トップ レビュー 夏〜初秋キャンプで悩ましい「虫と結露」を徹底対策!

夏〜初秋キャンプで悩ましい「虫と結露」を徹底対策!

夏から初秋にかけてのキャンプで悩ましいのが「飛ぶ虫と結露」。雰囲気抜群の場所ほど、暑い夏場はアブやブヨや蚊が飛び交い、秋口にはスズメバチが攻撃的に。そして高湿度な夏は、起床時のテントの内側には滴り落ちるほどの結露。これらを一気に対策できる方法をご紹介!

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※冬の結露対策に関する記事はこちら!

本記事は「夏〜秋キャンプにおいて悩ましい、アブ・ブヨ・蚊などの飛ぶ虫による不快感や被害と、夏〜秋のテント内の結露をどこまで軽減できるかの努力」に主眼を置いており、「飛ぶ虫による被害や結露を完全にゼロにする」ことを保証するものではありません。また、記載内容と同じ方法を使ったとしても、設営状況や気象条件などにより同じ結果が出るとは限りません。予めご了承いただいた上で、以降をご覧ください。

夏〜初秋のキャンプは「アブ・ブヨ・蚊・結露」の地獄!

夏と言ったら海に山にキャンプやバーベキューという皆さんも多いでしょう。青い空に白い入道雲、セミが鳴く中、なるべく早い時間に設営を終えて、夕暮れにヒグラシの声を聴きながらウッドストーブを囲む。

クーラーボックスからキンキンに冷えたビールを取り出したり、スキットルに入れてきたお酒で一杯やるのも、夏キャンプの楽しみの1つです。

そんな最高の夏キャンプに忍び寄る「2大リスク」と言えば、アブ・ブヨ・蚊などの夏の飛ぶ虫と、テント内の結露。

ブッシュクラフト愛好系の男性陣であれば虫や結露は気にしないかもしれませんが、ファミキャンなどの女性陣や小さなお子さんが参加するキャンプの場合、これは何とかしたいものです。

夏の朝夕は吸血ブヨの宴

夏の飛ぶ虫で特に気をつけたいのがブヨ。吸血性のブヨは涼しい朝夕の時間帯に活動し、いつ刺されたのか気が付かないことが多いものです。

最近では、ディートなどの有効成分を高濃度で配合した虫除けスプレーなどを利用したり、定番のハッカ油スプレーを使ったりパワー森林香などを焚きまくる方も多いでしょう。パワー森林香は編集部スタッフも愛用しています。

しかし高速で飛び回るアブやブヨの場合、虫よけグッズをなかなか効果的に活用できないことも多いもの。対策していても、刺されてしまった経験をお持ちのかたも多いでしょう。刺された後は比較的長期に渡って痒みと赤い傷跡が残り、体質によってはケロイド様の水疱状態になったりします。

ベンチレーション全開にしたはずなのに、朝にはテント内に結露が...

そしてもう1つ悩ましいのがテント内の結露。結露は気温の高低の境界で発生します。夏の暑い日に、キンキンに冷えたビールが入ったジョッキの表面に付く水滴が結露ですね。

夏の夜の宴を楽しんだ余韻の中でシュラフに潜り込んだはいいのですが、ベンチレーションを確保したはずのテント内で朝方に顔に水滴が垂れて目が覚める・・・気がつけばテントの内壁が結露でビッショリ!

シュラフや着替えなどが結露で濡れてしまうと、せっかくのキャンプの楽しいテンションもダダさがりです。

冬キャンプの大敵でもある結露ですが、日本は四季があり高温多湿な地域が多いので夏キャンプでも悩ましいのも結露。そして冬の結露と夏の結露では対策方法が異なってきます

冬は空気が乾燥しているため、湿度が20%を下回り乾燥注意報が発令されるような日もあるので、キャンプでテント内の結露の原因となるのは人間の呼吸と調理時の水蒸気。

しかし夏は外気自体の湿度がそもそも高いもの。6〜9月あたりは都市部でも連日、湿度が70%を超えることがあります。

キャンプ場があるような森林地帯などの自然豊富な場所ともなれば霧や朝モヤなども発生、それこそ野外全体が蒸し風呂のような環境となります。さらには、そういった場所では夜間〜明け方には外気温がかなり下がります。

そうなると夏キャンプでの就寝中は、人間の呼吸 + そもそも存在する湿気でテント内は暖かく湿度が上がり、なおかつ夜間〜朝方の外気温の下降でテント生地の内外で気温差が生じるので、当然ながらテントの生地の内側でも結露が発生してしまいます。

アブやブヨは避けたいし、テント内の結露も困る!

・・・お気持ちは痛いほどわかります。編集部スタッフも、夏キャンプのたびに様々な虫対策と結露対策を試してきました。どちらか一方ではない、両立できる解決策を。

そして、「編集部なりにたどり着いた答え」があります。その答えとなる、蚊・アブ・ブヨなどのウザイ虫をシャットアウト、テント内も結露無しの対策方法がこちら!

「テント in タープ」!
(小型テント in メッシュ・タープ)

別名「カンガルースタイル」とも呼ばれ、すでに実践されているキャンパーの皆さんも多いかと思います。

上記写真はアブ・ブヨなどを対策するフルメッシュ・タープに、3人用ドーム型テントをイン。

【対策方法】
メッシュ構造のタープやシェルター内にテントを入れる「テント in タープ」
就寝時はメッシュのインナーテントのみを使う(フライを使う場合はインナーのメッシュを大きめに露出)
タープは結露や夜露の犠牲、撤収までに乾燥が間に合わなければドライバッグへ

【必要な装備】
・フルクローズできるメッシュ構造の大きめのタープ
・インナーにメッシュ構造があるテント(またはポリコットン製テント)
・ドライバッグ(結露の犠牲にしたタープの収納用)

上記写真は虫対策無し・結露対策のみの「テント in タープ」。意外とこれだけでも結露はかなり違います。

基本構造は「テント in タープ(シェルター)」で、メッシュ構造でフルクローズできるタープであることが前提です。飛ぶ虫は、これで大半を防ぐことができます。

そして夏のテント内の結露は、タープ下にテントを入れてしまうことでおおむね回避できます。夜間〜朝方は気温が下がりますが、多少の防寒対策をしてメッシュ構造のあるインナーテントのみで就寝すれば(要は蚊帳ですね)テント内に結露はまず発生しません。

結露が発生するとしたらタープの内側です。また、夜露・朝露が降りてもタープの外側で、「テント in タープ」ならテントは濡れずに済みます。この陣形でもリビング空間は確保したいので、設営対象サイト内に収まる範囲でできるかぎり大きめのメッシュ構造タープを選ぶ必要があります。

撤収までにタープが完全に乾燥しきれないことも最初から想定内として、ドライバッグに入れて持ち帰るつもりでいれば、濡れるものはタープのみで済みます。

よって、タープはポールと一体化していないもの・ポールをすべて取り外せるものを使います。ワンタッチ型のタープなどの場合は、乾燥しきってから収納しないと撤収がツライことになります。

「テント in タープ」でフライシートを使う場合は、フライのベンチレーションは必ず全開放

タープ内に入れるテントは必ずメッシュ構造のものを。シングルウォールの場合はこれでも結露する可能性が高いです。

なお、この陣形でのもう1つのメリットは、雨キャンプにも対応可能という点。多少の雨ならタープのメッシュが吹き込みも防いでくれるため、タープの下では濡れないリビングと寝室が実現できます。雨でも快適なキャンプが可能になるわけです。

ただし台風や強風を伴う雨の場合は、無理をせずに安全第一で撤収を検討しましょう。タープやテントの破損やポールの折れ曲がり、抜けてしまったペグが飛んだりして危険です。

おすすめのメッシュ構造タープ

編集部スタッフがイチ押しのメッシュ構造タープは、NEMOの「Bugout」です。名前のとおり、虫をシャットアウトするタープ。

基本形状は菱形のウイングタープとなっており、メッシュ部分はタープの外周部分に巻き上げて収納、メッシュを降ろさなければ普通にオープンタープとして利用できます。

メッシュ自体も、4面構造のイチ部分だけを開けたりと柔軟な「メッシュ・ワーク」が可能です。

一般的なウイングタープと同じ設営方法で周囲をフルメッシュにでき、なおかつサイドポールを利用すればさらに広い空間となります。

ちなみに、写真でBugoutに入れているテントは「MSR Elixir 3」。3人用ですが、デュオならゆったり。コットも2つ入れることができます。

「テント in タープ」でのファミキャン用途なら、選ぶべきサイズは 12×12 。Bugoutには9×9サイズもありますが、快適なリビング空間を確保した状態でテントinするにはこちらだとソロかデュオまで。荷物が多い場合は、デュオでも 12×12 を選んだほうがいいでしょう。

なおサイズの単位は「フィート(ft)」です。これをメートル換算すると、

NEMO Bugout サイズ情報(ft → m)
3.657m x 3.657m = 13.37㎡
2.743m x 2.743m = 7.5㎡

 

となります。編集部では 12×12 と 9×9 を実際に導入していますが、12×12 はかなり広く、飛ぶ虫の侵入する心配の無い快適空間となります。

こちらは「12 x 12」サイズ。3人用までのドームテントを入れても、レイアウトを工夫すれば棚・チェア3〜4つ・テーブル2つが収まります。

こちらは編集部で実際に使用している「9x9」サイズ。

「テント in タープ」に使うならソロ〜2人用の小さめサイズのテントで。装備は極力コンパクトにすることがオススメです。

それ、2ルームテントでいいのでは...?

お気づきの方も多いと思いますが、「これって、2ルームテントを使えばいいのでは?」という点で疑問が残りますよね。

当然ながら、編集部でも2ルームテントでの検証はおこないました。具体的には、「Coleman アテナ スクリーン2ルーム ハウス」を使っています。

結果的には、

① リビングとインナーテントそれぞれにメッシュ構造はあるものの、メッシュだけの全開では夏の昼間は暑い
② リビングの暑さをしのぐためにメッシュだけでない部分をオープンにせざるをえず、アブやブヨの侵入を許す
③ 幕体そのものが大きく重量があるため、スクリーンタープに該当する部分の結露(や雨)が乾燥しきらない場合は撤収時にいろいろツラい

という3点から、改善を検討した結果が今回の記事の内容というわけです。

居住性も高くオールマイティに使える2ルームテントですが、夏を中心とした暑く湿度の高い季節にアブ・ブヨなどの飛ぶ虫と結露の両方を対策しようとすると、高い快適性を担保するのがなかなか難しいと感じました。

装備としては NEMO の Bugout を使うに至りましたが、基本形状がオープンタープで必要に応じて四方をフルメッシュで囲めるという仕様は、涼しさは確保しながら不快な飛ぶ虫の大半をシャットアウトでき、多少の雨にも問題の無いリビングを作ることができます。

撤収時もさほどかさ張らないサイズと重量であるため、多少濡れたり湿っている場合はドライバッグ(無ければ大きめのゴミ袋)に突っ込んで終わりです。帰宅後の乾燥も、ほかもオープンタープと同程度の手間で済みます。

やはり「蚊帳」の構造は極めて機能的で効果的であるということを実感しています。

まとめ

アブ・ブヨ・蚊などの夏の飛ぶ虫の対策と言えば、つい虫除けスプレーや虫除け線香のたぐいに注目しがちですし、テント内の結露に関しても「発生して当然だから拭き取りと乾燥で対処」が王道です。

しかし、キャンプは撤収・帰宅して後片付けが終わるまでがキャンプというもの。虫と結露を一気に対策して、撤収・帰宅後の片付けまでをできるかぎり楽にできれば、疲れも最小限にできるというものです。

編集部の男性スタッフは「気に入った装備ならなんでもいいだろう」というノリですが、女性陣にとってはそうもいかない、という要素も無視できません。

キャンプは不便を楽しむもの、手持ちの装備で創意工夫して過ごすことももちろん楽しいものですが、快適なキャンプを充実した装備で楽しむのもいいと思います。

「テント in タープ」に適した高評価タープ・シェルター

その他、「テント in タープ」に向いており評判の良いタープやシェルターは、こちらです。

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