東京防災とは?
「東京防災(公式サイト)」は、東京都(東京都総務局総合防災部防災管理課)が、2015年9月に東京都内の全世帯に冊子として配布した防災用のハンドブックです。総ページ数は340P、テーマとしては今後の発生が想定される首都直下型地震や南関東直下型地震(wikipedia)に対する「備災と対策」ですが、当然ながら同様に発生が想定されている南海トラフ巨大地震や東海地震などへの備えとしても十分に役に立つものです。
都民の皆さんはすでにお持ちかと思います。ペーパーメディアとしての東京防災は140円で販売されていますが、電子書籍版(公式サイト)であれば無料です。他道府県民の皆さんには、こちらの電子書籍版がオススメ。ぜひ、今すぐスマホに入れてしまいましょう。無料のamazon kindle版ならこちらから。
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また、東京防災の多言語版(英語版・中国語版・韓国語版)も用意されています。他言語版については、こちらから。
英語版のみ、冊子が用意されています。詳しくは上記リンク先から。お知り合いに外国人がいらっしゃる場合に、この多言語版を紹介してあげてください。
「非常用持ち出し袋」は、避難時の初動対応の必需品。配置場所については、各家庭で最適な場所を検討しましょう。過去の震災では家屋1階が全壊して潰れてしまったために、せっかくの準備品を取り出せなかったという例もあったようです。
市販の非常用持ち出し袋のレビューに関しては、こちらの記事「【特集】市販の非常用持出袋(防災セット)の徹底レビュー!」を併せてご覧ください。
通常、行政が発行する無料のガイドブック類の多くは、読みにくかったり形式的で堅苦しかったり論文調で理解しづらかったりするものですが、この「東京防災」に関してはおそらく企画段階から「多岐にわたる情報をなるべく噛み砕いて整理して、多くの人々に解りやすく伝えよう」という思想が貫かれていたのではないかと思えるほど、極めて完成度の高いガイドブックに仕上がっています。添付の漫画作品の配置の仕方を見ても、よく考えられていることがわかります。
本書からの引用でP.6に「東京には、さまざまな災害リスクが潜んでいます。東京の多様な地域特性、都市構造、都民のライフスタイルなどを考慮してつくられた、完全東京仕様の防災ブック。それが『東京防災』です」とあります。これは東京に限らず、すべての地域で共有できるものです。
この日本に住む私たちは、熊本地震・東日本大震災・新潟県中越地震・阪神淡路大震と、ここ20数年の間に記憶に残る大地震を何度も目にしてきました。そしてこれからまだ、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震などの発生が予測される状況で生活をしていかなければなりません。
長らく防災という言葉が使われて来ましたが、自然災害を防ぐことはできません。だからこそ近年言われているのが「備災」と「減災」なのです。災害に備える、発生した災害被害を減らす。そのために必要なのが、私たち個人レベルでの備えです。被災時を乗り切るにせよ助け合うにせよ、やはり「備え」が無ければ厳しいものです。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とならないためにも、この「東京防災」を日本に住むすべての人々が手元に置いて備災・減災への理解と備えを深められることを期待します。