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【東京・神奈川】神奈川県西部のM4.3と東京湾のM3.1の地震(2019/7/8〜7/9)

2019/7/8〜7/9に注目した地震は、神奈川県西部のM4.3と東京湾のM3.1。大きな地震ではありませんが、編集部でもそれなりの揺れを感じました。 神奈川西部でのM4.0を超える地震は(震源域の範囲の誤差はあるでしょうが)おそらく東日本大震災直後の2011/3/21のM4.2以来。東京湾震源の地震はだいたい年数回規模で発生しています。 いずれもかつての関東大震災(1923)と元禄関東地震(1703)の震源域に重なります。 相模トラフ付近で派生する地震の発生間隔については複数の説があり、元禄型は相模トラフ沿いの相模湾から外房を震源域として再来間隔は1000〜1500年というものと、200-300年程度の可能性もあり得るとの説もあります。 政府の地震調査委員会による今後30年内の長期評価においては、M7.9〜8.6の地震は ①関東大震災(大正型関東地震)については2014年の時点でほぼ5%以下 ②元禄型関東地震(元禄関東地震)については2014年の時点でほぼ0% となっています。 しかし、熊本地震・大阪府北部地震・北海道胆振東部地震なども発生確率がほぼ0%となっている断層帯付近で発生しているため、警戒は必要でしょう。

【海外】インドネシアのモルッカ海でM6.9の地震(2019/07/08)

2019/7/8の日本時間00:08頃、インドネシアのモルッカ海でM6.9の地震がありました。その後も小規模な余震とみられる地震が続いています。 スラウェシ島北部など一部の地域では約50cmの津波が観測され、北マルク州テルナテ島ではパニック状態もあったようです。 環太平洋火山帯としては地震の巣とも言える領域ですが、5〜6月にかけてM7以上の地震も深い位置で発生しておりいずれも新月〜満月期のあたりで発生しています。 今月は7/3が新月で7/17が満月。環太平洋火山帯としては米国オレゴン州の連続地震やカリフォルニア州での大きめの地震があった直後のインドネシアでの地震となっているので、日本でも大きな地震には警戒しておきたいところです。

【海外】米国カリフォルニア付近でM6.4〜M7.1の地震(2019/7/6〜7/7)

2019/7/6〜7/7は米国カリフォルニア付近でM6.4〜M7.1という過去20年で最大規模の地震が発生しました。現地では火災や大規模停電なども起きたようです。 USGSのデータを見ると7/7の午前中までに合計で700回に迫る勢いで群発化しています。 USGSのデータから「2019/07/06〜2019/07/07 09:53:51」までの地震情報を編集部でGoogle Spreadsheet化したものをこちらで公開しています。 https://docs.google.com/spreadsheets/d/1KfOheSkvHUZ3YkOfaYJqEMnMJBJkkHFpIczDOn8I4dQ/ 先月下旬には、ほど近いオレゴン州沿岸でも連続した浅めの震源での地震が起きています。 今月は7/3が新月・7/17が満月で地震が多いと言われる期間です。 カリフォルニアなどの米国太平洋側も日本と同じ環太平洋火山帯に属しているため、日本でもこの期間は特に大きな地震の発生にはより注意しておきたいところです。 おりしも九州を中心に大雨が降ったところでもあり、多量の水分を含んだ地盤の下で大きな地震が起きると、土砂災害が発生する恐れがあります。

【東日本】岐阜・静岡・伊豆半島・福島沖でそれぞれ震源が移動するような小規模な地震(2019/07/05)

2019/07/05は岐阜・静岡・伊豆半島・福島沖でそれぞれ震源が移動するような小規模な地震がありました。 いずれも地震がよく起きている領域です。 岐阜〜伊豆半島にかけては南海トラフ巨大地震の想定震源域、福島県沖に関しては東日本大震災の震源からはやや離れてはいるものの、今後30年内に東北〜関東沿いでの再度の巨大地震が懸念される領域内でもあります。 また、7/5は同じ環太平洋火山帯に属する米国のカリフォルニア、サンアンドレアス断層付近で群発地震的な揺れが発生しています。 ちょうど6月下旬に近くのオレゴン州沿岸でも連続する地震が多数発生してぎました。 サンアンドレアス断層と言えば、2015年公開の災害映画「カルフォルニア・ダウン(邦題)」の原題「San Andreas」がちなんだものです。 映画自体はご覧になった方も多いでしょう。ハリウッド作品ということで派手な災害シーンの連続でしたが、思い返せば東日本大震災における津波被害は映画とはまた異なる、現実に起きたこととしての大変なものでした。 「カリフォルニア・ダウン」の予告編動画はこちら:「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言いますが、すでに大雨による被害も起きており、また水分を多量に含んだ地盤の緩みなどに地震が加わることでの次の災害も懸念されます。 重要なことは、まずは「自助」です。自分たちの身は自分たちで守るために備える。最初から国や自治体による救助や支援をあてにしている場合、いざという時に最悪は命を失いかねません。 備えは何もない平時にこそ、おこなっておきましょう。

【九州】熊本県天草・芦北地方と天草灘で小規模な有感地震(2019/7/3〜7/4)

2019/7/3〜7/4にかけて、前後期間で災害級の大雨となった九州南部の熊本県天草・芦北地方と天草灘でそれぞれ小規模な地震が起きています。特に天草・芦北は地震が多く6月末には連続地震が発生しています。 水分を多く含んだ地盤が緩み土砂災害に繋がる場合があるので要注意です。 今後ふたたび強い大雨となり、「避難勧告」または「避難指示(緊急)」が発令された場合は、即時避難が必要です。 特に後者の場合は実際の被害が発生している可能性が高い状況となります。 特に山の麓や崖の下などの場所にお住まいの場合は、早めの避難を。土石流や地すべり、がけ崩れなどが発生してからでは手遅れです。 日本は欧米などに比べて土砂災害が多いのですが、国土面積の約7割が山地で、数多くの断層や火山を抱えた複雑な地質でもあります。 加えて年平均降水量については世界平均の約2倍という、世界有数の「多雨の国」。 そういった理由から「土砂災害危険箇所」として挙げられている場所は全国合計で52万箇所にものぼり、都道府県別では広島県が最多です。 発生件数で見た場合は、年平均で1000件を超える土砂災害が発生しています。 梅雨明けまではまだ日数があり、その後も台風が控えています。近年は全国各地で豪雨災害があり、都市部ではヒートアイランド現象などによって「ゲリラ豪雨」と言われる突発的な大雨になることも。 大雨時には海岸・河口・川岸・用水路などへは近づかないようにしましょう。 今回の九州南部の大雨でも、増水した川岸などへ写真を撮りに来る方々が散見されたとのこと。足を滑らせてからでは遅いのです。

【東北】東北地方でM3.2〜M4.0の地震(2019/07/02)

2019/07/02に注目した地震は東北地方。福島県沖と宮城県沖はいずれも東日本大震災以降の地震の頻発領域です。 最大震度4程度の地震はよく起きています。 新潟県中越地方については、概ね1〜3ヶ月ごとにこの程度の規模の地震が発生。 6/18に発生し最大震度6強・M6.7を観測した山形県沖地震の震源とも近い印象はありますが、山形県沖地震のほうは「新発田・小出構造線」の北端からやや北上したあたりが震源となります。 過去には2004/10/23に「新潟県中越地震」としてM6.8・最大震度7を観測しています。 震源域としては柏崎・千葉構造線上で、構造線の北端に近い場所で起きています。 新潟県中越地震と混同しやすいのが「新潟県中越沖地震」。こちらは2007/7/16に起きており、こちらは出雲崎町の沖合が震源となります。最大震度は6弱、M6.8の規模でした。 「柏崎・千葉構造線上」と「新発田・小出構造線」はあまりメディアなどで取り上げられることが無い印象がありますが、フォッサマグナの東縁となる大きな構造線です。

【国内】東日本の太平洋側で相次ぐM3〜M5クラスの地震(2019/6/30〜7/1)

2019/6/30〜7/1にかけて東日本の太平洋側でM3〜M5クラスの有感地震が相次ぎました。震源の位置的には「比較的にいつも起きている場所」という印象が強いのですが、1点、北海道の上川地方南部はやや珍しい位置です。 このあたりでの発生頻度は低く、起きた場合も深さ170〜180km程度の深い場合もあれば、逆に深さ10km程度の浅い場合もあります。 南部ということで断層帯としては「富良野断層帯」が近いでしょうか? 富良野断層帯は長さ27kmの西部と、長さ25kmの東部が存在します。 将来の地震発生の可能性としては、M7.2程度を想定した場合、いずれも発生確率はゼロ%に近い評価です。 富良野断層帯西部の平均活動間隔は約4000年程度、東部に至っては約9000~22000年程度と、かなり長いスパンとなっています。 断層として判明しているものは全国各地で約2000箇所、明確には判明していないものの「隠れ断層」としてはその倍はあるとも言われます。 お住まいの地域から程遠くない場所にも断層はありますので、最寄りの断層を調べて見に行ってみるのもいいかもしれません。

【海外】マリアナ海溝沿いでM6.5の地震(2019/06/29)

2019/06/29はマリアナ諸島・マリアナ海溝沿いでM6.5の地震がありました。深さ460kmという深発地震です。 このあたりで起こる有感地震は概ね数年おきという印象がありますが、今年はすでに2度め。 また注目したのは高知・土佐湾でのM3.4。 最大震度1と小規模ですが土佐湾を含む高知沖での地震は多くありません。 土佐湾を震源とする有感地震は、2010年あたりは複数回起きていましたが、以降は1〜2年おきに年間1〜2回程度。2018年はゼロだったようです。 高知沖を含む九州東端〜徳島沖にかけては南海トラフの陸側における固着域の強い部分が広範囲に存在し、土佐湾はその固着域内にあります。 今年は日向灘や豊後水道あたりでの地震も頻発していましたので、今後このあたりの地震が増えていくかどうかは継続的に注視していきたいところです。 東日本大震災の時は前兆的な群発地震が三陸沖あたりで発生していましたが、地震が頻発したからといってそれがすべて巨大地震につながるパターンや確証はありません。 逆に熊本地震や北海道胆振東部地震のような内陸型の場合は前兆がほとんど無い場合も多いもの。 今後大きな地震が来てもその時になって慌てないように、事前に備えだけはしておきましょう。

【熊本】熊本県天草・芦北地方で連続する地震(2019/06/27)

2019/6/27は、熊本県天草・芦北地方でM3クラスの地震が連続して発生しました。震源の深さは総じて10kmです。 阿蘇山の活動も比較的活発で、火山性地震および孤立型微動は継続的に増加傾向にあります。 また今月に入り、環太平洋火山帯では米国のオレゴン州沿岸でも深さ10km程度の連続地震、ロシアのウスチカムチャツク地方でも深さ10km程度での連続地震が起きています。 こうした現象が続くと、つい「巨大地震の前兆か」などと不安に感じてしまいますが、環太平洋火山帯においてはこのようなまとまった回数の有感地震が短期間に特定の震源で集中発生することは珍しくありません。 しっかりと備えをしてあれば、必要以上に不安に感じることはありません。 備えがまだのかたは、そろそろ週末ですのでこれを機会にぜひ備災・防災用品を備えてみてください。 折しも、令和時代に入って最初の台風がやってきています。日本は地震のみならず台風による各種被害も毎年発生しています。 まずは台風に備える、という形でもいいと思います。

【北海道・ロシア】千島海溝とロシアのアリューシャン海溝との接続域でM4〜M6クラスの地震(2019/06/26)

2019/06/26は千島海溝とロシアのアリューシャン海溝との接続域でM4〜M6クラスの地震が連続しています。数日前は同じ環太平洋火山帯に属する米国のオレゴン州沿岸で同様の地震が連続していましたが、規模・深さともに酷似しています。アリューシャン海溝沿いでは過去にM8クラスのアリューシャン地震やM9.2のアラスカ地震が起きています。 さらに今年4月に遡ると、北海道の千島海溝沿いでもM3〜M5クラスの地震が連続発生している時期がありました。 2017年12月の政府地震調査委の発表では、千島海溝沿いの北海道沿岸・根室沖を中心に今後30年内にM9クラスの巨大地震が発生する切迫性が高く(発生確率最大40%)、仮に発生した場合は沿岸部に20m以上の大津波が押し寄せる可能性があるという予想です。 北海道根室沖を中心とする地震に関しては、発生間隔がおよそ340〜380年周期となっていますが、前回の発生からはすでに400年以上が経過しており、いつ起きてもおかしくないとされています。 自然災害の発生可能性を確率論で見る場合、確率が小さければなんとなく安心・大きければ不安という気持ちになりがちですが、確率論だけに実際にどのエリアにどの程度の被害が起きるかは起きてみなければわかりません。 これはいわゆる「ハザードマップ」などにも言えることで、ご自身がお住まいの地域がハザードマップ上では大きな被害が無いか、被害が小さいとされる場所になっていることによって「正常性バイアス」が働き、実際には命に関わる危険性が生じているのに逃げ遅れるという状況にもなりかねません。 とにかく災害時にはできるだけ正確な情報に耳を傾け、少しでも自分や家族に危険が生じそうな場合は先手を打って避難などの行動に移ることが重要です。 行動した結果、何も起きなければそれでいいのです。行動しないことで命を落とすということだけは、なんとしても避けなければなりません。