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【鹿児島】口永良部島で爆発的噴火が発生(2019/01/17)
2019年1月17日の9:19頃、鹿児島県の口永良部島で爆発的噴火が発生しました。口永良部島は、最近繰り返し噴火を繰り返している火山です。
気になるのは口永良部島の北側にある「鬼界カルデラ」。世界最大級の「マグマ溜まり」で7300年前の超巨大噴火で形作られました。この7300年前の噴火では火砕流や大量の火山灰が発生し、当時の九州南部の縄文文化を滅亡させたとされています。
2016年からの神戸大学による調査では、海底から高さ600メートルにもなる巨大な「溶岩ドーム」がカルデラの内側に確認されました。
従来は7300年前の噴火でその時点でのマグマのほとんどが噴出してしまったと考えられてきましたが、この調査によって現在もマグマの供給が継続されているであろうことがほぼ確実視されています。
神戸大学海洋底探査センターの巽好幸教授によれば、「すでに次の巨大カルデラ噴火の準備過程に入ったと言える」という見解を発表しています。
万が一この鬼界カルデラが再び7300年前と同規模の巨大噴火を起こした場合、九州南部に壊滅的な損害をもたらし、関西だけでなく関東にまで影響が及ぶと考えられています。
以上の事柄は「不安を煽る」等の性質ではなく、近年の科学的な調査によって広く公開されている情報です。
さすがにこれほどの規模ともなると、どう備えるべきか・備える手段はあるのかという点では確かに不安にはなりますが、例えば2014年の御嶽山噴火では、前兆現象がほとんど無い状態で噴火が発生してしまいました。
そのような噴火災害が実際に起きうる可能性がある、ということだけは心に留めておきましょう。
【鹿児島】口永良部島の新岳火口で火砕流を伴う爆発的噴火が発生(2018/12/18)
2018/12/18の16:37頃、鹿児島県・屋久島の西にある「口永良部島」の新岳火口で火砕流を伴う爆発的噴火が発生し、屋久島町では全島民に自主避難を呼びかけました。
下記は気象庁及び報道各社の記事へのリンクです:
口永良部島の活動状況
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/509.html
口永良部島で噴火 火砕流が西へ流下
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2018/12/18/3024.html
口永良部島・新岳で噴火 煙2千メートルまで上昇
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3909377018122018000000/
噴火に伴うけが人なし、自主避難呼び掛け
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181218-00000146-kyodonews-soci
火山 口永良部島で火砕流を伴う噴火が発生
http://news.livedoor.com/article/detail/15758140/
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噴火発生時、本村東観測点で29Paの空振を観測、噴煙は火口縁上2000mで雲の中へ。
火口周辺では大きな噴石が飛散しているのが確認されています。また火砕流が火口から西側へ約1km流下したとのこと。
火口周辺警報としては、噴火警戒レベル3の入山規制が継続しています。
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口永良部島の噴火で近年目立ったものは、2015/5/29に発生した「マグマ水蒸気噴火」です。噴煙高度は火口から最大約1万メートル上空まで到達。このときも、新岳からの噴火でした。
今回は「自主避難の呼びかけ」ですが、2015年の噴火では噴火からおよそ16分後には屋久島町が島全域に島外への避難指示を出し、気象庁の見解として島民の避難期間が年単位に及ぶ可能性が指摘されました。(実際にはこの年の12/25に避難指示が解除されています)
2015年の噴火では、噴火警戒レベルが避難を意味する「5」に引き上げられましたが、12/18の噴火ではレベル3のままとなっています。
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近年、活発化している感のある環太平洋火山帯。12/18も南西太平洋〜南太平洋あたりではM4〜M5クラスの地震が相次いでいました。大きな被害が出ない地震は、日本国内でも連日発生しています。
枕詞的に「地震大国」日本とは言われますが、大きな被害の出ない地震にはすっかり慣れてしまっているのが私たちの生活です。しかし、日本国内でこの先の大地震が起きないことが保証できる「安全地帯」はどこにも無いと言って差し支えはありません。
次の大震災が起きるのは30年後か、それとも100年後の次の世代かもしれませんが、もしかしたら来月や来年かもしれません。
現在の科学技術をもってしても、それを正確に予測することが不可能である今、「いつ・どこで起きるのか」を必要以上に気にしてもあまり意味はありません。
「起きた時に備えはあるかどうか」が、もっとも重要な問題となります。まずは、無理のない範囲で備えてください。
【全国】北海道・関東・九州の太平洋沿岸で活発化する地殻活動(2018/11/21)
2018/11/21は早朝から国内における地殻活動がかなり活発です。
時系列で北海道浦河沖M3.5、種子島近海M5.2、択捉島近海でM5.1、諏訪之瀬島の爆発、千葉県北東部でM3.8と続いています。
浦河沖は今年はだいたい毎月発生していましたが、9〜10月にかけては特に目立つ地震は起きていませんでした。
種子島近海も2ヶ月ぶりの大きめの地震。琉球海溝沿いの地震に関しては1地点のみでなく、奄美大島近海、沖縄本島近海、宮古島近海、西表島付近などの地震も比較的活発です。
今年は2/6に震度7を観測した「台湾花蓮地震」がありましたが、台湾に近い西表島付近では翌月の3月には群発地震とも思えるM3〜M4クラスの規模の連続地震が起きていました。
諏訪之瀬島も東日本大震災以降は火山性地震が増え、2013年あたりからは活動が激化しています。
また沖縄本島近海では、9月にM5.1〜M5.8が頻発していました。
ときどき「東日本大震災以降、日本列島では地震や火山の活動期に入った」という話しを耳にしますが、4つのプレートがぶつかり合う地殻構造の真上に位置することを考えると、環太平洋火山帯という地球規模の活動が活発化した結果として日本列島の地殻活動も影響下に入ったと考えるのが自然なのかもしれません。