程度の被害が起きるかは起きてみなければわかりません。
これはいわゆる「ハザードマップ」などにも言えることで、ご自身がお住まいの地域がハザードマップ上では大きな被害が無いか、被害が小さいとされる場所になっていることによって「正常性バイアス」が働き、実際には命に関わる危険性が生じているのに逃げ遅れるという状況にもなりかねません。
とにかく災害時にはできるだけ正確な情報に耳を傾け、少しでも自分や家族に危険が生じそうな場合は先手を打って避難などの行動に移ることが重要です。行動した結果、何も起きなければそれでいいのです。行動しないことで命を落とすということだけは、なんとしても避けなければなりません。
新型コロナウイルスによる感染被害が世界的に拡大する中、日本国内でも感染者が増えつつある中で亡くなられる方も出てしまい注意がそちらへ行きがちですが、次の震災を念頭に置いた備えも今のうちにおこなっておきましょう。
この日、他に発生した有感地震
【播磨灘】
2020/02/13 00:17頃, 震度1, M2.7, 深さ10km, 北緯:34.7, 東経:134.4
【茨城県北部】
2020/02/13 11:04頃, 震度2, M3.0, 深さ10km, 北緯:36.6, 東経:140.6
【奄美大島近海】
2020/02/13 12:55頃, 震度2, M4.1, 深さ30km, 北緯:27.6, 東経:129.1