2020/6/7〜6/8:茨城県・千葉県周辺で小規模な地震が相次ぐ
2020/6/7〜6/8は茨城県・千葉県周辺で小規模な地震が相次ぎました。また、夕刻には薩摩半島西方沖でも小規模な地震が発生。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
【薩摩半島西方沖】
2020/06/08 18:36頃, 震度2, M2.8, 深さ10km, 北緯:31.6, 東経:130.3
【茨城県南部】
2020/06/08 00:17頃, 震度2, M3.4, 深さ50km, 北緯:36.2, 東経:140.0
【茨城県沖】
2020/06/07 21:44頃, 震度2, M3.8, 深さ30km, 北緯:36.0, 東経:141.2
【茨城県南部】
2020/06/07 10:47頃, 震度1, M2.9, 深さ40km, 北緯:36.0, 東経:140.3
【千葉県東方沖】
2020/06/07 09:26頃, 震度1, M3.5, 深さ50km, 北緯:35.7, 東経:140.8
茨城県南部・千葉県東方沖ともに地震が頻発する震源域ではありますので、短期間に集中発生したとしても珍しい動きではないと言えます。とは言え、集中して有感地震が発生するということは、それだけ地下の動きが活発であるということです。
特に房総沖においては
・太平洋プレート
・北米プレート
・フィリピン海プレート
の3つのプレートが重なり合う特異点とも言える領域があり、そこを起点として北側には日本海溝、南側には伊豆・小笠原・マリアナ海溝が続いています。それぞれのプレートは常に動き続けていることも、日本列島で地震が多い一因となっています。
また茨城県南部は北部とともに地震の多いエリアで、南部で発生する地震は震源の深さが50〜60kmのものが多いのです。この茨城県南部の地表下50〜60kmあたりは、フィリピン海プレートが沈み込んだ先の先端部分にあたります。
地震の多い茨城県内においては、意外なことに「確実に活断層である」とされるものはこれまでに知られていません。
日本有数の大断層である「棚倉断層」は存在していますが、これは活断層ではないのです。
(棚倉断層:茨城県常陸太田市と福島県棚倉町の間を北北西から南南東方向へ通る約60キロメートルの横ずれ断層)
棚倉断層は棚倉西縁断層と棚倉東縁断層から構成されていて、その中間に破砕帯があります。これらを含めて「棚倉構造線」も呼ばれ、従来は東北日本と西南日本の境界線と考えられてきました。
(別途、東北日本と西南日本の境界線は利根川構造線であるという見解もあります)
また茨城県の北部の陸から沖合にかけては、棚倉構造線と同様の走向を持つ長さの短い断層が多数分布しています。東日本大震災以降、これらの断層に次々と正断層型の地震が生じて破損等の被害が発生しているという状況もありますので、今後も長期的な警戒と備えが必要です。
もとより茨城県内は「中規模地震の巣」と言えるくらい地震が頻発するエリアであり、今後の情報には注意しつつ備えだけはしっかりと。
昨年後半から茨城県での地震活動の活発化を感じさせるような動きがありますが、同様の活動例はこれまで全国各地で見られます。こうした動きが次の巨大地震などの前兆かどうかは現代科学の力では残念ながら確度の高い予測としては判断できない現実がありますし、短期的には「通常運転」とも言えます。
首都直下型地震や南海トラフ巨大地震がいつ起きるのかという点を気にするよりも、次の大きな自然災害が起きた時に、命さえ無事ならその後を乗り切っていくための備えがあるかどうかが重要です。
この日、他に発生した有感地震(主に記事公開後)
あああああ