トップ 読み物 新型コロナウイルスの飛沫・接触以外のエアロゾルを通じた感染が確認

新型コロナウイルスの飛沫・接触以外のエアロゾルを通じた感染が確認

新型コロナウイルスの感染経路は「接触感染」と「飛沫感染」の2種類でしたが、上海でおこなわれた記者会見で伝染病予防の専門家により、新たに「エアロゾル(空気中に浮遊する微粒子)」による感染が含まれることを確認したとのこと。

3486

これまでに判っていた新型コロナウイルスの感染経路は「接触感染」と「飛沫感染」の2種類でしたが、上海でおこなわれた記者会見で伝染病予防の専門家により、新たに「エアロゾル(空気中に浮遊する微粒子)」による感染が含まれることを確認したとのこと。

ニュースソース:「BBC News|中文」より「武汉肺炎:中国确认新冠病毒经空气通过气溶胶传染
(武漢肺炎:中国はエアロゾルを介した新しいコロナウイルスの伝播を確認)」

飛沫感染とエアロゾル感染の違い

新型コロナウイルスにおいてこれまでに判っていた感染経路は前述のとおり「接触感染」「飛沫感染」の2種類でした。
「飛沫」は一般的にに直径5μmよりも大きな水滴で、医学領域においては飛沫の飛距離は 1m 以内と言われています。飛沫感染は感染者の咳やくしゃみによって口から出たウイルスを含む飛沫(水滴)が周囲の人に付着し、感染するものです。

 

この飛沫から水分が蒸発したものが「飛沫核」で、軽いため空気中を長時間浮遊する微粒子「エアロゾル」状態になります。
「飛沫」と「飛沫核」は別のもので「飛沫核」の大きさは5μm未満、一般的な使い捨てマスクの場合は容易にすり抜けるため感染を防げません。

 

これを吸い込むことで起きる感染が「飛沫核感染」。飛沫核感染を言い換えると「空気感染」として認識していいようです。

今回発表された「エアロゾル感染」という聞き慣れない感染経路ですが、

【水分を含む飛沫】 → 【乾燥した飛沫核・エアロゾル(微粒子)化】 → 【空気感染】

という感染経路になるため、新型コロナウイルス感染者の咳やくしゃみにより落ちた「飛沫」が乾燥すると=飛沫核・エアロゾル化し、それが風などに飛ばされて空気中を浮遊した先で人体に感染=空気感染、と考えられるでしょう。

 

新型コロナウイルスにおけるエアロゾルの詳細な定義がどうなっているのかにもよりますが、「飛沫感染」と「飛沫核感染(エアロゾル感染)・空気感染」は別のものですので、このあたりは理解しておくべきところです。

 

■参考情報:

・昭和大学・薬学部公開資料
飛沫(ひまつ)感染と空気感染の違いって何だろう?

・丸石製薬株式会社・公開資料
隔離予防策のためのCDCガイドライン・医療現場における感染性微生物の伝播の予防 2007年

・誠愛リハビリテーション病院・院内勉強会公開資料
感染対策手技③ノロとエアロゾル感染

・大阪大学大学院医学系研究科・医学部公開資料
病院感染管理・感染経路別病原体

エアロゾルとは

まずエアロゾルについて理解しておかなければなりません。

エアロゾルとは「気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子」です。生成過程により「粉塵」「煤塵」「ミスト」と呼ばれたり、気象学的には「霧」「もや」「スモッグ」などとも呼ばれます。

エアロゾルの粒径(大きさ)は、分子やイオンとほぼ同じサイズの0.001μm(マイクロメートル)= 1nm(ナノメートル)から100μmの花粉と同等サイズまで、極めて幅広い範囲に分布します。

 

■参考情報:日本エアロゾル学会「エアロゾルの話し

 

花粉や胞子なども、地表付近の大気中に「生物系粒子」として存在するエアロゾルです。

身近に存在するエアロゾル

雨が降った際の屋外では、独特の「土のような匂い」を感じることがありますね。いわゆる「雨の匂い」。夏の夕立の後などは特によく感じられます。

このとき雨粒が地面に当たった衝撃で発生する微小な水の粒子群が「エアロゾル」です。

このエアロゾルが発生する際には、地面や土壌に含まれる「ゲオスミン」と呼ばれる匂い物質を取り込みます。そして風などの空気の動きで移動、人間の鼻腔に届いて匂いとして感じることになります。

参考情報:BBC News「Petrichor: why does rain smell so good?

 

つまり「雨の匂い」を感じたときは、エアロゾルを吸引している状態になります。

雨が地面に落ちた瞬間に発生するエアロゾルについてはMIT(マサチューセッツ工科大学)によってスローモーション映像が撮影され、公開されています。

また、近年普及している電気的に加熱して発生する成分を吸引するリキッドタイプの電子タバコなどは、吸引成分がエアロゾル状態になっています。

私たちは、どう対策すべきか

これまでに判明していた新型コロナウイルスの感染経路の「接触感染」と「飛沫感染」の2種類に加えて、エアロゾル感染(飛沫核感染)が確認されたことで、私たちの生活においてもいっそう慎重にならざるを得ない状況となってきました。

 

しかし世間ではマスクや消毒用アルコールなどの品薄・品切れが続いており、特にマスクは通販サイトやフリマアプリ、ネットオークションなどで暴騰とも言える価格で販売されています。
しかし、飛沫核を防げるのはN95などの医療用マスクのみです。価格が異常なまでにつり上がった使い捨てマスクを無理に買う必要はありません。
(非常識的な価格での販売に関しては、各サービスで規制が始まっているようです)

 

新型コロナウイルスは脂質性の膜「エンベロープ」で包まれた「エンベロープ・ウイルス」の1種であり、アルコールと界面活性剤でこのエンベロープを破壊し、ウイルスにダメージを与えることができます。

消毒用アルコールやアルコール除菌スプレーがない場合は、まずは帰宅直後に何よりも早く、せっけんやハンドソープを使った徹底した手洗いをおこない、うがいしましょう。
また、発熱や咳、呼吸に関する異常や風邪のような症状を感じた場合、早めに医師による診察を受けましょう。中国からの帰入国者で呼吸に関する体調不良があるような人との接触があった場合は、事前に病院に電話連絡を入れましょう。

 

過去に起きた震災や大きな災害でもそうでしたが、こうした社会に大きな不安を及ぼすような状況が訪れると、ネット上では数多くのデマや間違った情報が拡散されがちです。まずは、できるだけ「一次情報」にあたりましょう。誰かから流れてきた出どころの不確かな情報に触れたときは、それを安易に拡散せず、まずは情報の出どころをネットで検索してみてください。

 

ITOITO-STYLEでもお伝えする情報に関しては、できる限り一次情報やそこに近いものに当たるようにはしています。ただそこには限界があることも確かです。
重要なことは「自分自身で考え、できるかぎり一次情報などのより正しいと思われる情報を調べてみて、自分自身の責任で最善と思われることを決断して行動する」ということです。

このサイトや記事が気に入ったらシェアしましょう!