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【関東】伊豆〜父島近海で小規模な地震(2019/09/25)

2019/09/25は、伊豆大島・伊豆地方〜父島近海で小規模な地震がありました。いずれも最大震度は1、M2.4〜M3.6です。 伊豆地方と伊豆大島近海での地震は、ちょうど駿河トラフと相模トラフの接合領域の南側で起きています。 今回注目したのは伊豆・小笠原・マリアナ海溝沿いの父島近海での地震。 最大震度1・M3.6と小規模なものですが、父島近海では時おり大きな地震が発生します。 特に2010/12/22 02:20の地震は震源が浅く最大震度も4だったにも関わらず、マグニチュードは7.4を観測。関東〜東北地方、中部地方などにかけても揺れ、北海道でも震度1を観測しました。 マグニチュードが大きく震源の深さも10kmと浅い地震だったため、当時は東海〜西南日本の太平洋岸地域に津波注意報が発令されました。 このあたりは太平洋プレートがフィリピン海プレートの下へ沈み込んでおり、太平洋プレートはおおむね年間で4cmほどの速さで移動しています。 そして、伊豆周辺での地震は駿河トラフと相模トラフの接合領域で起きていますが、ここから西は南海トラフ。 伊豆だけでなく房総沖などでは頻繁に地震が起きており、このあたりで大きな地震が起きた場合は首都直下地震や南海トラフ巨大地震に連動する可能性も考えられます。 何年も前から環太平洋火山帯は活動期に入ったと考えられており、事は日本列島だけの範囲には収まりません。いずれかの巨大地震発生時には、行政レベルだけでなく国レベルで機能麻痺に陥り、公的な救援・支援活動そのものが受けられないケースも想定しなければなりません。 その上で、私たち一般庶民レベルでもできうる限りの備えをしておく必要があります。まず基本は自助、それから互助・共助です。 房総沖巨大地震・首都直下地震・北海道沖(根室沖)巨大地震・そして南海トラフ巨大地震と、今後30年内に高確率での発生が想定されている巨大地震は複数ありますが、それが妄想や絵空事でないことは、これまでに起きた東日本大震災や熊本地震、北海道胆振東部地震・大阪府北部地震・阪神淡路大震災などが証明しています。

【関東】東京多摩西部・山梨県東部で小規模な地震(2019/8/9〜8/13)

2019/8/9〜8/13にかけて注目した地震は、東京都多摩西部におけるM2.7と山梨県東部・富士五湖付近でのM2.6・M2.9。 東京都多摩西部を震源とする有感地震はかなりの低頻度で発生し、前回目立ったものは約2年前・2017/09/11に震度3, M3.9が起きて以来。 山梨県東部・富士五湖を震源とする有感地震も比較的少なめで、おおむね年に数回程度しか起きません。 これらの震源が4日間程度の間でほぼ同時に動いたようです。 特に山梨県東部・富士五湖を震源とする大きめの地震は少なく、近年における最大震度4以上を観測したものは次の5件程度。 2014/12/11 15:07頃, M4.3, 最大震度4 2012/01/29 16:46頃, M4.7, 最大震度4 2012/01/28 07:43頃, M5.5, 最大震度5弱 2012/01/28 07:39頃, M5.0, 最大震度4 2011/03/15 22:40頃, M4.0, 最大震度4 2012年1月下旬に集中した際に起きたM5.5・最大震度5弱が発生した際は、奈良県〜福島県まで揺れが観測され、この時期はM4.7〜M5.5の規模で、最大震度4〜5弱が3連続しました。 いずれの震源も、南海トラフ巨大地震の想定震源域の東端に掛かるか掛からないかといった位置であり、首都直下型地震の想定震源域の西端あたりに位置します。 ちょうど、駿河トラフ・相模トラフ・糸魚川-静岡構造線の合流ポイント=3つのプレートが重なり合う位置で、富士山や箱根山などの火山が存在することと、周辺には立川断層帯をはじめとした多数の断層が存在します(図に記載した断層は一部です)。 このように関東周辺の構造線と断層帯を図で観てみると、改めて東京を中心とした首都圏が「地震の巣」の周辺に存在しているかがよく解ります。 将来的(今後30年内)に発生が比較的高めの確率で予測されている巨大地震は複数ありますが、予測に関しては ①基本的に様々な仮説を置いた上での推計である ②定量評価できない項目が存在する ③発生確率は低めでも実際に起きた際には甚大な被害を及ぼす事象が発生する可能性もある という点は意識しておくべきでしょう。 また南海トラフ巨大地震に関してはより根本的な問題として、前述した「発生が比較的高めの確率で予測されている」に反する「確度の高い予測が困難」という状況も現実です。 災害を防ぐ観点での「防災」よりも、国・自治体・地域・家庭・個人というすべての粒度で可能なかぎり備えをし、起きた後の被災を減らす「減災」にいかにつなげていくかが重要になっていきます。

【東京・八丈島】八丈島東方沖でM6.0・最大震度3の地震(2019/07/30)

2019/07/30の早朝、八丈島東方沖でM6.0・最大震度3の地震があり、距離にして約600km以上離れた宮城でも揺れを観測する地震でした。 今回の震源と八丈島との間は約100km近い距離がありますが、伊豆・小笠原海溝寄りの位置です。 同じ八丈島東方沖を震源とするM6以上の規模の地震は近年では2009年と2017・2018年にも発生しており、2017〜2019年はいずれも最大震度は3。ここ3年間は毎年起きていることになります。 2019/07/30 05:38, 八丈島東方沖, 震度3, M6.0 2018/03/25 23:37, 八丈島東方沖, 震度3, M6.1 2017/11/16 18:43, 八丈島東方沖, 震度3, M6.2 2009/08/13 07:49, 八丈島東方沖, 震度5弱, M6.5 特に2009年のものはM6.5・最大震度5弱というものでした。 今回(2019/07/30)の地震を含めて震源が八丈島東方沖でも関東〜東北あたりまで広く揺れるのは、共通するパターンとなっているようです。 過去、八丈島付近で発生した大きな地震としては、 1972/12/04:八丈島東方沖地震(最大震度6, M7.4, 深さ60km) 1972/02/29:八丈島近海地震 (最大震度5, M7.2, 深さ40km) というものがあります。 ■1972/12/04:八丈島東方沖地震 1972/12/04の八丈島東方沖地震は、最大震度6・M7.4・震源の深さ60km。 八丈島で最大波高50cmの津波を観測。本震後は余震が100回近く続きました。 東京でも震度4を観測、東京都新宿では京王プラザホテル44Fのレストランで長周期地震動が発生し、一時は騒然となったそうです。 この長周期地震動は2011年の東日本大震災でも新宿の高層ビル群の上層階で観測されたことを覚えていらっしゃるかたも多いでしょう。 ■1972/02/29:八丈島近海地震 1972/02/29の八丈島近海地震は、最大震度5・M7.2・震源の深さ40km。発生時刻は18:23。 当時の国立防災科学センター(現:防災科学技術研究所・NIED)の調査資料には、地震に伴う現象として東南東方向に発光現象があり、空が夕焼け状になったと記載があります。 観測された津波は、千葉県館山での20cmのもの。 ■今後に警戒を 1972年の場合は、2月末の発生からおよそ9ヶ月後にも大きな地震が発生しました。 2017年からのパターンで仮定すると、2020年にもM6規模の地震が発生する可能性は否定できません。 八丈島の近海を震源としていても関東あたりで大きな揺れとなる恐れもあるので、備えをしっかりとおこないましょう。

【東京・神奈川】神奈川県西部のM4.3と東京湾のM3.1の地震(2019/7/8〜7/9)

2019/7/8〜7/9に注目した地震は、神奈川県西部のM4.3と東京湾のM3.1。大きな地震ではありませんが、編集部でもそれなりの揺れを感じました。 神奈川西部でのM4.0を超える地震は(震源域の範囲の誤差はあるでしょうが)おそらく東日本大震災直後の2011/3/21のM4.2以来。東京湾震源の地震はだいたい年数回規模で発生しています。 いずれもかつての関東大震災(1923)と元禄関東地震(1703)の震源域に重なります。 相模トラフ付近で派生する地震の発生間隔については複数の説があり、元禄型は相模トラフ沿いの相模湾から外房を震源域として再来間隔は1000〜1500年というものと、200-300年程度の可能性もあり得るとの説もあります。 政府の地震調査委員会による今後30年内の長期評価においては、M7.9〜8.6の地震は ①関東大震災(大正型関東地震)については2014年の時点でほぼ5%以下 ②元禄型関東地震(元禄関東地震)については2014年の時点でほぼ0% となっています。 しかし、熊本地震・大阪府北部地震・北海道胆振東部地震なども発生確率がほぼ0%となっている断層帯付近で発生しているため、警戒は必要でしょう。

【東京】鳥島近海で最大震度4、M6.1の地震(2019/06/04)

2019/6/4は鳥島近海で最大震度4、M6.1の地震がありました。 震源の深さは440km、フィリピン海プレート内での深発地震です。 このあたりで発生する地震は深く規模が大きなものが多く、鳥島近海では2012/01にM7.0、近辺では小笠原諸島西方沖で2015/05にM8.5という大規模なものが深さ590kmで起きています。 深発地震は震源の深さが深い地震ですが明確な定義はなく、200km以深で発生する地震を深発地震と言っています。 また深さ約670km以深ではほとんど発生しないとされていますが、小笠原海溝やトンガ海溝など一部の地域では、これを上回る深さの深発地震も少数ながら発生しています。 緊急地震速報は2006年から震源の深さが150kmより深いと推定された地震について、震度の予測が難しいため震度を発表しないことになっています。 ただ、深発地震で日本で被害が出た例では、2014/05の伊豆大島近海地震(深さ約162km、M6.0)があり、緊急地震速報の対象とならない150km以深でしたが東京都で最大震度5弱の地震を観測。 前述の小笠原諸島西方沖における2015/05のM8.5では、関東地方を中心に停電、エレベーターの緊急停止による高層難民、交通機関のマヒなどの大きな影響が出ました。 この時、東京の六本木ヒルズは「円描くよう」に揺れたとのこと。

【東京】新島・神津島近海で最大震度3・M3.7の地震(2019/03/19)

2019/03/19の深夜に新島・神津島近海で最大震度3・M3.7の地震がありました。 震度1以上の有感地震としては昨年7/16以来、震度3としては昨年4/23以来のようです。 このあたりは相模トラフと駿河トラフに挟まれた 「フィリピン海プレート」 「北米プレート」 「ユーラシアプレート」 の3つのプレートが重なる領域で、日本列島のある陸側プレートの下にフィリピン海プレートが沈み込む構造です。 特に駿河トラフに沿って相模湾〜房総半島起きにかけての領域とか南関東の直下では、このあたりを震源とする大きめの地震が過去に繰り返し発生しており、かつての1923/9/1の「関東大震災(大正関東地震)」の震源域があります。 毎年9/1の「防災の日」は、関東大震災に因むものですね。 相模トラフ沿いで今後30年以内にM8クラスの地震が起こる可能性としては6%以下と低いのですが、プレートの沈み込みに伴うM7クラスの地震の発生率は70%と高い評価になっています。 南関東では歴史的に200〜400年間隔でM8クラスの地震が発生していますが、M8クラスの地震の前にはM7クラスの地震が複数発生する傾向があるようです。 1923年の関東大震災以降の静穏期?に入った後にちょうど日本の高度経済成長期が当てはまったことは、幸運だったのかもしれません。

【東京】伊豆大島近海で続く地震(2019/2/14)

2019/2/12に伊豆大島近海で小規模な地震がありましたが、2/14の午後にも短時間に連続した地震がありました。 遡って類似の状況を調べてみると、近年はおおむね毎年、短期間に複数回の小規模な地震が連続して起きている期間があります。 火山である三原山のある伊豆大島の周辺地域を観てみると、相模トラフ・駿河トラフ・糸魚川静岡構造線が交わる領域と併せて箱根山や富士山があり、いずれも火山です。 箱根山での有史以降の活動は、大涌谷周辺での水蒸気噴火に限られており、近年で一時的に活動が活発化したのは2015/5/6。6/30には小規模な噴火を起こしましたが、その後収束しています。 富士山に関しては、1990年代までの小学校などでは「休火山」と教えられていましたが富士山はいまだに活発な活動が観測されていることと、気象庁が「休火山」という区分を廃止したことにより、現在は「活火山」に分類されます。 図の下のほうはフィリピン海プレートで、ちょうどこのあたりはプレートが日本列島の下に沈み込んでいる部分であることからも、地殻の活動が活発であるということでしょう。 現状、特に噴火の兆候や危険性などの情報は発表されていません。今後、発生間隔が短くなったり地震の規模が大きくなるなどの場合は、より注目していきます。

【東京】伊豆大島近海で震度1〜2が3回続く(2019/2/12)

2019/2/12の午後に、伊豆大島近海で規模としては小さいながらも地震が3回ありました。 伊豆大島と言えば三原山の噴火が30〜40年周期で起きており、全島民が1万人が島外への一時的避難となった1986年11月の噴火から2019年までに32年ほどが経過。 2018年11月には「NHK NEWS WEB」でも『東京で噴火再び!? その時、どうする…』というタイトルで次の噴火の懸念が報じられており、「周期から考えるといつ噴火してもおかしくない」とされています。 東日本大震災の約2ヶ月前にも伊豆大島近海で震度4・M4.1の地震が発生しており、東日本大震災以降は島西方沖及び北部で地震活動が活発化したとのことです。 2008年あたりからの伊豆大島近海での地震発生状況を見ると比較的コンスタントに震度1〜2、M2クラスのものは発生していますが、傾向的に2014年あたりからは地震の発生回数は増え、地震も規模の大きなものが起こるようになってきた印象があります。 次の噴火をあらかじめ想定した備えが必要かもしれません。 ------ 関連リンク 『伊豆大島・三原山噴火は30〜40年周期、次の噴火は数年内!?』 https://itoito.style/article/5122

【東京】伊豆大島・三原山噴火は30〜40年周期、次の噴火は数年内!?(2018/11/29)

2018/11/29付の「NHK NEWS WEB」で「東京で噴火再び!? その時、どうする…」という記事が公開されましたが、伊豆大島(の三原山)の大規模噴火が間近に迫っている可能性を示唆するものでした。 ちょうど、2018/11/27の22:16頃、伊豆大島近海では震度2・M3.0・深さは「ごく浅い」地震が起きていたばかりです。 このあたりの地震で近年の震度3以上のものをピックアップすると次のような状況となります。 2018/01/15 03:12, 伊豆大島近海, 震度3, M3.5 2018/01/06 05:47, 伊豆大島近海, 震度3, M4.6 2017/09/24 06:08, 伊豆大島近海, 震度3, M4.1 2016/07/24 13:54, 伊豆大島近海, 震度3, M3.8 2016/07/24 02:44, 伊豆大島近海, 震度3, M3.4 2016/07/24...

【東京】東京湾での震度1・M2.9と過去の巨大地震を含む震歴(2018/11/17)

2018/11/17の15:10頃に東京湾を震源とする震度1の小さな地震がありましたが、ここ3年間で今年は東京湾震源の地震が多めです。 2016年はゼロ、2017年は1回でしたが、2018年に入り1月2日の震度3を皮切りに、2・7・8・11月と震度1が続いています。 東京湾を震源とした地震が頻発したのは2015年です。特に2015/09/12の05:49頃に発生した突き上げるような震度5弱は「首都直下型地震の前兆か」と首都圏に住む多くの人々を不安にさせました。 いわゆる「首都直下型地震(南関東直下地震・東京直下型地震・相模トラフ巨大地震などを含む)」の発生予測が長らく言われてきました。 特に相模湾は、海側のフィリピン海プレートが陸側の北米プレートの下に沈み込む構造となるプレート境界となる「相模トラフ」を形成しています。 この相模トラフ周辺ではM8クラスの巨大地震が200〜400年周期で発生しており、有名なものでは 1703年:元禄地震:M8.1〜M8.5 1923年:関東大震災:M7.9〜M8.3 が該当します。 また、相模トラフからさらに北側を含めると、M6〜M7クラスの大地震が平均して数十年周期で発生しています。 1855年:安政江戸地震:M6.9〜M7.4 1894年:明治東京地震:M7.0 などです。 安政江戸地震は断定できないものの隅田川河口付近の活断層が震源として推定され、明治東京地震の場合は直下型かプレート境界型かは特定されていません。 今後発生すると想定される、いわゆる首都直下型地震も同様のパターンで来る可能性がありますが、震源が海底でない場合、緊急地震速報発信がS波到達の後になることが想定されます(S波は最初のP波より遅く伝わる)。 つまり実際に首都直下型地震が起きて揺れている最中に緊急地震速報が鳴るということです。現代の科学技術をもってしても緊急地震速報の仕組みではこれが限界となります。 「その瞬間」をいかにして生き延びるか、生き残るかはその場面に遭遇した私たち個人個人に委ねられ、生き延びる事ができたときは、備えの有無がその後の生活の質を左右します。 首都直下型地震のレベルの地震が実際に派生した場合、日本の政治や経済の中枢機能が大きなダメージを受けることが想定され、復旧復興には想定以上の長い時間が掛かるかもしれません。 都内にも被災地ができ、様々な地域で孤立する方々が多数発生するでしょう。持てる者・持たざる者との格差も発生し、警察や消防もうまく機能せず、自衛隊の対応も十分に届かないケースも容易に想定できます。 そのために、常日頃からの備えが重要です。まずは個人や家庭レベルでの備えがあれば「自助」が可能です。自助できる人々が集まれば「互助・共助」が可能となります。 そう考えると、やはりこれからは「防災」ではなく「備災」という考え方が重要になってきます。 みなさんも、無理なく可能な範囲で「備災」をおこなってください。そして日常に取り入れられる備災訓練(防災訓練)は「キャンプ」がオススメです。