2020/8/15〜8/16:熊本, 愛媛, 千葉沖で小規模な地震
2020/8/15〜8/16にかけて熊本, 愛媛, 千葉沖で小規模な地震がありました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
【熊本県熊本地方】
2020/08/16 03:04頃, 震度1, M2.1, 深さ10km, 北緯32.8度, 東経130.7度
【伊予灘】
2020/08/15 20:38頃, 震度1, M3.1, 深さ50km, 北緯33.5度, 東経132.2度
【千葉県東方沖】
2020/08/15 17:10頃, 震度1, M4.2, 深さ30km, 北緯35.5度, 東経141.2度
有感地震としてはいずれも震度は1。これらの中で最大のものは千葉県東方沖におけるM4.2。
千葉県東方沖は東日本大震災以降、比較的活発に動いている震源域となっており、最大震度3〜4程度の地震の発生頻度が高い状況で推移しています。
また、千葉県東方沖では最大震度5弱以上の近年では一定程度発生しています。
発生記録を見てみます。
【千葉県東方沖を震源とする近年の最大震度5以上】
発生日時 | 最大震度 | マグニチュード | 深さ | 北緯, 東経 |
---|---|---|---|---|
2020/06/25 04:47頃 | 5弱 | 6.1 | 約40km | 35.6, 141.1 |
2018/07/07 20:23頃 | 5弱 | 6.0 | 約70km | 35.2, 140.6 |
2012/03/14 21:05頃 | 5強 | 6.1 | 約10km | 35.8, 141.1 |
2011/04/21 22:37頃 | 5弱 | 6.0 | 約70km | 35.6, 140.9 |
2011/04/12 08:08頃 | 5弱 | 6.3 | 約30km | 35.4, 141.0 |
2011/03/16 12:52頃 | 5弱 | 6.0 | 約10km | 35.8, 141.0 |
東日本大震災の約1ヶ月後の4/12にはM6.3・最大震度5弱が発生していますが、最近で見ても2020/6/25にM6.1・最大震度5弱が発生しています。このあたりは太平洋プレート・北米プレート・フィリピン海プレートの3プレートが重なり合う領域となっていることも影響していると考えられます。
東日本大震災は、ここ数十年における地震の中でも非常に大きな規模の地震であったため、現在においてもあの地震によって誘発された小規模・中規模な地震が日本列島のかなり広い範囲で発生し続けています。
そして、太平洋プレートと、東日本〜東北地方のプレート境界では大規模な「余効変動」が続いています。
この「余効変動」とは、大地震が起きた後に長期に渡ってゆっくりと進行していく地殻変動のことで、スロー地震(スロースリップ・深部低周波微動など)の一種で、「余効すべり」「アフタースリップ」などとも呼ばれます。
震源域の断層周辺・広範囲のプレートが長期間・ゆっくりと滑り続けることで発生し、この余効変動は、今後も10年スパンの長い期間を使って続いていく可能性があります。
かつてより「地震大国」を自認する日本、小規模な地震は意に介さず、中規模な地震が起きると「お、ちょっと揺れたかな」と感じ、特に被害がなければそれなりの大きな揺れでも平然とやりすごしてしまう傾向があるように思います。
しかし、これまでに起きた大震災クラスの地震は予知できませんでした。
多くの死者を出すような巨大地震も、いつ何どき発生するかは最先端の科学技術をもってしても正確には誰にも判りません。
だからこそ「普段からの備え」をする人々が増えていく必要があるのです。
「次の大地震はいつ起きるのか」を心配するよりも、「起きたときに備えはあるか」という発想に切り替えていきましょう。「その日」は明日かもしれないのですから。
この日、他に発生した有感地震(主に記事公開後)
あああああ