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キャンプや災害時に有益な「ポータブル電源」を備えよう!

近年は大地震だけでなく、豪雨や台風による大きな被害も増えてきました。そのつど停電も起きることが多いわけですが、スマホなどの電力が無いと使えない道具に慣れきった現代人の生活。停電時に備える道具として有益なのは、家電も動かせる「ポータブル電源」です。

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スマホに慣れきった生活。このあと数日間、停電するとしたら耐えられますか?

現代に生きる私たちの生活に不可欠となったのが「スマホ(スマートフォン)」です。アドレス帳、メッセージの送信、SNS、ネット検索、目的地までのルートを調べナビゲーションしたり、明日の朝食のレシピを調べたり、今夜の飲み会で使うお店を調べて予約したり。

そんなスマホを使うためには充電しなければなりません。充電するためには、充電器が必要ですよね。充電器を使うためには、そもそも「電力」が必要です。

しかし大震災が起きたり豪雨や台風による被害が起きると、場合によっては停電となります。しかも停電が数日間も続く可能性があり、電力の確保は、文字通りのライフラインとなります。

2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震、近年の豪雨被害ではTwitterなどのSNSで救出要請などがおこなわれ、大きな災害時においても意外とインターネットは活きていて、有力なコミュニケーション手段として活用できる場面を多々見かけるようになりました。

しかしSNSを使うための主要なツールとなるスマホも、バッテリーが底をつき充電手段が無い場合は、無用の長物と化します。

さらに猛暑の真夏に停電が起きた場合、あなたならどうしますか?

猛暑・酷暑の真夏に数日間の停電!どう対策すべきか?

春・秋や冬であれば、被災しても様々な観点から対応策が講じやすい場面はあるものですが、猛暑・酷暑の真夏の被災による停電ともなれば話は別です。

過去の真夏の大規模停電として特筆すべき事例があります。

1987年7月23日 首都圏大停電
2006年8月14日 首都圏停電

特に前者は、真夏の電力需要の増大による基幹系変電所が停電したことで、配下の変電所まで停電することになった事例です。(ITOITO-STYLEのfacebookページにて噛み砕いた説明を記載しています)

真夏の高温多湿の気象状況下で停電・断水などの社会インフラが停止した場合、食品や生鮮品などの腐敗による衛生環境の悪化はもちろん、熱中症による健康を損なったり、状況によっては死亡に至る可能性もあります。

ともあれ真夏の被災時や野外活動において「涼を得る」ことの重要性を否定する人はいないでしょう。

数日間の停電→電力が使えないキャンプと同じ

キャンプを嗜む人であれば、「猛暑の真夏に電力の使えない生活」には慣れているもの。電力どころか、水道や都市ガスの無い状況で数泊することもザラです。

ITOITO-STYLEで提唱している「災害時に頼れるのはアウトドアギア」というコンセプトは、まさにこの点にあります。

キャンプでは基本的に、都市生活に必要な電力・都市ガス・水道設備といったものを使わない前提にあります。近年は「高規格キャンプ場」として、それらが整っているものに人気が集まりがちですが、備災・防災の観点から見た場合、昔ながらのキャンプ・スタイルには災害時を生き抜くノウハウが詰まっています。

ただし、大規模災害時にはやはり通信手段は確保しておきたいもの。その通信手段には、電力供給は不可欠です。

ポータブル電源を備えよう!

そこで、最近注目度が高いのがAC電源を確保できる「ポータブル電源」です。

いわゆる「モバイルバッテリー」とは異なり、ある程度の家電製品を動かすことができる電力量を備えているので、キャンプはもちろん、災害時に停電した場合でも、使い方次第では1〜3日程度であればAC電力を使うことができます。

編集部でも、災害に備えることと併せてキャンプで活用するために、実際にポータブル電源を導入して活用しています。

今回は特に、真夏のキャンプや災害時の停電を想定して、ポータブル電源を使って「家電のサーキュレーター」をどの程度動かすことができるのかを検証してみました。

家電のサーキュレーターはどのくらいの時間、使えるのか?

今回の検証に使ったのは、「ANKER社 PowerHouse (434Wh/120,600mAh ポータブル電源)」です。

434Wh・12万mAhという大容量で、購入ユーザー層も災害想定であったり屋外活動における家電使用や大容量充電手段の確保を目的とする人たちが多いモデル。

今回は、「真夏の被災時」または「真夏のキャンプ」で涼を得るために、家電のサーキュレーターを回してどの程度の時間、電力が供給できるのかを検証してみました。

ポータブル電源を使った際の、家電サーキュレーター使用可能時間

前提として、ポータブル電源は家庭用のエアコンを動かすレベルの電力は備えていません。AC電源が使えると言っても電力容量には限界があり、製品によっては一度に利用可能な電力に制限もあります。

真夏の被災時やキャンプでポータブル電源を活用する場合の現実的な選択肢は、「サーキュレーター(扇風機)」の利用です。

検証に使ったサーキュレーターの消費電力は、

◆首振り固定時
50Hz:弱=18W, 中=27W, 強=33W
60Hz:弱=15W, 中=23W, 強=29W

◆左右首振り時
50Hz:弱=20W, 中=29W, 強=35W
60Hz:弱=17W, 中=25W, 強=31W

というものです。
東日本は50Hz、西日本は60Hzとなります。

今回の検証では、東日本圏での使用・基本的に首振り機能は活用し、

① 弱 = 20W
② 中 = 29W

のモードで使用してみました。

検証結果

サーキュレーターの首振り機能は活用 する前提で、

① 弱 = 20W
② 中 = 29W

ポータブル電源使用時のそれぞれの消費電力を、実際に調べてみました。

結果、

① 弱 = 20W:1時間40分〜1時間45分ごとに、ポータブル電源の10%を消費
② 中 = 29W:1時間20分〜1時間30分ごとに、ポータブル電源の10%を消費

というものになりました。

簡単に言うと、サーキュレーターをポータブル電源で使った場合、

① 弱 = 20Wなら、約16時間
② 中 = 29Wなら、約15時間

連続稼働できる、ということです。

猛暑であれば、日中のみ「弱」で8時間づつ動かして丸2日、稼働できる計算ですね。

使いたい家電製品の電力消費量によって、このあたりはかなり変わってきますが、一般的なサーキュレーターを使う場合は上記データが1つの目安となります。

小型でポータブルな扇風機なら、もっと長時間涼しい?

夏場の家電量販店やホームセンターなどでも見かける、こうした小型で電池でも動作する扇風機も人気があります。AC100Vで動かす必要があるサーキュレーターと比べてどうでしょうか?

電池やUSB電源およびACアダプターで動かすことができますが、電池使用時でも最長40〜50時間利用可能という仕様です。

ただ消費電力が少ない分、風量は家電サーキュレーターに比べれば圧倒的に大人しいレベル。最適な利用シーンとしては、キャンプでの就寝時にテント内の空気を結露対策目的で動かす場合や、人間1人に対して近接距離から風を当てる場合に限ります。

また、ACアダプター利用時に比べて電池駆動時は風量が抑えられるので、そのあたりを理解した上で使いましょう。電池で動かせる点では、夏のキャンプ時だけでなく、冬キャンプでの結露対策の空気循環にもかなり有効ではあります。

まとめ

真夏に災害に遭って暑さのあまり生活に不自由するのも耐え難いものがありますが、真冬の被災時も寒さのあまりに不自由する場面が出るのはご存知のことでしょう。

どちらのケースにおいても、大容量のポータブル電源を備えておけば、使用頻度に応じて1〜3日間程度は最低限の快適さは担保できます。

財政力に余裕があれば、より大容量のポータブル電源を2セット程度、備えておくのもいいかもしれません。

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