ITOITO-STYLE 編集部
【海外】ニュージーランド付近のケルマディック諸島でM7.2(2019/06/16)
2016/06/16はニュージーランド付近のケルマディック諸島でM7.2(国内発表値M7.4)の大きな地震がありました。
トンガ付近でもM6.1が起きています。
環太平洋火山帯の南端にあたるこのあたりは大きな地震が起きる場所でもあり、震源の深さは100kmを超えることが多いのですが今回はおおむね35kmと浅いようです(USGS公表値より)。
ニュージーランド付近は地震の多い場所で、2011/2/22にはカンタベリー地方で地震が発生、クライストチャーチ地震とも言われM6.1規模でしたが185人もの死者を出しています。
その翌月の3/11には日本でも東日本大震災が起きています。
2011年はそれまでの観測史上、ニュージーランドでの地震がもっとも多かった年と言われましたが、その5年後の2016年はさらにニュージーランドでの地震が多い年となっており、M7クラスが2度発生しています。
2016年といえば、日本でも熊本地震が起きた年です。
タイミングとしては、
2016/04/16:熊本地震(M7.0)
2016/09/02:ニュージーランド南島でM7.4
2016/11/13:ニュージーランド北島東方沖でM7.0
という時系列です。
環太平洋火山帯での大きな地震は連動するのではないかとも言われています。
今後、日本周辺でも大きな地震が起きる可能性がありますので、備えのご確認を。
【熊本】阿蘇山で増加する火山性地震・孤立型微動のグラフ(2019/06/15)
2ヶ月ぶりの阿蘇山の動向のグラフ化です(火山性地震・孤立型微動)。
4月にお伝えした際は火山性地震は一応の減少傾向にありましたが、増減を繰り返しながらトータルでは増加傾向です。
阿蘇山に関する気象庁公開データを見ると火山性ガスの放出量を含めて長期的に活発化傾向となっています。
特に、2007年あたりは500㌧/日未満だったものが、2016年10月には最大で15000㌧/日と、およそ30倍です。
東日本大震災以降、日本列島の火山や地震の活動が活発化したとはよく言われますが、阿蘇山では2011年はそれ以前にくらべて微増程度。急激に増えたのは2013年後半以降。
また火山性地震と孤立型微動は2018年に入ってから顕著に増加しているようです。
報道が少なくなると関心も薄れがちですが、特に熊本周辺にお住まいの方々は継続的な警戒を。
【国内】日本全国で相次ぐM4クラスの地震(2019/6/9〜6/11)
2019/6/9〜6/11にかけて、日本全国でM4クラスの地震が相次いでいます。
2019/6/1から数えるとM4クラスは合計13回。それ以下の有感地震も全国で多く発生しています。
M4以上の地震が相次ぐのはちょっと珍しい印象はあり、6/1からのものを列挙すると下記の通りです。
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2019/06/11 10:59, 千葉県北西部, 震度2, M4.2, 深さ60km
2019/06/11 10:21, 宮城県沖, 震度3, M4.4, 深さ60km
2019/06/11 02:19, 北海道東方沖, 震度2, M4.6, 深さ40km
2019/06/11 00:25, 静岡県中部, 震度2, M4.0, 深さ30km
2019/06/10 22:12, 宮城県沖, 震度2,...
【千葉・茨城】茨城県南部で最大震度3・M4.0の地震(2019/06/08)
2019/6/8は茨城県南部で最大震度3・M4.0の地震がありました。
6/7に茨城県沖でM3.9、6/6にも茨城県南部でM3.8が起きており、5月下旬あたりから茨城・千葉あたりでのM3以上の規模の有感地震が続発しています。
6/8の震源域は中央構造線と柏崎・千葉構造線が交差する領域に近く、5月下旬〜6月頭の千葉での地震は同構造線の東端に近い位置です。
6/7の茨城沖での地震は、中央構造線が太平洋へ抜けるあたりに合致します。
特に茨城県沖・茨城県南部ともに地震の頻発地帯ではあるので、ある意味で「いつもどおり」の地震が起きているだけとは思いますし群発地震とも言えませんが、これがより大きな地震につながる可能性はゼロではありません。今後の情報に注意しつつ「備え」のご確認を。
『備えた上で何も起きない』ことが何よりです。
ちょうど週末ということもあり、編集部スタッフも備蓄品の消費期限チェックとローテーション消費したぶんの補充をおこないました。
【茨城】茨城県南部で最大震度3・M3.8の地震(2019/06/06)
2019/6/6は茨城県南部で最大震度3・M3.8の地震がありました。ちょうど中央構造線に沿った位置が震源です。
5月下旬あたりから中央構造線と相模トラフに挟まれた領域での有感地震が目立ちます。
5/25には千葉県南部で最大震度5弱・M5.1が起きたばかりです。
茨城県南部は例年、地震は多い震源エリアではあります。
近年の地震で特に最大震度5弱以上のものを見てみると次のようになります。
2016/05/16 21:23, 茨城県南部, 震度5弱, M5.5
2014/09/16 12:28, 茨城県南部, 震度5弱, M5.6
2013/11/10 07:37, 茨城県南部, 震度5弱, M5.5
2011/07/15 21:01, 茨城県南部, 震度5弱, M5.5
2011/04/02 16:56, 茨城県南部, 震度5弱, M5.0
2011/03/24 08:56, 茨城県南部, 震度5弱,...
【東京】鳥島近海で最大震度4、M6.1の地震(2019/06/04)
2019/6/4は鳥島近海で最大震度4、M6.1の地震がありました。
震源の深さは440km、フィリピン海プレート内での深発地震です。
このあたりで発生する地震は深く規模が大きなものが多く、鳥島近海では2012/01にM7.0、近辺では小笠原諸島西方沖で2015/05にM8.5という大規模なものが深さ590kmで起きています。
深発地震は震源の深さが深い地震ですが明確な定義はなく、200km以深で発生する地震を深発地震と言っています。
また深さ約670km以深ではほとんど発生しないとされていますが、小笠原海溝やトンガ海溝など一部の地域では、これを上回る深さの深発地震も少数ながら発生しています。
緊急地震速報は2006年から震源の深さが150kmより深いと推定された地震について、震度の予測が難しいため震度を発表しないことになっています。
ただ、深発地震で日本で被害が出た例では、2014/05の伊豆大島近海地震(深さ約162km、M6.0)があり、緊急地震速報の対象とならない150km以深でしたが東京都で最大震度5弱の地震を観測。
前述の小笠原諸島西方沖における2015/05のM8.5では、関東地方を中心に停電、エレベーターの緊急停止による高層難民、交通機関のマヒなどの大きな影響が出ました。
この時、東京の六本木ヒルズは「円描くよう」に揺れたとのこと。
【東京・千葉】東京湾でM3.4、関東大震災震源域で複数の地震(2019/06/02)
2019年5月下旬から関東地方を中心に有感地震が複数起きていますが、6/2の千葉県寄りの東京湾で発生した小規模な地震は震源としては半年ぶり、かつての関東大震災(1923)と元禄関東地震(1703)の震源域に重なります。
相模トラフ付近で派生する地震の発生間隔については複数の説があり、元禄型は相模トラフ沿いの相模湾から外房を震源域として再来間隔は1000〜1500年というものと、200-300年程度の可能性もあり得るとの説もあります。
政府の地震調査委員会による今後30年内の長期評価においては、M7.9〜8.6の地震は
①関東大震災(大正型関東地震)については2014年の時点でほぼ5%以下
②元禄型関東地震(元禄関東地震)については2014年の時点でほぼ0%
となっています。
しかし、熊本地震・大阪府北部地震・北海道胆振東部地震なども発生確率がほぼ0%となっている断層帯付近で発生しているため、警戒は必要でしょう。
【千葉】千葉県北東部で最大震度4、M4.7の地震(2019/06/01)
2019/06/01の07:58頃、千葉県北東部で最大震度4、M4.7の地震がありました。
この震源で起きる地震は比較的に中規模なものが多いようで、近年の最大震度4以上かつM5以上のものを見てみると次のようになります。
2018/10/12 13:15, 千葉県北東部, 震度4, M5.3
2016/10/20 11:49, 千葉県北東部, 震度4, M5.3
2012/10/12 13:57, 千葉県北東部, 震度4, M5.0
2012/09/14 02:22, 千葉県北東部, 震度4, M5.1
2012/04/29 19:28, 千葉県北東部, 震度5弱, M5.8
2011/05/22 07:06, 千葉県北東部, 震度4,...
【北海道】北海道東部でM3.5〜4.1の地震(2019/5/28〜5/30)
2019/5/28〜5/30にかけて北海道東部で最大震度は小規模ながらM3.5〜4.1の地震がありました。
1日ごとに震源が移動しているように見えます。
北海道東方沖は震源の深さが約70km・釧路地方中南部では同140kmと深めなので、太平洋プレートと北米プレートの境界部かもしれません。
北海道東方沖での有感地震はさほど頻度は高くなく、近年で起きた規模の大きなものは2015年7月のM6.2(最大震度3)。
釧路地方中南部での有感地震で近年で起きた規模の大きなものは、2015年6月のM5.0(最大震度5弱)です。
釧路でM5.0が起きた1ヶ月後に北海道東方沖でM6.2が起きたことになります。
また、北海道の千島海溝側では最近になって地震が増えてきている印象があります。
特に根室半島南東沖での有感地震は2016年以降は年間14〜15回程度ですが、今年は5月で早くも10回程度と頻度が高めです。
千島海溝沿いの広い範囲では、今後30年内にM8〜9クラスの地震の発生が想定されており、発生間隔としてはすでにいつ起きてもおかしくないと言う見かたもあります。
千島海溝と日本海溝に沈み込む直前の太平洋プレート(アウターライズ)内では正断層型巨大地震が発生することが指摘されています。(千島海溝側のアウターライズ地震断層は、数は多いものの浅い傾向にあります)
アウターライズ地震が起きた場合、陸側の揺れは小さいながらも津波が沿岸部に押し寄せる可能性がありますが、このアウターライズ地震については震源断層の情報が無く想定シナリオ地震が設定できていないのが現状とのこと(JAMSTEC公開資料より超概略)。
津波を伴うM8〜9クラスともなれば個人や家庭で備えるには当然限界があり、それこそ官産民それぞれの粒度で広範囲に渡りキメの細かい備えを連携しながらおこなう必要性がありますが、次の巨大地震が実際に起きるまでにどこまで実現可能なのでしょうか。
まずは個人や家庭レベルで備えた上で、危機感を共有できる人々が地域ごとに連携・共助できる仕組みを事前に作ることも必要でしょう。
【茨城】茨城県北部で最大震度4・M4.2の地震(2019/05/27)
2019/05/27の04:04頃, 千葉県北部で最大震度4・M4.2の地震がありました。
5/25には千葉県南部で震度5弱・M5.1、5/26には同じ環太平洋火山帯のペルーでM8.0と大きめのものが続いています。
5/26〜5/27にかけてはM3クラスの地震も国内で複数発生。
近年の日本では経験の無い「真夏の大震災」が起きないことを祈るばかりですが、起きた場合に何が対策として可能なのかを個人やご家庭レベルでも考えておく必要はあるでしょう。
首都直下地震や南海トラフ巨大地震などが万が一、猛暑酷暑の真夏に発生した場合、初動においては国や自治体、自衛隊・消防・警察によるスピーディな対応は期待できないと認識しておくべきです。
停電・断水・都市ガス供給がストップ、都市機能も大規模かつ広範囲に麻痺。熱中症の危険性がある中で水も無く涼をとることもできないケースも考えられます。
生鮮食品などはすぐに傷み始めますが、自治体によるゴミ収集はできなくなります。
深刻化するのはトイレ周りで、各地で衛生環境が急速に悪化していくことも想定できます。
備えていた人たちと備えていなかった人たちとの間で関係が悪化することも考えられますし、支援物資を巡っては避難所入所者と自宅避難者との間でトラブルが発生する場合もあるでしょう。
個人や家庭で何をどこまで備えておけばどのような対応ができるのか、想像すら難しい状況になることも考えられますが、ともかく可能な限りの想像を巡らせて、出来る範囲で(無理なく)備えをしておく以外の方法は無いでしょう。