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電気代高騰を「USB局所暖房+ポータブル電源+ソーラー発電」で乗りきる!(冬編)

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SNSなどで悲鳴が上がっている「電気代が高い!」の声。実は電気料金は2021年9月から値上がりが続いています(前年比で毎月約2割ずつ)。

2022年末〜2023年初には、大手電力会社がさらに30%前後の値上げを政府に申請、2023年の春ごろ以降は順次、今まで以上に大幅に値上げされることになります。

すでに節電に取り組んでいらっしゃる方は多いと思いますので、今回は広く知られている一般的な節電方法ではなく、編集部スタッフが追加で実践している『USB局所暖房 + ポータブル電源 + 折り畳みソーラーパネルを使った電力の小規模な自産自消の組み合わせ』をご紹介します。

効果はすでに実証済みで、電力会社の契約移行はあったものの2023年1月と前年2022年1月とで電気使用量と電気料金を比較したものが次の図です。

・節電できた電力:マイナス154kWh

・節約できた電気代:約2,800円(マイナス!)

となっています。

【注】本記事でご紹介する「電気代を抑える取り組み」の手法は:

① 一般的かつ推奨されている節電方法はすでに実践している
② 最低気温は 0℃以上 かつ、最低室温が 10〜13℃以上 の地域に住んでいる
③ 災害対策やキャンプ用にポータブル電源とソーラーパネルを備えているかこれから備える

かたが対象です。

取り組みのポイント

ACコンセントから引いた電力を当たり前のように潤沢に使う生活から「電力を考えて使う・小規模ながら作って使う」生活に切り替える。

という形になります。現在は

◆ 大電力を消費するエアコン暖房や電気ヒーター、ホットカーペットは使用しない
◆ 低消費電力のUSB給電の暖房アイテム(電熱ベスト + フットウォーマー)を使う
◆ ポータブル電源をフル活用する
◆ ポータブル電源の充電は、自宅ベランダなどで折りたたみ式ソーラーパネルを利用
◆ 必要に応じて石油ストーブを短時間使用する
◆ 追加の節電として、夜間の室内照明を充電式のLEDランタンに切り替える

という取り組みをおこなっています。

冬に最大電力を消費するのは「暖房器具」

冬に電力をもっとも消費するのは「暖房」です。中でもエアコン暖房が突出して大きな電力を使っています。

ここから冬に消費電力の大きなもの、上位4つを見てみると、

種別消費電力
暖房32.7%
冷蔵庫14.9%
給湯12.6%
照明9.2%

となっています。
消費電力の目安としては、

◆ エアコン暖房の一般的な8畳用で110〜1980W程度、平均的な消費電力は650〜900W
◆ ホットカーペットは3畳サイズでおよそ700W
◆ セラミックファンヒーターは600W(弱)〜1200W(強)

など。メーカーや製品によっても多少異なりますが、電気を利用した暖房器具は概ね大消費電力であることに変わりはありません。

冬に部屋を暖めるためとは言え、働く人々の賃金がなかなか増えずに電気代含めた光熱費が異常な値上がりを続けている今の状況において、このような大消費電力量の器具を使っているのは経済面では些かツラいものがあります。

一般的な節電方法としては、暖房温度を若干下げる・冷蔵庫の強度を弱める・給湯器の電源をこまめに消す・使わない部屋の照明は消すなど、よく知られたものはいくつもありますが、

◆ 暖房:32.7%
◆ 照明:9.2%

の合計 約42% の削減が、昨今の電気代の「暴騰」を「それなりの値上がり」レベルに抑え込めるかどうかのポイントになりそうです。

実際のところ電気を熱に換えるのは、乱暴に言えば「コスパが悪い」のです。

発想の転換

ここで 発想の転換 をおこないました。それは

部屋を温めずに人体を直接あたためる「局所暖房」に切り替える

ということ。具体的には部屋を暖めるための暖房利用はカットまたは最小限にして、USB給電タイプの

◆「電熱ベスト(ヒーターベスト)」で上半身を直接あたためる
◆「フットウォーマー」で足を直接あたためる

という手法を日常づかいすることにしました。

USB給電の電熱ベストとフットウォーマーなら、組み合わせ利用時の消費電力の実測値で 5〜15W 程度と圧倒的に小さくできます。

種別消費電力
 エアコン暖房  650 〜 900W 
 USB暖房  5 〜 13W 

部屋全体を温めるよりも人間ひとりを直接温めるだけなので、消費電力も大幅にカットできるというわけです。

ただしUSB給電による低消費電力ですので、特にフットウォーマーで感じる「温かさの立ち上がり」はゆるやかです。電源オンにしてから実際に温かさ感じられる状態になるまでに10〜20分程度かかります(これは個人差があります)。

フットウォーマーの商品レビューでよく見かける「温かくない」というのはこのタイムラグゆえだと感じました。足が温まってしまえば足元の寒さは感じられません。

対する電熱ベストは電源ONで比較的すぐに温かさを感じることができます。フットウォーマーと共に実際に使用してみた感触としては、どちらも実用的です。

夜間の室内照明はアウトドア用のLEDランタンを活用

さらに夜間の室内照明として、キャンプで使用している充電式の「LEDランタン」を複数フル活用することにしました。

実際に室内照明としてLEDランタンを使用しているところです。キャンプで使うには明るすぎて使用頻度が低いものが多かったのですが、これらを室内照明として使うと意外と夜間の室内を明るくすることができます。

LEDランタン使用時のポイントも、

部屋全体よりも人のいる場所を照らす「局所照明」に切り替える

という形にすると、電力消費を抑えても十分快適に過ごすことができます。

LEDランタンの消費電力はもっとも明るい状態で使用しても数ワット程度ですが、明るさ的には十分実用レベル。近年のLEDランタンは大容量モバイルバッテリーとしての機能を兼ね備えているものも多いので、備災・防災アイテムとしてもぜひ備えておきましょう。

太陽の恵み、ソーラー発電を普段づかい!

さらに取り組んだのは、災害対策とキャンプ用として備えてある「ポータブル電源」と「折りたたみ式ソーラーパネル」を日常づかいすることです。

近年は防災用品としてポータブル電源の認知度も上がり、折りたたみ式のソーラーパネルと共に備えるユーザーさんが増えていますが、実際のところ活用シーンも無くクローゼットにしまい込んでいるかたも多いのではないでしょうか。

状況としては「小規模な経済災害」と考えることもできます。いまこそ活用すべき状況です。

編集部スタッフは、

【電熱ベスト】
ソーラー充電したポータブル電源で充電したモバイルバッテリーで使用

【フットウォーマー】
ソーラー充電したポータブル電源から給電

【LEDランタン】
ソーラー充電したポータブル電源から充電

という使い方をしています。

ポータブル電源とソーラーパネルの選び方

ポータブル電源と折りたたみ式ソーラーパネルの選び方次第で、比較的快適に日常づかいできます。

選び方のポイント:

【ポータブル電源】

・予算が許す範囲でできる限り大容量のもの
・ソーラーパネルからの充電に対応してるもの
・急速充電(大入力電力)に対応しているもの
・できれば2台用意しておく(ローテーション使用)

【ソーラーパネル】
・折りたたみ式でポータブル電源の充電用MAXの入力電力に合うもの

ポータブル電源のメーカーのwebサイトで確認し、ポータブル電源の入力仕様にソーラー入力の記載があるものを選びましょう。

記載例:
・ソーラー入力:11-75V 10A 最大300W
・ソーラーパネル充電:12V-28V,Max200W

といった記載があります。この最大ワット数を目安にすると良いでしょう。

ポータブル電源メーカー自身が、ポータブル電源とソーラーパネルの両方を販売している場合も多いので、セットで購入すると安心です。

編集部スタッフは複数のポータブル電源をローテーション充電しており、曇りの日などは2枚の折りたたみ式ソーラーパネル(100W x 2枚)を並列接続するなどして活用しています。

さらにソーラー + ポータブル電源でできること

ポータブル電源があると、利用可能な電力容量と消費電力の範囲内で家電製品が使えます。特にオススメは「車載調理器具」を活用することです。

車中泊やキャンプでポータブル電源を活用されている方々も多いのですが、特に車中泊の場合はポータブル電源で使えるコンパクトな炊飯器や電気ケトルがあり、消費電力も100~200W程度と電気調理器具としては小さくて済みます。

(一般的な家庭用の3合炊き炊飯器:650W以上、ホットプレート:1000W以上)

これは編集部スタッフが実際に使っている車載用炊飯器です。電源を取るコンセントは一般的なACコンセントではなく、自動車のシガーソケットに接続するタイプです。

特に車載用炊飯器とポータブル電源があると、ちょっとした調理から湯煎や湯沸かしまでこなせるので、キャンプでの活用や普段遣いしながら災害時の調理方法に慣れておくことができます。

ポータブル電源自体は、一応は一般的な家庭用冷蔵庫や電気ヒーターなども動かすことはできますが、節電目的のために日常使いする場合は現実的ではありません。

ポータブル電源で一般家電を日常使いする場合は、超大容量かつ急速ソーラー充電可能なポータブル電源を複数台組み合わせつつ、大出力のソーラーパネルシステムが必要になります。

無理せず大型暖房も併用を

特に寒い時期や地域・時間帯によっては無理をせず、エアコン暖房や石油ストーブも併用しましょう。節電対策がストレスを感じる「がまん大会」になってしまったり、さらには健康に影響を及ぼすことがあっては本末転倒です。

たとえば今までなら1日中エアコン暖房と電気ヒーターを付けっぱなしだった状況を、電気暖房は朝晩などの寒い時間帯に一気に室温を上げるために使い、日中は電熱ベストやフットウォーマーを活用してエアコンは切ったり温度を下げるといった使い方もオススメです。

まとめ:経済災害に対応しつつ自然災害にも備えよう

止まらない生活用品の値上げ、電気代やガス代などの高騰、今後想定される増税、そして上がらない賃金。今の日本経済環境下で私たち一般庶民が置かれている状況はまさに「経済災害」と呼んで差し支えないでしょう。

新型コロナウイルスの感染とロシアによるウクライナ侵略が重なった今、世界規模での生活上の非常事態です。

日本の場合はさらに近い将来に、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生する可能性が極めて高く、社会的にも災害への予防や順応・対応力である「防災レジリエンス(災害レジリエンス)」の必要性が言われています。

民間レベルでも普段から様々な工夫と備えを実施して慣れておくこと。そうすることでいざというときにご家庭や個人単位での防災レジリエンスが有効になります。様々な工夫と備えでこの「経済災害」を乗り切り、その先に待つ「巨大自然災害」にも備えていきましょう。

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