ITOITO-STYLE 編集部
【関東・東北】東日本の太平洋側と父島近海で続く地震(2019/10/23)
2019/10/23は宮城・岩手でそれぞれM4.2・最大震度2の地震と、父島近海でM4.8の地震がありました。
東日本の太平洋側を中心に、10月上旬からもM4〜5クラスの地震が目立ちます。
宮城・岩手あたりは比較的頻繁に地震が起きている震源です。
今回注目したのは伊豆・小笠原・マリアナ海溝沿いの父島近海での地震。
このあたりでは時おり大きな地震が発生します。
【父島近海における近年の最大震度3以上】
2015/03/14 01:15頃, M5.1, 最大震度3, 深さ120km
2010/12/23 06:50頃, M6.5, 最大震度3, 深さ10km
2010/12/22 02:20頃, M7.4, 最大震度4, 深さ10km
2010/08/14 10:34頃, M5.5, 最大震度3, 深さ100km
2009/11/04 03:04頃, M5.5, 最大震度3, 深さ120km
2009/10/21 20:35頃, M4.5, 最大震度3,...
【関東・東北】台風襲来期、東日本の太平洋側を中心に続く地震(2019/10/21〜10/22)
2019/10/21〜10/22にかけて、東日本の太平洋側を中心に小規模な地震が連続しています。
それ以前、10月上旬からM4〜5クラスの地震も目立つ状況です。
直前には千葉に大きな被害を出した台風15号・各地で河川氾濫を起こした19号通過後、台風20号は温帯低気圧になった直後、台風21号が接近中という状況で、ちょうど満月〜新月の潮汐力が大きくなる期間と台風の低気圧による吸い上げ効果も。
地震・台風・潮汐力の関連性は以前から言われていますが、この期間に発生しているものについても、関連性がゼロとは言い切れないでしょう。
また10/22は、西日本でも熊本県阿蘇地方でM2.7、愛知県西部でM2.6、それぞれ最大震度1が発生しています。
秋田県内陸北部を震源とするM3.4・最大震度2の地震もありました。この震源における有感地震は多くはありません。
東日本大震災の翌月にM5.1・最大震度5強を観測した以降は、ほぼ最大震度3までで推移してきています。
今後30年内の発生が懸念されている巨大地震としては、
① 千島海溝沿いの北海道沖巨大地震(M8.8以上・発生予測確率:7〜40%)
② 青森〜房総沖の日本海溝沿いの巨大地震(M7.9〜M8・発生予測確率:80〜90%)
③ 都心南部の直下で起きる首都直下地震(M7以上・発生予測確率:70%)
④ 南海トラフ巨大地震(M8〜9・発生予測確率:70〜80%)
となります。
特に②〜④の発生予測確率は高く、今後50年内まで期間を広げると発生確率はほぼ90%と言われます。
ここで意識したいのは確率はあくまで確率であるということで、30年以内・50年以内に100%発生するという意味ではありません。
サイコロを例に取ると解りやすいと思います。サイコロは正四面体で面の数は6あり、1回振って特定の目が出る確率は「1/6=16.67%」です。
では、例えば「1の目」は6回振ったら100%確実に出るでしょうか?
違いますよね。1回目で出る場合もあれば、30回目に出る場合もあるでしょう。
巨大地震の発生確率も、イメージとしては同じようなものと理解すれば良いかと思います。
そうした前提の上での現実ですが、たとえば何十年も前から起きるぞ起きるぞと言われ続けてきた「東海地震・東南海地震・南海地震(あわせて南海トラフ巨大地震)」。
実際には未だに起きていません。では今後も起きないのかと言ったらそうではありませんが、2011年の東日本大震災というM9クラスの地震すら予知できなかったことから様々な議論が起こり、内閣府のワーキンググループは2017年に「東海地震も含めて地震予知は困難」という報告書をまとめるに至り、地震予知研究は現在、大きな節目を迎えています。
地震予知の研究は今後も続きますが、実際に巨大地震が発生した時には被害を受けたり生活への影響を受けるのは私たち自身です。
地震の規模や被害が大きいほど、政府や自治体・行政の初動は鈍く、すぐに救助支援が必要な人々に助けの手は行き渡りません。
避難所は不足し、公的に備蓄されている支援物資も被災者全員には配布されません。
生活拠点や水・食糧が無くなった被災者が餓死や病死するといった状況は起きないとは誰にも言い切れず、その当事者になるのは私たちかもしれないのです。
今後は「防災は国や自治体に任せる」という意識は捨て、個人や家庭レベルでの「備災」も重要な考え方・活動方針となります。
災害に備える「備災」を多くの人々がおこなうことで、いざ巨大災害が起きた時の被害を減らす「減災」につなげることが重要です。
【全国】日本列島周辺で相次ぐM4〜5クラスの地震(2019/10/09〜10/20)
台風19号上陸時を含む2019/10/09〜10/20にかけて、日本列島周辺でM4〜5クラスの地震が相次いでいます。
また、それより小さい規模の体感地震を含めるとさらに多い状況。
夏からの相次ぐ豪雨や台風によって全国的に地盤が多量の水分を含んでいる傾向が想定され、大きな地震が起きた場合に土砂災害発生が懸念されます。
この期間に発生したM5以上の地震は次の通り。
2019/10/19 04:15頃, 父島近海, M5.4, 最大震度1
2019/10/17 20:44頃, 与那国島近海, M5.2, 最大震度1
2019/10/15 08:15頃, 択捉島付近, M5.3, 最大震度2
2019/10/12 18:22頃, 千葉県南東沖, M5.7, 最大震度4
2019/10/09 17:52頃, 鳥島近海, M5.0, 最大震度1
見てのとおり、南は与那国島近海から北は択捉島付近まで広い範囲に及んでいます。
さらに10/20は東京都多摩東部を震源とする地震があり、この震源におけるM3以上の有感地震は2015年6月以来。
なお台風通過中の10/12 18:22に千葉沖で起きたM5.7以降、目立った有感地震が10/14午後まで発生しなかったという経緯もあります。
近年は梅雨時期〜秋にかけて豪雨と台風による被害が毎年のように発生し、その都度、被災地各地では多くの方々が日常生活に支障をきたす状況が繰り返されています。
今年も、台風15号・19号によって千葉や長野県を中心に河川の氾濫による大きな被害が相次ぎ、台風が去った後は泥水によって浸水した家屋で被災された方々の今後の生活再建が懸念される状況となりました。
しかし新たに台風20号・21号が発生し、今後日本に接近する可能性も考えられます。
大雨や強い台風通過後は、たとえ晴れたとしても地盤に大量の水分を含んでいる箇所が残されます。こちらは編集部スタッフが撮影したものですが、向かって左側が法面保護されていない台地の下に位置する住宅地です。
地盤が擁していた水がいまだに染み出しており、この状況で大きな地震が来ると土砂災害が発生する可能性のある場所となっています。
土砂災害の前兆現象の例としては、
・石がぶつかり合うような音、山鳴りや地鳴りなどの異音
・強い土臭さ、物が腐ったような臭いがする
・川や沢であれば、雨が降っているのに流れが止まった / 逆に急激に増水した
・近くの崖から石が落ちてくる
・地震のような揺れが急に起きる
といったものが挙げられます。
近くに河川や沢のある場所や標高の低い場所などにお住まいの場合は、公的な災害情報や地域の防災放送だけに頼ることはせず、ご自身の目に見えるもの・耳に聞こえる音・鼻で嗅ぎ分けられる普段とは異なるニオイなど、五感を大切にしてください。
特に、土砂災害に関しては前兆現象がわかりやすい場合があります。
自分自身の命と、ご家族などの大切な命を守るための最後の拠り所は自分自身で感じ、考え、決断し、行動することです。
もうしばらく天候が安定するまでの間、災害への備えと自分自身と周囲の人たちを守るためのアンテナ感度を高めに維持していきましょう。
武蔵小杉周辺の浸水被害と災害マップ
この図はGoogle Map上に、川崎市が2017年5月から公開している「洪水ハザードマップ(中原区版)」の多摩川水系の氾濫想定区域を抜粋して編集部が独自に重ね合わせたものです。JTNDaWZyYW1lJTIwc3JjJTNEJTIyaHR0cHMlM0ElMkYlMkZ3d3cuZ29vZ2xlLmNvbSUyRm1hcHMlMkZkJTJGZW1iZWQlM0ZtaWQlM0QxYlFadm4xd0lhSVg3ZDJBbUtUTFJwUjJBUzItMGJyZzglMjZobCUzRGphJTI2aGwlM0RqYSUyNmxsJTNEMzUuNTczNjA5MjQ5MTY1MzY1JTI1MkMxMzkuNjYzNDkxMTYyODAxODUlMjZ6JTNEMTQlMjIlMjB3aWR0aCUzRCUyMjY0MCUyMiUyMGhlaWdodCUzRCUyMjQ4MCUyMiUzRSUzQyUyRmlmcmFtZSUzRQ==拡大して見ていくと、いくつかのタワーマンションと思われる建物が氾濫想定区域内に建っていることが判ります。
もっとも今回の武蔵小杉における浸水被害は多摩川の氾濫ではなく、下水の処理能力を超えた降雨量があったことによります。いわゆるタワーマンションが立ち並ぶ、神奈川県川崎市中原区の武蔵小杉駅周辺。このエリアでは台風19号による浸水被害が発生しました。
特に深刻な被害を受けた2棟のマンションでは地下の配電盤や変電設備が破損し、マンション内の多くの世帯で停電や断水が起きています。
オール電化ということもあり、停電すると照明だけでなくIH調理器具や空調なども使用不可能に。エレベーターも停止したため、特に高層階にお住まいの方ほど階段を使った地上との行き来は困難なものとなっています。
マンションに限らず高層住宅では上水道も電動ポンプで上層階に汲み上げてから各世帯に供給する仕組みとなっており、断水によってもっとも深刻化しているのは「水洗トイレが使えない」という状況です。
当該マンションにおいては、極力早期の状況解決が望まれるところです。台風や地震などの大規模自然災害の際に必要となってくるのが、いわゆる「ハザードマップ」。
実はこのハザードマップが広く整備・公開されるようになったのは近年になってからのことです。
近年は台風襲来時や豪雨発生時に、これまでの想定を超える浸水被害が多発していることから、2015年に「水防法」が改正されました。
これにともない、国土交通省は新たな浸水想定区域等を公表。各自治体もハザードマップの改定を進めています。
武蔵小杉エリアが対象となる洪水ハザードマップは、川崎市によって2004年には旧想定で作成されていましたが、2017年5月に改定版が公開されていました。
少なくとも、2019年の台風19号による被害が出る2年前には現在のハザードマップが公開されていたことになります。住む場所を決める、特に「終の棲家(ついのすみか)」となる住宅を購入することは、多くの人にとって人生の一大イベント。
これからは住む場所を決める場合、住宅のスペックや周辺住環境だけでなく、災害に強い場所に位置しているかどうかも検討要素の重要な1つとなるでしょう。
ハザードマップと併せていわゆる「古地図」を調べてみるのも良いでしょうし、地名に「水」を連想させる要素がある場合は、かつてそこは川や沼や湿地帯だった可能性もあります。
お住まいの場所やこれから住もうと考えている場所が、災害に対してどの程度の耐性があるかどうか、ぜひ関心を持ってください。
ハザードマップは各自治体・市区町村によって公開されており、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」から簡単に確認することができます。
下記リンクをスマホのブラウザにブックマークしておきましょう。
【ハザードマップポータルサイト】
https://disaportal.gsi.go.jp/
ITOITO-STYLEでも、このハザードマップポータルサイトを含めて災害時に状況を確認するための公共性の高い情報源へのリンク集「備災ポータル」をご用意しています。
こちらも併せてブックマークしてご活用ください。
【備災ポータル】
https://itoito.style/disaster_prevention
【中国地方】島根県の東部でM2.7、西部でM3.1の地震(2019/10/15)
台風19号の上陸中に千葉県南東沖でM5.7の地震発生後、1日以上有感地震がほぼ発生していない状況が続いていましたが、10/14からは再び各地で発生しています。
2019/10/15は島根・和歌山・北海道で地震がありましたが、その中で注目したのは島根県で発生した2度の有感地震。
2019/10/15 03:48頃, 島根県西部, 震度1, M3.1, 深さ10km
2019/10/15 06:43頃, 島根県東部, 震度1, M2.7, 深さ10km
いずれも最大震度は1と小規模です。
島根県は比較的に地震が少ないイメージがありますが、島根大の専門家によると島根県大田市付近から広島県三次市にかけて地震活動が比較的活発な領域があり、遡ること1950年以降に10回以上のM5以上の地震が起きています。
今回の震源となった島根県西部と島根県東部における近年の最大震度4以上のものをピックアップすると、次のようになります。
2018/04/09 05:05頃, 島根県西部, M4.6, 最大震度4
2018/04/09 02:10頃, 島根県西部, M4.8, 最大震度4
2018/04/09 01:56頃, 島根県西部, M4.7, 最大震度4
2018/04/09 01:43頃,...
台風19号上陸中、千葉県南東沖で最大震度4・M5.7の地震(2019/10/12)
2019/10/12は非常に強い勢力の台風19号の上陸中に、千葉県南東沖で最大震度4・M5.7の地震がありました。震源の深さは約80km。
ITOITO-STYLEではこれまで、台風と地震の関係・関連の可能性について継続的にお伝えしてきましたが、現象としては台風通過中にその勢力圏内でM5.7の地震が発生した形となりました。
また、この日は午前中に茨城県沖でも震度1, M2.9の小規模な地震が起きています。
さらに10/14には大潮となる満月を迎えます。太陽と月が一列に並ぶこのタイミングでは潮汐力が最大となり、海では大潮が起きます。
昔から満月や新月の時期に地震が起きると言われますが、2016年に東京大学の研究チームによって大潮の時期=満月時に大地震の発生確率が上昇する(大きな潮汐応力が地震を誘発する)という研究結果が出ており、学術雑誌「Nature Geoscience」に掲載されています。
https://www.nature.com/articles/ngeo2796
台風と地震の因果関係についても、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が構築した国内最大の科学技術情報プラットフォームである「J-STAGE」において学術的資料が公開されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsprs/55/5/55_325/_pdf同様の研究は米国のマイアミ大学とフロリダ国際大学の研究チームによってもおこなわれており、大地震がおきたいくつかの被災地では地震発生前の4年以内に激しい豪雨を伴う大型熱帯低気圧に見舞われていることを確認しています。
AFP通信:『大地震は台風の後にやってくる、米大研究』
https://www.afpbb.com/articles/-/2844839
10/12の台風上陸とその勢力範囲で起きたM5.7クラスの地震の直接的な因果関係を証明することは現時点ではかなり難しいとは思いますが、それぞれが同時に発生した現象としては注目するに値するでしょう。
また台風の影響によって各地で大雨特別警報なども発令され、地盤が大量に水分を含み土砂災害の発生リスクも高まっています。
この状態で次に大きな地震が起きた場合、大きな被害が発生する恐れもあります。
2018/9/6に起きた「北海道胆振東部地震」では、前日に台風21号が北海道付近を通過したこともあり、この地域の火山灰を多く含んだ地層で大規模な土砂災害を引き起こしたことは記憶に新しいところです。
ともあれ台風19号による被害は拡大が見込まれるため、台風一過後の復旧復興が急がれると共に、土砂災害などの二次災害と大きな地震発生の可能性に関しても念頭に起き、個人やご家庭レベルでも今後の災害にしっかりと備えてください。
【関東】東京都23区内で最大震度3・M3.5の地震(2019/10/09)
2019/10/09は、東京都23区内で最大震度3・M3.5、千葉県北西部で最大震度2・M4.1の地震がありました。
東京都23区内での地震は比較的少なく、近年における最大震度3以上を観測したものは次の3件程度。
2019/10/09 16:48頃, M3.5, 最大震度3
2016/06/30 22:54頃, M3.4, 最大震度3
2010/05/09 13:33頃, M4.0, 最大震度3
そして気になるのが千葉県北西部。この震源付近を含めた千葉県内・千葉県沖での地震はかなり頻発しています。
近年での最大震度4以上に絞ってみましたが、次の6件程度がピックアップできます。
2018/01/06 00:54頃, M4.8, 最大震度4
2014/05/13 08:35頃, M4.9, 最大震度4
2013/11/16 20:44頃, M5.4, 最大震度4
2012/11/24 17:59頃, M4.9, 最大震度4
2012/05/29 01:36頃, M5.2,...
【長野】長野県で頻発する小規模な地震(2019/10/3〜10/5)
2019/10/3〜10/5にかけて、長野県で小規模な地震が続いています。遡ると9月後半からも長野〜岐阜を中心に、中央構造線と糸魚川・静岡構造線が交差する領域での地震が活発なようです。
このあたりは4つのプレート(ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート)の動きで形成されたとされる日本アルプスの西側で地殻活動が活発であるため、多数の断層が存在し複数の火山もあります。
特に10/4〜10/5かけて長野県南部で発生した2度の地震の震源の近くには、2014年に噴火した御嶽山が位置しています。
あの噴火は噴火警戒レベルが「平常を意味する1」の段階で噴火したため、火口付近に居合わせた登山者ら58名が死亡し、日本における戦後最悪の火山災害となったことは記憶に新しいところでしょう。
近年において長野県内で発生した目立った地震としては、2014年の「長野県神城断層地震」や2011年の東日本大震災の翌日に起きた「長野県北部地震」があります。
■長野県神城断層地震
2014/11/22 22:08ごろ、長野県北部・北安曇郡白馬村を震源として発生したM6.7、最大震度6弱の地震です。
神城断層の活動による地震で、46人の負傷者が出ました。
地震学的には、1995年から整備された「高感度地震観測網(Hi-net(ハイネット))」の稼働以降に、活断層と認識されていた断層で発生した初の被害地震となりました。
■長野県北部地震
2011/03/12 03:59ごろ、長野県北部と新潟県中越地方との県境付近で発生した地震。
逆断層型の内陸地殻内地震でM6.7、最大震度6強を観測。
本震に続いてM5以上の2回の余震が2時間内に相次いで発生しました。
この地震によって、死者3人・負傷者は46人にのぼっています。
前述のとおり、このあたりは4つのプレートが重なり合う地殻活動が活発な領域であり、御嶽山噴火のようにほぼ前兆無く大規模な噴火災害が発生した事実があります。
2019年10月の満月〜新月の期間は10/14〜10/28、月の潮汐力は「地球潮汐」とよばれる現象として地表面は1日2回、20〜30cmもの大きさで上下運動を繰り返しており、満月〜新月期は地震が起きやすいとされます。
ちょうど台風19号が発生し、猛烈な勢力で10/12〜10/14の3連休に日本に近付くおそれがあるため、地震だけでなく台風への警戒も怠り無く。
【静岡】静岡県中部で最大震度2、M4.1の地震(2019/10/02)
2019/10/02は、静岡県中部で最大震度2、M4.1の地震がありました。
このあたりを震源とする体感する震度1以上の地震は多くはありませんが、震度2以上に限ると昨2018年は1回、一昨年の2017年も1回でした。2016〜2015年には震度2以上は発生せず、2014年に6回程度です。
このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域内であり、なおかつ「固着域」。特に静岡県中部には強い固着域が存在していますが、この地震が何か特別危険なものであったり、大きな地震の前兆であったりという情報は発表されていません。
特に静岡にお住まいの皆様は、数十年前から来るぞ来るぞと言われ続けていると思いますので、釈迦に説法かとは存じます。
中央構造線などの主要な大規模断層帯沿いでは体感しない規模の小さな地震は連日多数発生しており、これはプレートの動きによる通常のものと捉えて良いかと思います。
今回の震源のすぐ近くでは、20年近く前・2001/04/03に最大震度5強・M5.1の大きめの地震が起きています。
この時は岐阜県・愛知県でも震度4を観測し、震源から離れた茨木・栃木・埼玉・千葉・富山・京都・大阪などでも震度1を観測しています。
また、2001年の地震では直後に静岡市内で「青白い閃光」が見られました。
この閃光に関しては東海大学海洋研究所による研究報告が公開されています。
『2001年 4月 3日に発生した静岡県中部の地震(M 5.3)に伴う発光現象について』
http://www.scc.u-tokai.ac.jp/~289077/bulletin/files_for_bulletin/33_23-noda.pdf
閃光現象が起きた場所を100m四方まで絞り込めたものの、結論としては明確に閃光の光源を特定するには至っていません。
しかし報告書自体はとても興味深いものですので、ご興味のある方はぜひお目通しください。
なお9月初旬に公表された気象庁による「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」も通常どおりですので差し迫った危険は無いと言えますが、いつ何どき起きるか判らないのが自然災害。
備えをしっかりした上で、何か起きたときにはすぐに対応できるようにしておきましょう。
【茨城】茨城県周辺で続く小規模な地震(2019/9/29〜10/1)
2019/9/29あたりから茨城県周辺での地震が増えています。東日本大震災以降は東北〜房総あたりにかけての地震活動が活発に続いており、茨城もその範疇に含まれます。
特に、福島・茨城の県境付近や千葉県沖では顕著な活動が見受けられ、比較的に浅い地殻内での地震として、太平洋プレートやフィリピン海プレートの上面付近での集中も見られるようです。
このあたりで頻発する地震は、震源の深さが10〜20kmとかなり浅い傾向にありますが、ここ数日、茨城県周辺で起きているものは50〜60kmの深さに集中しています。
震源の位置としては中央構造線が太平洋へ抜けるあたりとなっていることと、中央構造線と柏崎・千葉構造線が近接している領域にも位置しています。
なお、柏崎・千葉構造線に関しては新潟県柏崎市から千葉県に至る大断層線ではありますが、フォッサマグナの西縁と位置づけられている「糸魚川静岡構造線」と比較すると実態の解明は進んでおらず、従来は活断層ではないとされてきました。東日本大震災は、ここ数十年における地震の中でも非常に大きな規模の地震であったため、現在においてもあの地震によって誘発された小規模・中規模な地震が日本列島のかなり広い範囲で発生し続けています。
そして、太平洋プレートと、東日本〜東北地方のプレート境界では大規模な「余効変動」が続いています。
この「余効変動」とは、大地震が起きた後に長期に渡ってゆっくりと進行していく地殻変動のことで、スロー地震(スロースリップ・深部低周波微動など)の一種です。
震源域の断層周辺・広範囲のプレートが長期間・ゆっくりと滑り続けることで発生します。
この余効変動は、今後も10年スパンの長い期間を使って続いていく可能性があります。
かつてより「地震大国」を自認する日本、小規模な地震は意に介さず、中規模な地震が起きると「お、ちょっと揺れたかな」と感じ、特に被害がなければそれなりの大きな揺れでも平然とやりすごしてしまう傾向があるように思います。
しかし、これまでに起きた大震災クラスの地震は予知できませんでした。
多くの死者を出すような巨大地震も、いつ何どき発生するかは最先端の科学技術をもってしても正確には誰にも判りません。
だからこそ「普段からの備え」をする人々が増えていく必要があるのです。
「次の大地震はいつ起きるのか」を心配するよりも、「起きたときに備えはあるか」という発想に切り替えていきましょう。
「その日」は明日かもしれないのですから。