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【国内】今後想定される巨大地震と四国沖の地震空白域(2019/03/15)

3/14深夜から桜島での噴火や、茨城県沖でのM3.8(震度1)があったものの、3/15は概ね静穏な1日のようです(桜島の噴火はおそらく平常通り)。 ここで、米USGSで公開されているデータから日本周辺の過去約100年の震源を見てみると、もはや太平洋沿岸は見えないほどの数になります。 先日の愛媛県南予でのM4.5や紀伊水道でのM5.2に関するニュースなどでは、「南海トラフ巨大地震が迫っている」という話しも報じられてはいますが、国内で地震研究や防災に関わっておられる方の中には 『南海トラフに関しては、まだ慌てるタイミングではない。発生周期的にすでに満期を迎えているのは北海道沖だ』 という見方もあります(※政府公式見解ではありません)。 北海道の十勝沖〜根室沖の千島海溝沿いでは、おおむね340〜380年周期で大地震が発生していますが、前回の発生からすでに400年が過ぎているためです。 今後30年内の発生確立で見ると7%〜40%という数字にはなっていますが、政府地震調査研究推進本部での評価としては「発生は切迫している」となっています。 千島海溝からは離れていますが、北海道では胆振地方東部でも大きな地震があったり、北方領土周辺においても地震が発生していますので、注意と備えだけはしておきたいところです。 南海トラフ周辺に関してUSGSの過去100年の震源データで見ての注目ポイントは、これほどの期間があっても南海トラフより陸側の四国沖にある地震の空白域で、このあたりは固着域に合致します。 固着域以外ではプレートの動き対して相応に地震は発生しているため「ひずみ」自体は蓄積され続けていることになります。 南海トラフ地震に関しては、気象庁から定期的に「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」というものが公開され、平常時に比べて大規模地震発生の可能性が高くなった場合は臨時情報が発表されることになっていますので、特に不安になる必要はありませんが、防災用品や避難ルート・ご家族や友人知人との連絡手段の確認などは怠りなく。

【熊本】活発化する阿蘇山の火山活動(2019/03/04)

気象庁の阿蘇山に関するデータを見ていて孤立型微動の値が気になったのでグラフ化してみたところ、2019年3月を起点とした過去2ヶ月で増加傾向でした。 年次データを見ても孤立型微動は緩やかな増加、火山性地震は2017年あたりから急増しています。 この「孤立型微動」とは阿蘇山特有の火山性微動ですが、発生のメカニズムに関する詳細はまだ不明だということです。 過去30年で見ると阿蘇山の活動が活発化したのは2012年あたりから。ちょうど前年は東日本大震災で以降、火口北西側10km付近の地震活動が一時的に増加しています。近年活発化が見られる環太平洋火山帯の動きによるものでしょうか。 阿蘇山は6世紀ごろから活発な活動が記録されている火山で、日常的に土砂噴出・赤熱現象・噴火が観測されており、近年の噴火に関しては、2015年・2016年に小規模な噴火を起こしています。 カルデラ形成期の噴火活動としては、約27万年前〜9万年前までに大規模な噴火を4回起こしており、特に4回目の噴火である9万年前のものは最も大規模で、発生した火砕流は九州中央部を覆い一部は海を越え山口県秋吉台まで到達。 このときに発生した火山灰は日本海や北海道にまで達したそうです。 なお、阿蘇山に関する最新情報としては、2019/02/27に火山噴火予知連絡会が気象庁で全国の活火山に関する協議をおこない、「すぐの噴火は無いかもしれないが、短期間で活発化する恐れがあり要注意」という趣旨の記者会見をおこなっています。

【熊本】熊本で大きめの地震→阿蘇山活発化→別府温泉で蒸気量が一時減少(2019/1/31〜2/6)

2019年1〜2月は九州での地殻活動が活発傾向です。1月に熊本で震度5弱〜7弱の地震がありましたが、2月に入って阿蘇山で一時的に火山活動が活発化。 1/13〜1/5にかけては、大分の別府では泉源から供給されている蒸気の量が減少。それにより地獄蒸し工房が一時営業を停止することになりました。 蒸気の量が減少した原因は不明とのことです。 報道リンクをいくつか記載します。 大分合同新聞より『蒸気減り臨時休業 原因不明、調理できず 別府「地獄蒸し工房鉄輪」』 https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/02/05/JD0057756886 大分合同新聞より『蒸気不調の別府「地獄蒸し工房鉄輪」 6日から試験的再開』 https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/02/06/JD0057760237 NHK NEWS WEBより『蒸気の量戻る 「地獄蒸し」施設 あす再開へ 大分 別府』 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190205/k10011804791000.html 日本経済新聞より『別府「地獄蒸し工房」蒸気減り営業時間を短縮』 https://r.nikkei.com/article/DGXMZO40965240W9A200C1LX0000 NHKの報道(2/5 19:38)によれば、別府市が配管などを調節して5日の夕方に蒸気の量が戻り温度も上がったとのことですが、地元紙の大分合同新聞の報道(2/6 03:00)によると、蒸気量は回復していないが蒸し時間を長くして釜の温度を上げるなどの対応とのことです。 いずれにせよ地殻活動によるものとは考えられますが、1地方での現象に特定せず、九州全体だけでなく日本列島を含めた環太平洋火山帯の規模で捉えていく必要がありそうです。 大きな自然災害を事前に止めることはできませんが、いつどこで起きても命さえ無事ならその後の対応ができるような備えが必要です。「防災」から「備災・減災」へ、ということですね。 自分自身と自宅が無事なら、まずは在宅避難による自助。「備え」があれば、そこから近隣地域における互助・共助につなげることができます。

【熊本】熊本県で震度6弱、M5.0の大きな地震(2019/01/03)

2019年1月3日の18:10頃、熊本県熊本地方で震度6弱・M5.0の大きな地震がありました。 2018年12月18日には鹿児島県の口永良部島で爆発的噴火がありましたが、近年の九州地方では火山活動も活発化しており、今後、同規模の余震が発生する可能性があります。 また、日本全体では年末あたりから中央構造線に沿って直線上に地震が発生していることと、関東地方の太平洋側から東北にかけての地震も活発、北海道と青森県東方沖などでも地震が目立つようになっています。 環太平洋火山帯で見た場合、12月前半ではニューカレドニア付近ではM7.5の大地震が発生、12/22にはインドネシアでクラカタウ火山の爆発的噴火が発生していました。 1つの説として「環太平洋火山帯では震源は時計回りに移動する」という見方があり、今回の熊本での大きな地震もそれに当てはめて見ることができるかもしれません。 可能性として今後、中央構造線などの主要断層帯に沿って別の場所での大きな地震が発生する可能性もありますので、熊本以外にお住まいの皆さんも念のため警戒を。 非常用持ち出し袋や備蓄品のチェックだけでなく、真冬の深夜に避難する場合は寒さ対策や懐中電灯なども欠かせません。使い捨てカイロがあれば避難グッズに含め、ベッドや布団のそばにはスリッパなども。 灯りに関しては、自転車用の取り外し可能なLEDライトなどでも構いません。最善は両手が自由になるヘッドライトです。 避難ルートの確認、スマホの充電なども欠かさずにおこなっておきましょう。 また震災時には停電が発生し、スマホの充電ができなくなる場合があります。 スマホのバッテリーを長持ちさせるには、 ①まずは低消費電力モードにする ②画面の輝度を下げる ③ネットを使う頻度を少なくし通信が必要な時以外は機内モードにする の3つの方法がかなり有効です。災害時だけでなくキャンプや登山などでも活用できる方法です。 スマホ用の地図アプリに関しては、予め地図データをダウンロードしておけばネットが繋がっていなくても使える「MAPS.ME 」をインストールし、行動範囲の地図データをダウンロードしておきましょう。 http://MAPS.ME 備えた上で、何も起きなければそればベストです。

【茨城】茨城県南部での震度4・M5.0は中央構造線沿い(2018/11/27)

2018/11/27の8:33頃に、茨城県南部を震源とする震度4・M5.0の地震がありましたが、中央構造線の東端に近い部分のようです。 具体的には、中央構造線と柏崎・千葉構造線が交差する領域の若干北側でしょうか。また近年は、この中央構造線沿いの地震が関東〜近畿あたりでかなり活発化している印象があります。 今年前半には九州地方での火山の噴火が相次ぎましたが、これらの火山も中央構造線沿いに位置しています。 今回の震源となった茨城県南部を含めた地面の下では関東地方の下に、フィリピン海プレートと太平洋プレートが重なり合いながら沈み込む構造になっています。 茨城県内には目立った活断層はありませんが、有感地震は比較的多い場所です。これは前述のプレートの動きによるものです。 過去に被害を出した地震としては次のようなものがあります。 2005年:茨城県南部の地震(M5.3) 1983年:茨城県南部の地震(M6.0) 1930年:那珂川下流域の地震(M6.5) 1921年:竜ケ崎付近の地震(M7.0) 1895年:霞ケ浦付近の地震(M7.2) また、図では茨城県南部で東日本大震災後に起きた震度4以上をまとめてみました。震度5弱も1〜2年程度の間隔で発生しています。前回の震度5弱は2016年5月。 もし仮に規則性があるとすれば、次の震度5弱はそろそろ発生してもおかしくないだけの時間は経っています。 震度5弱程度になると相応の被害も発生する可能性があるため、しっかりと備えたいところです。

【長野】長野で震度1が群発地震化?中央構造線・糸魚川静岡構造線の交差域付近(2018/11/25)

2018/11/23から長野県中部、中央構造線と糸魚川・静岡構造線が交差する領域の西側で発生している連続地震は、この投稿時点では11/25の15:44が最後となっていますが、今後どのように推移しているかが気になるところです。 今年の前半には沖縄近海で数日間に20回以上も地震が連続していたこともありますが、沖縄付近で大きな被害が出るような地震の発生には至りませんでした。 また2018年の秋には東海〜近畿地方において、中央構造線沿いの地震が頻発しています。 ただし、このあたりは前述の通り中央構造線と糸魚川・静岡構造線が交差している領域になり、プレートとしては北米プレートとユーラシアプレートがぶつかり合う場所でもあります。 11/20の国際研究チームによる「2017年メキシコ沖巨大地震がプレート全体を破壊」という発表にもありましたが、プレート境界で発生した大地震により大規模なプレート破壊が実際に起こることが判った今、日本列島全域が4プレートの境界にあることを考えるとこうした小さな地震が群発化した後に大きな地震が発生する可能性も考えられます。 逆に、熊本地震や大阪府北部地震、北海道胆振東部地震などの場合は前兆無しに発生していますので、今後いつどこで大きな地震が起きるかは「神のみぞ知る」と言う他ないという現実もあります。 いつどこで起きても生き残っていればなんとか対応できるように、備えだけは無理のない範囲でしっかりとしておきたいところです。

【奈良】奈良県での地震は中央構造線と合致(2018/10/27)

10月27日 20時52分頃、奈良県で地震がありました。震度4・M4.2、深さは約60km。位置的には日本列島を貫く最大の断層帯である「中央構造線」にほぼ合致しています。 この震源での前回の地震は今年の6月15日。だいたい年に4〜5回程度発生し、最後に震度3以上の地震があったのは2015年11月30日。 奈良県における大規模な地震被害は、1707年10月28日に起きた「宝永地震(M8.4)」と1854年7月9日の「伊賀上野地震(M7.3)」です。 特に宝永地震に関しては、南海トラフを震源とする日本における史上最大級の海溝型巨大地震の一つで、被害は東海道から九州までの一帯に及び、全国での死者は少なくとも2万人とされ、宝永地震における奈良県での被害は、死者63名・家屋の倒壊等は3,219戸と記録されています。 伊賀上野地震においては、震源は三重県西部。内陸直下型の地震で、伊賀・伊勢・大和に大きな被害をもたらしました。木津川断層帯の活動によると考えられる大地震で、死者は千数百人、奈良県でも450〜520人。二次災害として、ため池の堤防決壊により土石流が発生、古市町(現奈良市)で約150人が死亡したとされています。 近年では、2004年の「紀伊半島南東沖地震(震度5弱・M7.1、深さ44km)」と「東海道沖地震(震度5弱・M7.4、深さ44km)」。 それぞれ9月5日の19時7分と23時57分と9月7日の8時29分に発生しました。震度5弱は奈良県下北山村で観測されています。この地震の揺れは関東地方から九州地方までの広い範囲で観測されています。 今後、奈良県を襲う可能性のある大地震は、陸地の直下で起こる『内陸型地震』と日本列島沖の太平洋にあるプレート境界で起こる『海溝型地震』の2種類とされています。 内陸型の場合で「奈良盆地東縁断層帯」を震源とするM7.5の地震が起きた場合は、死者は約5千人・負傷者は約1万9千人の想定。 海溝型の場合で南海トラフを震源とするM9.1の巨大地震が起きた場合は、死者は約1700人、負傷者は1万8千人。 奈良県の場合は、南海トラフ巨大地震よりも「奈良盆地東縁断層帯地震」のほうが想定被害が大きいようです。

【岐阜】岐阜県飛騨地方で震度3(2018/10/24)

2018/10/24は午前1時台に沖縄・与論島近海でのM6.3の地震が起きましたが、同じ10/24の16時56分頃に岐阜県飛騨地方で震度3が発生しました。震源の深さは10kmと浅めですが、マグニチュードはM2.9と比較的小規模でした。 今回の震源の西側では今から127年前・明治24年の10月下旬には国内史上最大級の内陸地殻内・直下型地震である「濃尾地震」が発生、震度7・M8という未曾有の巨大地震でした。 このときの死者は7,273名・負傷者17,175名・全壊家屋は14万2177戸を数え、震央近くでは揺れによって山の樹木が全て崩れ落ちたと言われています。当時もっとも死傷者が多かったのは美濃地方で、山崩れが1万箇所弱も発生したとされています。 記録に残る前兆現象として地鳴り・鳴動音・前震活動があったとのことから、震源域の地殻内では群発地震が発生していたとも考えられます。 岐阜県には断層帯が多数存在しますが、すぐ東側には日本列島を走る2大構造線である「中央構造線」と「糸魚川・静岡構造線」が交差する領域があります。 また岐阜県では最大の被害をもたらした濃尾地震の経験を風化させないという観点から、毎年10月28日を「岐阜県地震防災の日」と定め、防災に関する啓蒙をおこなっています。 さて最近、特に今年は例年になくあちこちで大きめの地震が目立つ印象を受けます。特に今年前半は、国内における火山の噴火があちこちで発生したことも記憶に新しいところ。ここ数ヶ月は従来はあまり大きな揺れが無かった場所でも揺れているようです。

【長野】長野県北部での震度3は、中央構造線と糸魚川静岡構造線の交差領域(2018/09/21)

2018年9月21日の9時29分頃、長野県北部で震度3、M3.4の地震がありました。 本州を東西に分ける「糸魚川・静岡構造線」に近い場所であり、かつ、本州を横断する巨大断層帯「中央構造線」と糸魚川・静岡構造線が交差するポイントに若干近くもあります。 今回の震源付近では今年の5/12に震度5弱、M5.2の地震が発生。その後5月はかなり頻発。6〜7月は終息傾向、8/20を最期に起きていませんでしたが、1ヶ月ぶりの発生です。 糸魚川・静岡構造線北端部には「神城断層(長さ約30km)」があり、今から4年前の2014/11/22にはこの断層を震源とした震度6弱が地震が発生。家屋の倒壊などの被害が出ました。この際、神城断層の北側20kmが動いたとされています。 9/21に起きた環太平洋火山帯における大きな地震としては、フィジーでのM5.8とM5.9。そして、沖縄本島近海でも継続して小規模な地震が群発化しているようです。 季節はすっかり秋となり、気温も低い日が増えてきました。万が一の停電時でも暖が取れる手段は早めに備えておきましょう。

【三重】三重県中部で1年8ヶ月ぶりに地震(2018/09/10)

2018/09/10は三重県中部で1年8ヶ月ぶりに地震がありました。 震度2・M3.2と小さなものですが気になるのは位置。南海トラフ巨大地震の想定震源域内かつ、日本列島を貫く最大級の断層「中央構造線」とほぼ重なります。大阪北部地震の震源にもやや近い場所です。 今月は北海道胆振東部地震が起きてしまいましたが、環太平洋火山帯の範囲で先月後半あたりから見ると、フィジーM8.2、マリアナ諸島M6.6、ニューカレドニアM7.0、フィリピンM6.0、ニュージーランドM7.0と、震源は深いですが大きな地震が続いています。 科学的に高確度な地震予測は困難という状況ではありますが、日本には未確認分を含めると6,000箇所を超える断層帯が存在すると言われ、海溝型地震よりも予測しにくいのが断層型地震です。 自分の住んでいる地域やその付近で、次にいつ大きな地震が発生しても命さえ無事ならなんとか対応できるよう、日頃からの備えはしっかりと進めておきたいところです。