2020/02/24:青森,岩手,長野,千葉,トカラ列島,父島近海で相次ぐ地震
2020/02/24は青森,岩手,長野,千葉,トカラ列島,父島近海などで小規模な地震が相次ぎました。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)
【青森県東方沖】
2020/02/24 18:36頃, 震度1, M3.3, 深さ70km, 北緯:41.5, 東経:142.1
【父島近海】
2020/02/24 15:29頃, 震度1, M3.9, 深さ20km, 北緯:27.3, 東経:142.5
【岩手県沖】
2020/02/24 07:29頃, 震度1, M3.8, 深さ50km, 北緯:39.3, 東経:142.4
【津軽海峡】
2020/02/24 06:19頃, 震度2, M3.4, 深さ10km, 北緯:41.6, 東経:140.8
【トカラ列島近海】
2020/02/24 03:56頃, 震度1, M1.6, 深さ10km, 北緯:29.6, 東経:129.7
【トカラ列島近海】
2020/02/24 03:25頃, 震度2, M2.0, 深さ10km, 北緯:29.6, 東経:129.7
【房総半島南方沖】
2020/02/24 02:29頃, 震度1, M4.3, 深さ70km, 北緯:33.9, 東経:140.5
【トカラ列島近海】
2020/02/24 02:16頃, 震度1, M1.7, 深さ10km, 北緯:29.6, 東経:129.7
【長野県北部】
2020/02/24 00:07頃, 震度1, M2.8, 深さ10km, 北緯:36.6, 東経:138.4
青森県東方沖、父島近海、岩手県沖、トカラ列島周辺、長野県北部あたりは比較的に有感地震の発生頻度が高めの震源です。備えをしていれば、いわゆる「通常運転」として見ていい動きでしょう。
やや気になるのは青森県東方沖および津軽海峡を震源とする有感地震。
青森県東方沖を震源とする近年の地震をピックアップしてみると次の通りです。
青森県東方沖での近年の最大震度4以上 | ||
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2019/12/19 15:21頃 | M5.5 | 最大震度5弱 |
2018/07/02 02:27頃 | M4.8 | 最大震度4 |
2018/01/24 19:51頃 | M6.2 | 最大震度4 |
2015/06/23 00:35頃 | M4.4 | 最大震度4 |
2015/06/08 15:01頃 | M5.5 | 最大震度4 |
2014/10/11 11:35頃 | M6.1 | 最大震度4 |
2014/08/10 12:43頃 | M6.1 | 最大震度5弱 |
2013/11/15 11:00頃 | M5.2 | 最大震度4 |
2012/05/24 00:02頃 | M6.0 | 最大震度5強 |
2010/09/13 14:48頃 | M5.7 | 最大震度4 |
2010/01/24 16:19頃 | M4.5 | 最大震度4 |
この10年間でこれだけの大きな地震が起きています。
青森周辺の地震で大きめのものは、2019/12/19の15:21頃に青森県東方沖でM5.5・最大震度5弱の地震が発生しています。
気象庁の発表によれば、これは太平洋プレート内での地震で東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の余震と考えられ、余震自体は収まってきているが周辺での地殻活動はむしろ活発化しているとのことです。
津軽海峡を震源とする有感地震は、2017/12/17 14:17頃に起きた震度2・M2.7のもの以来です。津軽海峡で発生する地震は少なめですが、2008/09/22にM5.1の地震が発生しています。
青森県東方沖及び岩手県沖北部での今後30年内の地震発生確率
政府・地震調査研究推進本部が公開している資料によれば、青森県東方沖及び岩手県沖北部での今後30年内の地震発生確率で注目すべきポイントがあります。
超巨大地震 :M9.0程度 = ほぼ0%(東北地方太平洋沖型)
プレート間巨大地震:M7.9程度 = 5〜30%
ひとまわり小さいプレート間地震:M7.0〜7.5程度 = 90%程度以上
沈み込んだプレート内の地震 :M7.0〜7.5程度 = 60〜70%
M7.0〜7.5程度の「ひとまわり小さいプレート間地震」の発生確率が90%以上となっています。
東北〜関東の日本海溝沿いでは今後30年内にM7〜8クラスの地震が発生する可能性が高いので、備えはしておきましょう。
東日本大震災以降、東北〜関東の日本海溝沿いでは依然として活発な地殻活動が継続中です。しかしデータを見ると、「地震の空白域」とみられる領域がいくつか存在します。東北〜関東であれば仙台や鹿島の陸に近い沖合、房総半島の南東沖など。
また、南海トラフ巨大地震の想定震源域においては、高知の沖合に不自然なほど過去に地震が発生していない領域が存在します(南海トラフ自体は年間6.5cm程度動いているにも関わらず)。
ともあれ、日本には世界に16枚しかないプレートのうち4枚が存在し、その境界において活発な地殻活動が継続している場所に位置しています。そして国内各地で楽しめる温泉や農作物を育む豊かな土壌が形成されたのは、こうした活発な地殻活動に由来する要素でもあります。
日本に住む以上、地震や噴火とは否応なしに付き合わざるを得ない現実を、どう受け止め乗り越えていくのか。大人世代だけでなく、子・孫の世代も含めて大局的に考えて対策を講じていく段階に入っていると言えるでしょう。