万能便利食「おにぎリゾット」
阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、鳥取中部地震。いずれの被災地でも食事としてまず支給されたのがパン類と併せて「おにぎり」ですね。東日本大震災のときは、3月11日からの2ヶ月で被災地に運ばれた政府調達のおにぎりだけで約350万食。
加えて、大手スーパーやコンビニチェーンなどを運営する企業各社からの支援物資や全国からの有志による炊き出しなどでも、数多くのおにぎりが被災地で振る舞われます。温かいうちにいただけるのは嬉しいものですが、時間が経ってしまうと冷めてしまったり衛生面での不安が生じたりするものです。そんな「おにぎり」を備蓄品と組み合わせて、簡単で美味しく再加熱して安全にいただけるレシピが、この「おにぎリゾット」。今回はレシピを5種類ご紹介。日々の食卓やアウトドアやキャンプでの食事、そして山めしにも活用できます。
日頃からあらかじめ、フリーズドライのスープ類、乾燥食材、缶詰類などを備蓄しておきましょう。定期的に使って入れ替える「ローテーション消費」がオススメです。
単なる「おにぎり」1つでもスープや缶詰と組み合わせることで、美味しいリゾット風の食事になることがお分かりいただけたかと思います。
おにぎりが無くとも、自前で米やパックごはんを備蓄しておけば同様のレシピで美味しい「備災リゾット」を作ることができます。被災時でも支援のおにぎりを入手できた上で備蓄品と組み合わせれば、流通が復旧するまでの間の食糧の節約にも繋がります。
熊本地震では初動における避難所ごとの支援物資の供給量のバランスがなかなか取れず、十分な支援物資を得られたところと水・食糧不足が慢性化しているところとの「支援物資格差」が浮き彫りになりました。
「おにぎりとおしるこ」しか物資が届かなかった避難所がある反面、集中して余るほど支援物資が届いてしまったとある避難所においては、衛生面の問題から大量のおにぎりを廃棄せざるを得ない事態となりましたが、それがメディア等で取り上げられ「善意の支援を捨てるのか」と取り沙汰されたことを覚えているかたもいらっしゃるでしょう。
いずれにせよ限られた物資でやりくりをしなければならなくなる被災時、政府や行政・外部からの支援に頼ることを前提にしてしまうと、どうしてもストレスの大きな生活になってしまうことは過去の震災事例からも明白です。日頃からの備え・備蓄がいかに大切であるかを改めて考えてみたいところです。