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【備災メシ】赤貝缶と乾燥野菜のポンかす丼

山めし・キャンプめしでは定番の「ポンかす丼」。メチャウマレシピですが、揚げ炭水化物・オン・ザ・炭水化物と栄養面でのバランスが気になるところ。備災メシ・アレンジとして、タンパク質と繊維質を加えてみました。

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地域によって「天かす」「揚げ玉」と呼び名は異なりますが、天ぷらを揚げた際に出来る「揚げかす」と桜エビ・刻みネギをご飯に載せ、その上からポン酢を回しかければ出来上がりの簡単ごはんが「ポンかす丼」。ポン酢の「ポン」と天かすの「かす」が名前の由来です。アウトドア派ならご存知であろう信濃川日出雄さんの漫画「山と食欲と私」(新潮社)でも紹介されていましたね。

すでにご存知の皆さんも多く味わい深いB級系の旨味レシピですが、炭水化物であるご飯の上に炭水化物を揚げた「天かす(揚げ玉)」を載せるのでそのままではバランス的に微妙です。今回はアレンジの1つとして味付け赤貝の缶詰と乾燥野菜でバランス調整をし、ポン酢の代わりに「おろし玉ねぎドレッシング」で仕上げます。

使用する調理道具

・「メスティン(炊き込み2人前用)」
・「esbit ポケットストーブ」
・固形燃料1個

材料(2人分)

・無洗米(1合:160g)
・水(220ml:炊飯用)
・天かす(お好みの量)
・桜エビ(乾燥小エビ:適量)
・味付け赤貝の缶詰1個
・乾燥野菜(青菜類と刻みネギ類を適量)
・おろし玉ねぎドレッシング(酸味のあるドレッシングならどれでも)
・おろしショウガ(チューブショウガ等で可)

備災メシ』とは、アウトドア料理や山メシのレシピを参考に被災時の生活環境を意識して、基本的に生鮮食品を使わず長期間の保存・備蓄が可能な食材を主な材料として作る、極力簡単で美味しい食事のことである。

材料です。ここにおろしショウガが加わります。一般的な「ポンかす丼」に比べたら豪華バージョン。

どこでも手に入る味付赤貝の缶詰。汁ごと使います。

ポンかす丼の主役の片翼を担う、天かす(揚げ玉)と桜エビ(小エビ)。もちろん保存の効く乾物です。

被災時の栄養面も考えたい備災メシとしては、なるべく野菜類も摂りたいところ。乾燥野菜の出番です。今回メインは「大根菜」。味付けはポン酢の代わりに「おろし玉ねぎドレッシング」。天かすを使うのでノンオイル版がいいでしょう。

では、いつもどおりの炊飯準備です。クッカーに無洗米を1合160g、水を220ml程度入れて最低30分吸水させます。

乾燥野菜を入れて炊き込むので、水加減はいつもの1合どおり。メスティンならこの2つのリベット下まで。

次に赤貝缶の身を汁ごと入れます。炊き込むため身が縮むので、仕上げの見栄えを気にするなら少量を飾り用に残しておいてもいいでしょう。

乾燥野菜を入れます。このレシピでは10g程度入れました。吸水して増えますので入れ過ぎない程度に。

味付け赤貝や魚の蒲焼き系の缶詰と相性の良いのが、おろしショウガ。チューブショウガでも十分。オススメはいつもの「桃屋のきざみしょうが」。いわゆる缶詰くささを和らげてくれます。

小さじ山盛り2杯程度入れます。このあたりはお好みですが、仕上げに天かすや桜エビが載るため、多めがオススメ。

では、いつもどおり炊いていきます。esbitポケットストーブに固形燃料1個です。吹きこぼれ対策としてステンレスのバットなどを敷くと後始末も楽です。

固形燃料の火が消えたら蒸らし準備。メスティンごとタオルで包んで。。。

保温バッグに入れて15分蒸らします。実際の所、クッカー炊飯の蒸らし工程ではここまでせず、火が消えたらそのまま15分置いただけでも美味しくご飯をいただくことができます。

炊きあがりです。たっぷりの大根菜の間から赤貝が顔を出しています。さて、「ポンかす丼」として仕上げていきます。

まずは炊き上がった乾燥野菜と赤貝を軽く混ぜ込みます。

混ぜ込んだら、ご飯の上に好みの量の「天かす」と「桜エビ(小エビ)」を載せ、乾燥わけぎを振ります。

炊き込み前に少量の赤貝を残してあれば、それをトッピングします。

最後に、おろし玉ねぎドレッシングを掛けて完成。ポン酢だと掛けすぎたりしますが、ドレッシングならトロミがあるぶん好みの量を調整しやすいです。この手のポーションタイプなら扱いやすさも◎。

「赤貝缶と乾燥野菜のポンかす丼」、完成。ちょっとした天丼風の味わい、天かすのサクサクした食感もいい感じです。山めしのお供に赤貝缶と乾燥野菜を持っていけば、同じように楽しめます。

まとめ

赤貝(缶詰の場合は「さるぼう貝」)だけでなく、他の惣菜系の缶詰を使えば様々な味のレパートリーが楽しめますよ。ドレッシングの種類を変えて見るのもオススメです。天かすを事前にドレッシングと和えておいても美味しいです。
備蓄食材のローテーション消費用にも最適なごはんレシピ。備災メシではなく普段メシとして作るなら、野菜類は生鮮品を使うといいでしょう。

ポンかす丼のルーツを色々と辿ってみましたが、「天かす丼」「揚げ玉丼」「たぬき丼」などでしょうか。その作り方については諸説ありますが、天かす丼・揚げ玉丼は、仕上げに溶き玉子でとじるタイプ。京都の割烹料理店「河しげ」さんでは、天ぷらをたくさん揚げたときの賄い料理として出しているそうです。

「たぬき丼」は、丼飯に天かすを載せ天つゆを掛けたもの。その発祥については東京の早稲田大学の近くにあるお弁当屋さんであるとか上野界隈の蕎麦屋さんなどいくつかあるようです。もっとも東京の「たぬき丼」も、そもそも天かす玉子とじ形式という話しもあります。

余談ですが、麺類で「たぬき」と言えば「たぬきそば」。関東では天かすを載せた温かいお蕎麦ですが、関西(大阪)で「たぬきそば」と言えば甘辛く煮付けた油揚げを載せたお蕎麦。関東での「きつねそば」が大阪での「たぬきそば」という事ですね。そして大阪では「たぬきうどん」そのものが無いと聞きますが、京都には「たぬきうどん」があって、それは刻んだ油揚げを載せたあんかけ形式だとか。

同じだと思ったメニューでも地域によって味付けや調理方法が異なったりするので、食文化の違いとしても興味深くそのレシピの生い立ちなどを調べてみるのも面白いものです。

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