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【検証】100円ショップ商品だけで、美味しいご飯を簡単に炊く!

美味しいご飯を炊くのに多機能な電気炊飯器は要りません。100円ショップで売ってる片手鍋やパウンドケーキ型と固形燃料だけでも、実は簡単に美味しいご飯が炊けてしまうんです。特に「パウンドケーキ型炊飯」であれば、簡易的なクッカー&コンロがたったの133円で自作できます!

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簡単美味しい百均炊飯!

アウトドア派やキャンパーの皆さんにはお馴染みの「自動炊飯」。専用のクッカーやバーナーが無くても、最安値133円で自作する「簡易クッカー&コンロ」で十分美味しいご飯が炊けてしまいます。炊くご飯の量は1合。必要な米と水の量は、1合160g(無洗米)、水200〜220mlです。

今回は、前回の記事「【検証】100円ショップの固形燃料で簡単湯沸かし!」の続きとなる炊飯編です。炊飯に使うための基本的な100円ショップ・グッズについては、前回の記事をご覧ください。

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備災FUN!』では、次の震災・災害に備える「備災」をテーマに、被災時にも大活躍のアウトドアグッズを日常で活用して「楽しみながら備える」情報をメインに発信しています。

炊飯グッズと材料の準備

まずは、片手鍋で炊飯をするための固形燃料コンロを準備。このタイプのコンロは放熱スペースが大きいので、今回は熱をなるべく無駄にしないようにアルミホイルを折り畳んで輪っか状にしたもので固形燃料を囲んでみます。

次に、パウンドケーキ型のMサイズと固形燃料を用意。このような感じで収納できるので、1セット用意して予備の備蓄品としてしまっておいてもいいでしょう。

パウンドケーキ型で作る簡易コンロも、今回は熱を無駄にしにくいようにアルミホイルを折り畳んで輪っか状にホチキスで留めたもので覆ってみます。アルミホイルの輪っかの下部には、ハサミで切れ込みを入れて折り曲げ、空気の取り入れ口を4ヶ所ほど用意しました。

コンロ部の固形燃料周りのセッティング完了。あとは前回同様にこの上に「焼き網」を載せます。

今回は、炊きあがりの味や食感を比較するために、別途、アウトドア用のクッカーとコンロ(ユニフレームの山クッカー角型とesbitポケットストーブ)を用意しました。加熱方法は、すべて同じ固形燃料を使用します。

なお、アウトドア用のクッカーを利用した一般的な炊飯方法は、別記事の「【備災メシ】基本のクッカー炊飯」をご覧ください。

まずは100円ショップの片手鍋に無洗米1合160gと水200〜220mlを入れて、最低30分以上置いて米に水を十分に吸わせます。この吸水時間はとても重要です。余裕があれば1時間。

米に吸水させている間に、アルミホイルでフタをします。フタには、炊飯中の蒸気抜きの孔を爪楊枝でいくつか開けておきます。

同様にパウンドケーキ型にも同量の米と水を入れます。こちらも最低30分以上、吸水させます。

パウンドケーキ型のほうも、吸水時間にアルミホイルでフタをして、蒸気抜きの孔を爪楊枝で開けておきます。

アウトドア用クッカーにも同様の米と水を投入して、最低30分吸水。今回は1時間の吸水時間を設けました。

美味しいご飯を炊くコツは主に次の2つ。

・炊飯開始前に、お米に十分な水を吸わせる(最低30分、可能であれば1時間)
・炊き上がったら、15分は蒸らす(保温できればベスト)

では次はいよいよ炊いてみましょう。

固形燃料に着火、自動炊飯を開始

吸水開始から1時間。炊飯開始です。気温や湿度などの条件はありますが、基本的に火加減は一切不要です。このまま固形燃料が燃え尽きるまで放置します。アウトドア炊飯で固形燃料を使う場合、これを「自動炊飯」と呼ぶ人たちも多いようです。

片手鍋やパウンドケーキ型の側面には水蒸気。固形燃料はアルコールを個体化させたものなので、アルコールの燃焼時に高温の水蒸気を発生させます。

江戸時代あたりから言われてきた炊飯の極意「初めちょろちょろ 中パッパ じゅうじゅう吹いたら火を引いて 赤子泣いてもフタとるな」。アウトドア系の炊飯作業には当てはまりません。中を開けて確認することもあります。クッカー内は煮えてきたようですので、100円ショップグッズの中も同様でしょう。

熱伝導率が低いチタン素材を使用したクッカーで炊飯する際は、焦げ付きを防ぐために水分がある程度飛ぶまでフタを開けたまま、かき混ぜ続けたりします。

というわけで、片手鍋のほうも爪楊枝で開けた蒸気孔から噴き出しが始まりました。フタ自体も内部の蒸気によって少々膨らんでいます。

パウンドケーキ型の簡易クッカーのほうも蒸気が噴き出しはじめました。順調に炊飯が進んでいるようです。噴きはじめたら念のため、ときどき蒸気孔からの香りを確認しましょう。基本的に火が消えるまで放置で問題ありませんが、条件によっては稀に火が強すぎて焦げる場合があります。もし「オコゲ」を感じさせる香ばしい香りがしたら火から降ろして蒸らしに入ってしまいましょう。(初めて炊く場合は、とりあえず火が消えるまで放っておきましょう)

なお燃焼開始直後は固形燃料が入っているプラ容器が燃える際のガスが発生するので、噴き始めるまでは香りの確認は控えましょう。また、部屋の換気も怠らずに。

蒸らし、そして炊き上がりへ

固形燃料の燃焼が終わると同時に炊飯も終了。ここから15分ほど蒸らします。今回はクッカーが3つということで手抜き蒸らし・下に布巾を敷いただけですが、鍋ごとタオルで包んだり100円ショップで売っている保温バッグに入れてもいいでしょう。

15分蒸らしたら完成です。すべてのフタを取ってみたところ。いずれも問題なく炊き上がっています。

アウトドア用のクッカー(ユニフレーム・山クッカー角型(レビュー記事))では、いつもどおりの安定した炊きあがり。さて、100円ショップグッズで炊いたほうはどうでしょうか。

片手鍋での炊きあがりチェック

100円ショップの片手鍋(150円モデル)での炊きあがり。表面のほうはまったく問題なし。底の方が焦げ付いていたりすればニオイますが、焦げ臭さは皆無です。

軽く切るように混ぜてみました。いたって普通です。

底面をチェック。新米なのでちょっとだけ水分が多かったようですが、焦げ付きもなくほぼパーフェクトな炊きあがり。

ご飯をすべてよそい終わった後の鍋底。鍋の内側自体が元々コーティングされていることもあってか、焦げ付きも一切ありません。もう少し水分は少なくても良かったところ。

パウンドケーキ型の簡易クッカーでの炊きあがりチェック

問題はこちら。商品の使用目的として炊飯など想定されていない、100円ショップのパウンドケーキ型での炊きあがりはどうでしょうか。

こちらもザックリと混ぜ合わせて空気を含ませます。見たところ問題なく炊き上がっているようです。

パウンドケーキ型の底をチェック。端のほうは焦げ付き無し。これは期待できそうです。固形燃料の炎が当たっていたあたりはどうでしょうか。

ほどよい「おコゲ」が!こちらもほぼパーフェクトな炊き上がりでした。

パウンドケーキ型内の炊き上がったご飯を、別容器にすべて移した後の底面をチェック。ほどよい「おコゲ」の痕跡こそありますが、「焦げ付き」はまったくありません。

試食結果

以上でアウトドア用クッカー、100円ショップの片手鍋、同じく100円ショップのパウンドケーキ型で炊いた3種類が炊きあがりましたので早速試食してみました。米と水の量、いずれもまったく同じ。結論としては、いずれも味も食感も差異は感じられません。新米だったため少々水が多かったかとも思いましたが、この撮影のためにフタを取ったまま少々時間が経って表面の水分が飛んだ結果、ちょうどよい食感に。芯も残っておらず、十分に美味しいご飯としていただくことができました。

今回、アウトドアクッカーはユニフレームの「山クッカー角型3」の小鍋を使用しましたが、セット売価でおよそ7000円弱(2016年12月現在)の小鍋で炊いたご飯と、100円ショップの製菓用「パウンドケーキ型」を使い133円程度で自作した簡易クッカーで炊いたご飯とで、仕上りにも味にも大差が無かった点も面白い結果でした。

まとめ

固形燃料を中心に100円ショップの商品を使って、十分に美味しい炊きたてご飯を作れることが判りました。注意点としては、ステンレス製やチタン製の鍋は炊飯に向かない(焦げ付きやすい)ので試す場合はご留意を。薄手のアルミ鍋やアルミ素材なら問題なく固形燃料で炊飯が可能です。

日本人の食生活からは切っても切れない主食の「ご飯」。海外での主流である長粒米とは異なる粘り気と強い旨味と甘味・良好な食味を持つ日本独自の米とご飯はある意味完成された食文化であり、長年に渡る国内の稲作・米穀産業に携わってきた先人たちの努力の賜物です。

美味しいお米を美味しく炊きたい・しかも便利で気軽に日々の食卓に、という理念から1950年代半ばに生まれたのが「電気炊飯器」。火加減の自動調節から始まり、保温機能、タイマー機能、電磁加熱式のIH炊飯ジャー、真空圧力炊きなど進化を続けてきましたが近年では原点回帰ということなのか、昔の「かまど炊き」を目指した羽釜や土鍋の機能を再現したモデルも出てきました。

かまど炊きといえば昭和初期までは、ご飯を炊く道具は「竈(かまど):wikipedia」でした。この頃はいわゆる「土間(どま)」がある家庭も多く、薪を燃やして調理をしたものです。火加減が難しい竈での調理は煙にまみれて大変だったと聞きます。近年の高機能炊飯器が目指し始めたのは、この昭和の時代の炊飯の原点ということかもしれません。

現代に生きる私たちにとってご飯を炊くのは電気炊飯器が当たり前、それも高機能で高価格帯のものならさらに美味しいと思い込んでいます。しかし、実際にはこうしてご飯はシンプルな道具で簡単に炊くことができて、そして十分に美味しい。100円ショップ商品で構いません、ぜひ固形燃料での自動炊飯を試してみてください。ご飯が思った以上に炊けることを実感できると思います。

近年では食事の多様化によって日本人の米の消費量は減少の一途を辿り、追い打ちをかけるかのように「低糖質ダイエット」で炭水化物を摂らない方々が増えています。ですが米は毎日の身体のエネルギー源としても良質ですし、長期備蓄にも向いた食材です。過去の震災でも、避難所で最初に支給される支援物資の食事は米を炊いて作られた「おにぎり」でした。

そんな今だからこそ、お米の価値とご飯を食べる機会・そして炊飯方法を見直してみてもいいのではないでしょうか。次に震災が発生したとき、避難所でオニギリ1個を受け取るために1時間2時間と行列に並ぶことになるのか、それともしっかり準備をして在宅避難で温かい炊きたてご飯を食べられることになるのか。「備災」とはそういう点も考えるということですね。備えあれば憂い無しです。

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