ITOITO-STYLE 編集部
【熊本】熊本県で震度6弱、M5.0の大きな地震(2019/01/03)
2019年1月3日の18:10頃、熊本県熊本地方で震度6弱・M5.0の大きな地震がありました。
2018年12月18日には鹿児島県の口永良部島で爆発的噴火がありましたが、近年の九州地方では火山活動も活発化しており、今後、同規模の余震が発生する可能性があります。
また、日本全体では年末あたりから中央構造線に沿って直線上に地震が発生していることと、関東地方の太平洋側から東北にかけての地震も活発、北海道と青森県東方沖などでも地震が目立つようになっています。
環太平洋火山帯で見た場合、12月前半ではニューカレドニア付近ではM7.5の大地震が発生、12/22にはインドネシアでクラカタウ火山の爆発的噴火が発生していました。
1つの説として「環太平洋火山帯では震源は時計回りに移動する」という見方があり、今回の熊本での大きな地震もそれに当てはめて見ることができるかもしれません。
可能性として今後、中央構造線などの主要断層帯に沿って別の場所での大きな地震が発生する可能性もありますので、熊本以外にお住まいの皆さんも念のため警戒を。
非常用持ち出し袋や備蓄品のチェックだけでなく、真冬の深夜に避難する場合は寒さ対策や懐中電灯なども欠かせません。使い捨てカイロがあれば避難グッズに含め、ベッドや布団のそばにはスリッパなども。
灯りに関しては、自転車用の取り外し可能なLEDライトなどでも構いません。最善は両手が自由になるヘッドライトです。
避難ルートの確認、スマホの充電なども欠かさずにおこなっておきましょう。
また震災時には停電が発生し、スマホの充電ができなくなる場合があります。
スマホのバッテリーを長持ちさせるには、
①まずは低消費電力モードにする
②画面の輝度を下げる
③ネットを使う頻度を少なくし通信が必要な時以外は機内モードにする
の3つの方法がかなり有効です。災害時だけでなくキャンプや登山などでも活用できる方法です。
スマホ用の地図アプリに関しては、予め地図データをダウンロードしておけばネットが繋がっていなくても使える「MAPS.ME 」をインストールし、行動範囲の地図データをダウンロードしておきましょう。
http://MAPS.ME
備えた上で、何も起きなければそればベストです。
【海外地震】フィリピンのミンダナオ島の近海でM7.2の地震(2018/12/29)
12/29の日本時間00:39ごろ、フィリピンのミンダナオ島の近海でM7.2の地震が発生しました。日本への津波の影響などは無いとのことですが、現地での被害状況が気になりますね。
報道各社のニュースリンクは次のとおりです。
フィリピン南部沖合でM7.0の地震、津波に警戒
https://www.cnn.co.jp/world/35130795.html
フィリピン付近でM7.2の地震 日本では津波被害の心配なし
https://weathernews.jp/s/topics/201812/290075/
フィリピン南部で地震 “津波のおそれなし”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181229/k10011763381000.html
〔海外地震〕フィリピン・ミンダナオ島南東沖付近でM7.0・注意呼びかけを解除(12/29)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181229-00000012-rescuenow-int
フィリピン南部沖合でM7.0の地震、津波に警戒
http://news.livedoor.com/article/detail/15808826/
今月は12/2〜12/3にかけて南西太平洋・オーストラリアの東側では大きめの地震が相次ぎ、12/5にはほぼ同じエリアにあるニューカレドニアで最大M7.5を観測する大きめの地震が発生、その後もM5クラスの地震が群発地震とも考えられるレベルで連続して発生していました。
12/22にはインドネシアのクラカタウ火山が海底と地上で噴火し、大きな被害が出た後のフィリピンでのM7.2です。まさに、環太平洋火山帯における「震源は時計回り説」を裏付けるような動きとなっています。
日本でもかつての阪神淡路大震災は厳冬期である1月、東日本大震災はまだ寒さのある3月です。寒い時期の大震災では電気・ガスが止まった場合、文字通りの死活問題に直結します。
いわゆる「焚き火」は、国内では基本的に法律で禁止されていますが、災害時の緊急対応の場合は許容されます。過去の大震災でもドラム缶を使った焚き火で、多くの方々が暖を取ったという話しが残っています。
とは言え、焚き火は火の粉が発生するため、場合によっては火災の原因になることもあります。石油ストーブやカセットガスストーブなどを緊急時の暖房手段として備えておくと良いかもしれません。
それぞれについて、ITOITO-STYLEのwebサイトでも記事をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
【寒い冬に被災した場合や冬キャンプに役立つ「石油ストーブ」】
https://itoito.style/article/2735
【防災用品としてもおすすめの「カセットガス・ストーブ」を備えよう!】
https://itoito.style/article/4199
【全国】クラカタウ火山噴火後、国内地震は直線上に活発化(2018/12/23〜12/27)
2018/12/22に津波を引き起こしたインドネシアのクラカタウ火山は、現在も噴石を飛散させ噴煙も継続し活発に活動中で、噴火警戒レベルを12/27に上から2番目のレベルにまで引き上げられました。
現在までに判明している死者数は430人、行方不明者は159名と大きな被害が出ています。
インドネシアの防災機関は噴火前に地震は発生しなかったと発表していましたが、噴火直前(約8分前)にドイツでM5.1の低周波地震が観測されたとのこと。
低周波地震については、日本ではプレート境界面における「スロースリップ(ゆっくり滑り)」として観測されることが多く、ここ数年、東海地方〜四国〜九州東部の南海トラフで継続的に発生していることが判っています。
また、クラカタウ噴火後の12/24にはイタリアのシチリア島にある欧州最大の活火山「エトナ山」も噴火し、M3.3の地震が発生。
エトナ山では直近1カ月の間に徐々に活動が活発化していたとのこと。12/26にはエトナ山のふもとでM4.8の地震が発生、怪我人と建物被害が発生しカターニア空港も閉鎖となっています。
そして、ここ5日間ほどの国内地震を確認していますが、震度は1〜2と小さいものの、震源をプロットすると直線上に活発化しているようです。北海道は含めていませんが、北から南まで全国的です。
体感しない規模の地震は毎日発生していますので(備えていれば)特段に不安に感じる必要はありませんが、あまり見ないパターンに思います。海外での地震や噴火を見ても、やはり世界規模で地殻の動きが活発化しているということでしょう。
【全国】クラカタウ火山噴火後の国内地震の動き(2018/12/22〜12/25)
2018/12/22に発生したインドネシアのクラカタウ火山噴火による津波被害が拡大していますが、直後からの日本国内での地震発生パターンも従来の何となく見慣れた(?)ものから少々変化している気がします。
ここ3日間で南海トラフ巨大地震の想定震源域では震度2が結構出ています。(もっとも安易にパターン化できるものでもありませんが)
体感できない規模の地震で強震モニタ等で確認できるものを考慮するとより多いのですが、目立ったところで見ると、12/23の山梨県西部の震度2を起点として、震源が西方向へ伝搬しているように見える動きがあります。
クラカタウ火山の噴火と津波ですでに死者は420名を越えたという報道がありますが、発生した津波の原因はクラカタウ火山の「山体崩壊」が原因であると見られています。1883年の巨大噴火でも島の殆どが消滅するほどの山体崩壊を起こし、最大40mの津波が発生・36,000人以上が死亡したとされます。
日本国内でも、1741年に北海道松前町の渡島大島が噴火による山体崩壊を起こし津波で1,500人が死亡。1792年には長崎県島原市の眉山が火山性地震で山体崩壊、天草を大津波が襲い15,000人が死亡しています。
今後の発生が予想される南海トラフ巨大地震では、想定される死者・行方不明者数は32万人以上。これは実に、東日本大震災の17倍、阪神淡路大震災の50倍です。
2004年のインドネシア・スマトラ沖地震(M9.1)における死者・行方不明者数が28万3000人でしたが、それを上回る人的被害が想定されます。
この規模になるともはや人間の想像力の範囲を大きく越えてくるわけですが、生き残れた後は「行く抜いていく」ことが喫緊の課題となってきます。何をどこまで備えれば十分であるかについては判らないことも多いですが、一人のチカラではどうにもならなくとも、備えていた人たちが協力し合えばより可能性は大きくなるはずです。
まずは、意識のある人たち一人ひとりが備えることが重要となるでしょう。
【海外火山噴火】インドネシア・クラカタウ火山が噴火(2018/12/22)
2018/12/22の21時過ぎ、インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間、スンダ海峡にある「クラカタウ火山」が海底噴火および大規模噴火を起こし、高潮と地滑りによって津波が発生しました(航空路火山灰情報センター (VAAC) 発表)。
これにより、ジャワ島西部のアニェール付近でも津波被害を受け、少なくとも死者60名・負傷者・行方不明者は合わせて580名以上になっているようです。
今回の大規模噴火では、噴煙は高度1万6千メートルまで達しています。クラカタウ火山は、1680年と1883年にも大噴火を起こし、特に1883年の大噴火では3万6000人以上の犠牲者を出しています。
またインドネシアで最近記憶に新しいのは、2004/12/26のスマトラ沖地震(マグニチュード9.1)と今年9/28に発生したスラウェシ島地震(マグニチュード7.5)です。
スマトラ沖地震では死者・行方不明者は合計で22万人を越えました。地震が発生した時期は年末やクリスマス休暇のシーズンだったため、犠牲者には日本や欧米諸国などからの観光客も多数含まれることになりました。
スマトラ沖地震地震では、インドネシア国家防災庁が発表した被害規模は、死者数2081人、特定できた行方不明者1309人。一部報道では行方不明者は5千人越えとの話も。それから3ヶ月後の噴火・津波被害となっています。
環太平洋火山帯の中でもインドネシア周辺は火山活動と地殻活動が活発で、ほぼ連日マグニチュード4以上の規模の地震が発生しています。「震源時計回り説」から考えて、今後日本列島周辺でも大きめの地震もしくは火山活動の活発化に繋がる可能性もあります。
なお環太平洋火山帯の範囲においては、クラカタウ火山噴火の前日にカムチャツカ半島付近でマグニチュード7.3の地震が発生しています。このあたりからアラスカにかけても、頻度は高くないものの大きな地震が発生する領域となっています。
【富山】富山県東部で震度3、M4.2(2018/12/20)
2018/12/20の15:58頃、富山県東部で震度3・M4.2の地震がありましたが、この震源での地震は1年8ヶ月ぶりのようです。この震源での目立った地震は、前回は2017/4/19に震度1、その前は2012/7/28。(強震モニタで見る範囲では遥かに多いと思いますが)
しかしすぐ南側の長野県中部では、先月に群発地震が起きており、糸魚川-静岡構造線沿いかつ、中央構造線との交差地点からも近い位置です。
富山県を含む北陸地方は、比較的に大地震の発生リスクが低いとされています。例えば、長野や新潟で大地震が発生したとしても、北アルプス地下のマグマ状の岩石帯が地震波を吸収するため、揺れが小さくなると考えられています。
確かに、去年あたりまでの富山県東部を震源とする地震を見ると、震度は2以下・マグニチュードも4を超えるケースは稀でした。しかし、12/20の地震は震度3・M4.2となり、過去の例からはやや大きめの地震となっています。
近年では特に中央構造線に沿った地震や火山活動が活発化しているようで、先日噴火があった口永良部島も中央構造線の西端からほど近い位置にあります。
今回の富山での地震も、中央構造線と糸魚川-静岡構造線の交差地点から近い場所ということもあり、今後は「北陸は大地震発生リスクが低い」という認識を多少改める必要があるかもしれません。
実際に、熊本地震をはじめとしてこれまで「安全地帯」と考えられていた場所で大地震が起き、断層帯に関しても大地震に繋がる可能性がゼロ%のものが動くケースが増えています。
南海トラフ地震・首都直下地震・北海道根室沖地震・房総沖地震など、今後の発生が見込まれている巨大地震はいくつもありますが、それに加えてこれまで想定外だった場所での大きな地震についても「起きうる」と捉えて備えをしておくべきでしょう。
【鹿児島】口永良部島の新岳火口で火砕流を伴う爆発的噴火が発生(2018/12/18)
2018/12/18の16:37頃、鹿児島県・屋久島の西にある「口永良部島」の新岳火口で火砕流を伴う爆発的噴火が発生し、屋久島町では全島民に自主避難を呼びかけました。
下記は気象庁及び報道各社の記事へのリンクです:
口永良部島の活動状況
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/509.html
口永良部島で噴火 火砕流が西へ流下
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2018/12/18/3024.html
口永良部島・新岳で噴火 煙2千メートルまで上昇
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3909377018122018000000/
噴火に伴うけが人なし、自主避難呼び掛け
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181218-00000146-kyodonews-soci
火山 口永良部島で火砕流を伴う噴火が発生
http://news.livedoor.com/article/detail/15758140/
----
噴火発生時、本村東観測点で29Paの空振を観測、噴煙は火口縁上2000mで雲の中へ。
火口周辺では大きな噴石が飛散しているのが確認されています。また火砕流が火口から西側へ約1km流下したとのこと。
火口周辺警報としては、噴火警戒レベル3の入山規制が継続しています。
----
口永良部島の噴火で近年目立ったものは、2015/5/29に発生した「マグマ水蒸気噴火」です。噴煙高度は火口から最大約1万メートル上空まで到達。このときも、新岳からの噴火でした。
今回は「自主避難の呼びかけ」ですが、2015年の噴火では噴火からおよそ16分後には屋久島町が島全域に島外への避難指示を出し、気象庁の見解として島民の避難期間が年単位に及ぶ可能性が指摘されました。(実際にはこの年の12/25に避難指示が解除されています)
2015年の噴火では、噴火警戒レベルが避難を意味する「5」に引き上げられましたが、12/18の噴火ではレベル3のままとなっています。
----
近年、活発化している感のある環太平洋火山帯。12/18も南西太平洋〜南太平洋あたりではM4〜M5クラスの地震が相次いでいました。大きな被害が出ない地震は、日本国内でも連日発生しています。
枕詞的に「地震大国」日本とは言われますが、大きな被害の出ない地震にはすっかり慣れてしまっているのが私たちの生活です。しかし、日本国内でこの先の大地震が起きないことが保証できる「安全地帯」はどこにも無いと言って差し支えはありません。
次の大震災が起きるのは30年後か、それとも100年後の次の世代かもしれませんが、もしかしたら来月や来年かもしれません。
現在の科学技術をもってしても、それを正確に予測することが不可能である今、「いつ・どこで起きるのか」を必要以上に気にしてもあまり意味はありません。
「起きた時に備えはあるかどうか」が、もっとも重要な問題となります。まずは、無理のない範囲で備えてください。
【東日本】東日本の太平洋沿岸で北上する震源(2018/12/12〜12/16)
2018/12/12〜12/16に国内で起きた震度3の地震を見てみると、震源が北上しているように見えます。
環太平洋火山帯では震源は時計回りに移動するという説がありますが、サンプル数としては不十分なものの、説に沿った震源移動のように見えます。
プレートとしては北米プレート内での地震ですが、茨城〜岩手あたりの太平洋沿岸では継続的に地震活動が活発です。特に三陸周辺では地殻の隆起が続いています。
一方、海外に目を向けた場合、12/16は中国でM5.4、インドネシアでM6.1の地震がありました。いずれも環太平洋火山帯の範囲内での地震となります。
体で感じない規模の地震はほぼ毎日発生しており、環太平洋火山帯においてもM5以上の地震がほぼ毎日発生しています。必要以上に怖がる必要はありませんが、不安にならないためにも必要な「備え」はしっかりと。
編集部スタッフも、この週末に氷点下の野外で夜を乗り越える「備災キャンプ」に行ってきました。
必要なものは適切な装備と燃料ですね。最も寒かった時間帯のテントの外の気温は氷点下5℃でした。
カセットガスストーブと薪ストーブの2種類を試しましたが、隙間風がある状況ではカセットガスストーブでは暖かさは不足、薪ストーブ大活躍ですが高コストが課題でした。
【南大西洋】サウスサンドウィッチ諸島でM7.1、深さ160km(2018/12/11)
2018/12/11の11:26頃、南大西洋の南極圏に属するサウスサンドウィッチ諸島でM7.1の大きな地震がありました。深さは160km。
サウスサンドウィッチ諸島があるのはプレートが複雑に関係している場所で、震源は南米プレートと南極プレートの境界・サウスサンドウィッチ海溝沿いとなっています。
このあたりで地震はこれまで多くないものの、起こるときはM7クラスの大きなものが起きています。
ただ、2018年11月にはM5〜M6クラスの地震が起きてきたことと、2016年5月にはサウスサンドウィッチ諸島にあるブリストル島の火山が60年ぶりに噴火しており、噴火という点では2016年10月に諸島内で3つの火山が同時に噴火している様子が地球観測衛星によって観測されました。
地震は日々、世界各地で発生していますが、環太平洋火山帯やプレート境界などで起きることは普通の現象です。しかし近年、そうした場所ではないところで地震が発生するようになりました。
ヨーロッパでもユーラシアプレートとアフリカプレートの境界となっているイタリアやギリシャなどの地中海沿岸国では地震が起きますが、それ以外の場所ではあまり地震は起きてきませんでした。しかし、2016年にはオーストリア(オーストリー)のウィーンでM4.4、フランスでもM5.2が発生しています。
地球規模で地殻活動が活発化している感もありますが、その大きさと私たちのささやかな日常生活の規模の違いから、万が一の大震災を(これまで幾度も経験しながらも)何もない平時には忘れてしまいがちです。
しかし日々、警戒を怠ってはならないでしょう。備災意識を日常生活に組み込んでみてください。手軽にできる、1週間ぶんの水と食料備蓄とローテーションストックからでも構いません。
余談ですが、今回M7.1の地震が起きたサウスサンドウィッチ諸島はイギリスの海外領土で、かつては捕鯨と鯨油採取の基地でしたが、現在は観光や生態系・環境の研究が行われています。
【三重→関東】三重県南東沖震源の地震で揺れたのは関東地方(2018/12/10)
★関連情報
三重県南東沖でM6.5の地震、異常震域も発生
2018/12/10の00:22頃、三重県南東沖を震源とした、震度2・M5.3の地震がありましたが、揺れたエリアが三重県からはかなり距離がある「関東地方」という現象がありました。最も震度が大きかったのは栃木県です。
この現象は、小笠原諸島付近などでしばしば起こるM7.0以上の大きな深発地震による「異常震域」が、三重県南東沖でも発生したと見ることができるかもしれません。
「異常震域」とは、通常ならば揺れは震源地(震央)で最も大きくなり、中心から同心円状に広がりながら小さくなるはずの地震が、震源地から離れたところで震度が高くなる現象のことを言います。
例えば、2007/7/16に京都沖日本海で起きた「深発地震」では、京都では小さな震度でしたが、距離的に遠い北海道では大きな揺れを観測しました。逆にプレート境界をまたいだ中京関西地方や中部地方での揺れは小さいという状況です。
「異常震域」は震源の深さが深い「深発地震」で起きる傾向があるようで、海洋プレートがマントル内に沈んでスラブ(地球の地殻とマントル最上部の固い岩盤を併せた部分)となる過程で、深さが数百km付近まで沈んだところで熱や圧力により構造などが変化した時に発生すると考えられています。
今回と同じパターンで、三重県南東沖の深い震源で関東・東北が揺れた異常震域ケースはこれまでに複数回、起きています。確認できるのが近年なので、「南海トラフが起動」ということにならないといいのですが。










