2020/1/26〜1/27:奄美大島・五島列島近海でM3.4〜3.8、ソロモン諸島ではM6.3の地震
2020/1/26〜1/27にかけて、奄美大島・五島列島近海でM3.4〜3.8、釧路沖でM3.5、そしてソロモン諸島ではM6.3の地震がありました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)。
【ソロモン諸島】
2020/01/27 14:02頃, M6.3, 深さ17km
【奄美大島近海】
2020/01/26 18:55頃, 震度1, M3.4, 深さ10km
【五島列島近海】
2020/01/26 07:45頃, 震度1, M3.8, 深さ10km
【釧路沖】
2020/01/26 02:44頃, 震度1, M3.5, 深さ50km
ソロモン諸島は環太平洋火山帯の南端側に位置し、パプア・ニューギニア、バヌアツ、フィジー、トンガあたりの南半球にあります。
このあたりではたびたびM6〜7、場合によってはM8クラスの大規模な地震が発生するため「巨大地震の巣」とも言える領域です。
五島列島近海は有感地震の発生頻度は低めで、今回は2019/09/21以来の有感地震。ここ3年ほどは最大震度1程度のものばかりです。
奄美大島近海は地震の発生頻度が高めで、昨年の2019/08/20には奄美大島近海でM4.8〜5.1、最大震度3の地震が相次ぎました。
このときも環太平洋火山帯で広い範囲で多数の地震が発生していますが、特にソロモン諸島ではM6.0・インドネシアでもM5.0が起きていました(いずれも震源は深め)。
奄美大島〜沖縄あたりは地震が少ないイメージがあり、歴史的な資料によって知られている被害を伴う地震は少ないのが現状ですが、M4〜5クラスの地震は発生しています。
また近くの震源としては近年、沖縄本島近海で2010年にM7.2・最大震度5弱、2016年にもM5.6で最大震度5弱の大きめの地震が発生。
過去100年内あたりに奄美大島〜沖縄周辺で発生した大規模な地震をピックアップすると、次のようなものとなります。
2011/11/08:沖縄本島北西沖, M7.0, 震度4
2010/02/27:沖縄本島近海 , M7.2, 震度5弱
2002/03/26:石垣島近海 , M7.0, 震度1
2001/12/18:与那国島近海 , M7.3, 震度4
2001/12/09:奄美大島近海 , M6.0, 震度5強
2000/10/02:トカラ列島近海, M5.9, 震度5強
1998/05/04:石垣島南方沖 , M7.7, 震度3
1966/03/13:与那国島近海 , M7.8, 震度5
1958/03/11:石垣島近海 , M7.2, 震度5
1947/09/27:与那国島近海 , M7.4, 震度5
1938/06/10:宮古島北西沖 , M7.7, 震度4
1926/08/07:宮古島近海 , M7.0, 震度4
1926/06/29:沖縄本島北西沖, M7.0, 震度4
1923/07/13:九州地方南東沖, M7.3, 震度4
1926/06/29:沖縄本島北西沖, M7.0, 震度4
1915/01/06:石垣島北西沖 , M7.4, 震度4
1911/06/15:奄美大島近海 , M8.0, 震度6
意外と多く、頻度としては数年〜30年くらいの間隔であることも判ります。
余談ですが、マグニチュードの値による地震の規模の違いですが、マグニチュードが「1」大きくなると、地震のエネルギーは「約30倍」も大きくなるという関係が判っています(厳密には31.6倍)。
例えば、M4.0を「1」としましょう。M5.0〜M7.0を考えると単純計算して
M4.0 | 1 |
M5.0 | 約30倍 |
M6.0 | 約1000倍 |
M7.0 | 約31600倍 |
となり、M7.0の地震のエネルギーをM4.0の地震で開放しようとしたら、乱暴に言ってM4.0の地震が約31,600回以上起きる必要がある計算になります。
地震が多く起きている場所だから今後想定される巨大地震は規模が軽減されるのではないか?とは考えず、個人レベルでも(可能な範囲ではありますが)備えておくことが必要です。
となるのです。
乱暴に言うと、M5クラスの地震でM9クラスの巨大地震のエネルギーを開放するにはM5が81万回(以上)発生する必要があります。
「地震が多発している場所では、エネルギーの開放が進んでいるのではないか?」
と思われるかもしれませんが、そうではないことが解ると思います。
私たち一般庶民にできることは、国や行政などの支援だけを期待するのではなく、個人や家庭や地域でもしっかりと備えること(備災)。いざというときには、備えたモノや知識やネットワークを活用して互助・共助をおこない、被害を減らす試みをする(減災)ことです。