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【続報】神奈川で続く異臭騒ぎ、その原因は?

2020年5月あたりから神奈川県内で定期的に「異臭」が発生し、10月12日にはJR横浜駅周辺でも異臭に関する通報が相次ぎました。しかし、10月半ばに至っても原因が特定できない状況が続いています。その原因の可能性は?

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神奈川県内で続発する、原因不明の異臭

2020年5月あたりから神奈川県内で定期的に「異臭」が発生し、10月12日にはJR横浜駅周辺でも異臭に関する通報が相次ぎました。しかし、10月半ばに至っても原因が特定できない状況が続いています。

 

前回の記事

 

ただ、10月12日の異臭に関しては空気の採取と分析ができたようで、翌10月13日に横浜市の会見で

・ガソリンなどの燃料の蒸発ガスに含まれるイソペンタン・ペンタン・ブタンなどを検出
・それらの成分は、通常の大気中と比べて高濃度で存在した
・化学製品などを燃やした際に発生するエチレン・アセチレンなども検出

という情報が公表されました。

 

以下、報道です。







推測できる原因は?

現在、異臭の原因に関して報道だけでなくネット上でも、様々な推測や憶測が飛び交っています。

・断層や海底の動きなどによって、地下から発生したガス。大地震の前兆では?
・臨海部は工業地帯ということもあり、過去に埋設された何らかの物質が漏れ出している?
・横須賀の米軍基地で使用されている燃料が何らかの原因で漏洩・気化して流れ出した?

など。

 

ただ注目すべきは、今回は成分分析が実現したという点です。

・ガソリンなどの燃料の蒸発ガスに含まれるイソペンタン・ペンタン・ブタン
・化学製品などを燃やした際に発生するエチレン・アセチレン

 

こうした成分から編集部が推測した原因の可能性があるのは、

『船舶の排ガス洗浄に使われるスクラバー装置を経た排水に含まれる成分では?』

という点です。
この「スクラバー装置」とは、船舶の排ガスに含まれる人体に有害な硫黄酸化物SOxを取り除く仕組みのことです。

 

こちらの画像は「海上技術安全研究所の「排ガス洗浄に係る国際規格化への取り組み」という論文」に掲載されているスクラバー装置の構成図です。

またこちらの画像は「三菱重工技報 Vol.53 No.2 (2016) 船舶・海洋特集」で紹介されている
「国際海事機関(IMO)による排ガス SOx 規制に対応した船舶用ハイブリッド SOx スクラバーシステムの開発と実船搭載」
という技術論文に掲載されている図です。

特に、湿式スクラバー(オープンループ式)の場合は海水を利用するもので、船舶のエンジンから出た硫黄酸化物SOxを含む排ガスに対して海水を噴射し、不純物処理等をおこなった上で処理水は海に排出される仕組みとなっています。
この処理済の排水は海水に放出しても海洋環境に害は無いとのことです。

 

船舶が浦賀水道を通って東京湾に入ってくる際に、排ガスをスクラバー処理して出た排水が異臭の原因である可能性ではないか・・・と考えたわけです。(もちろん確証も証拠もありませんが)

 

お伝えしたいこととしては、何か気象に関する異常な現象が起きた場合には、安直に「大地震の前兆ではないか?」と考えず、様々な可能性を検討すべきであるということです。

 

これまでの異臭騒ぎだけでなく、地震雲や動物の異常行動なども大地震の前兆と考えてしまいがちですが、大きな地震には常日頃から備えた上で、何かあっても冷静に様々な可能性を考えてみてはいかがでしょうか。

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