2018年版「全国地震動予測地図」公表
政府の地震調査委員会は2018年6月26日、今後30年以内に震度6弱以上の大地震の発生・遭遇確率を示す「全国地震動予測地図」の2018年版を公表しました。
今回の予測地図では、北海道東側の千島海溝での発生が想定されている地震の規模と確率を見直した結果、根室市や釧路市など北海道東部の地震発生確率が大幅に上昇しています。
北海道根室沖でM8前後の巨大地震が30年以内に起きる確率:80%程度
南海トラフ沿いでM8~9級地震が起きる確率:70~80%
全国トップ3は
・千葉市:85%
・横浜市:82%
・水戸市:81%
となり、いずれも首都圏に集中して高い確率となっています。
この中で、編集部として着目しているのが千葉です。
ページTOP画像出典:NIED・防災科学技術研究所:J-SHIS Map
増加する千葉周辺の地震と、房総沖で発見された超巨大断層帯
これは、2018年6月に千葉県南部と千葉県東方沖で発生した地震です。震度2以下の体感しづらいものも含めると、非常に多いことが判ります。震度3〜4の規模の地震も複数回発生しています。
改めて知っておきたいのは、房総沖にある3つのプレートが重なり合うという異常な場所の存在です。
北米プレート・太平洋プレート・フィリピン海プレートの3つが接しており、それぞれプレートは動き続けています。
特筆すべきは、房総沖にこれまで存在が知られていなかった長大な2つの活断層が存在することが2012年ごろに判明しました。
房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、それぞれ160kmと300kmという巨大な活断層が発見されています。
これら2つが同時かつ断層全体が動いが場合、M8〜9クラスの巨大地震が発生することが想定されており、発生した津波が東北〜関東〜東海一帯に影響を与える可能性があります。
この房総沖の巨大活断層は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近にあると見られ、フィリピン海プレートはご存知の通り南海トラフに接しています。連動することも考えられるでしょう。
大震災多発時代をどう生きるか
東日本大震災は1000年に1度の大地震と言われますが、現代に生きる私たちは阪神淡路大震災からいくつの大地震を経験してきたことでしょうか。
そのたびに多くの方々が傷つき、命を落とされています。阪神淡路大震災から考えても、数年に1度の頻度で国内のどこかで大きな被害を出す地震が発生しています。
「全国地震動予測地図」を見ると日本海側などでは発生確率が低い状況となっていますが、思い返してみてください。2016年の熊本地震が起きるまで、九州は地震安全地帯だと言われてきました。
2018年4月には震度5強を記録した島根県西部地震が発生しています。2018年6月には、大阪北部地震が発生しましたが、この地震の震源付近にある活断層での大きな地震の発生確率はほぼ0%でした。
東日本大震災以降、地震活動期に入ったと言われる日本列島。近年はさらに火山活動までもが活発化しています。
地震大国に住む以上、この先の大震災も必ずやってきます。「いつ、どこで起きるか」ではなく「起きたときに備えがあるか」という「備災意識」が重要です。
大阪北部地震では、地震発生直後には店頭から水や食料、消耗品などが一気に買われて姿を消しました。起きてからでは遅いのです。何もない平時にこそ、必要なものを揃えておきましょう。