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台風19号上陸中、千葉県南東沖で最大震度4・M5.7の地震(2019/10/12)
2019/10/12は非常に強い勢力の台風19号の上陸中に、千葉県南東沖で最大震度4・M5.7の地震がありました。震源の深さは約80km。
ITOITO-STYLEではこれまで、台風と地震の関係・関連の可能性について継続的にお伝えしてきましたが、現象としては台風通過中にその勢力圏内でM5.7の地震が発生した形となりました。
また、この日は午前中に茨城県沖でも震度1, M2.9の小規模な地震が起きています。
さらに10/14には大潮となる満月を迎えます。太陽と月が一列に並ぶこのタイミングでは潮汐力が最大となり、海では大潮が起きます。
昔から満月や新月の時期に地震が起きると言われますが、2016年に東京大学の研究チームによって大潮の時期=満月時に大地震の発生確率が上昇する(大きな潮汐応力が地震を誘発する)という研究結果が出ており、学術雑誌「Nature Geoscience」に掲載されています。
https://www.nature.com/articles/ngeo2796
台風と地震の因果関係についても、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が構築した国内最大の科学技術情報プラットフォームである「J-STAGE」において学術的資料が公開されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsprs/55/5/55_325/_pdf同様の研究は米国のマイアミ大学とフロリダ国際大学の研究チームによってもおこなわれており、大地震がおきたいくつかの被災地では地震発生前の4年以内に激しい豪雨を伴う大型熱帯低気圧に見舞われていることを確認しています。
AFP通信:『大地震は台風の後にやってくる、米大研究』
https://www.afpbb.com/articles/-/2844839
10/12の台風上陸とその勢力範囲で起きたM5.7クラスの地震の直接的な因果関係を証明することは現時点ではかなり難しいとは思いますが、それぞれが同時に発生した現象としては注目するに値するでしょう。
また台風の影響によって各地で大雨特別警報なども発令され、地盤が大量に水分を含み土砂災害の発生リスクも高まっています。
この状態で次に大きな地震が起きた場合、大きな被害が発生する恐れもあります。
2018/9/6に起きた「北海道胆振東部地震」では、前日に台風21号が北海道付近を通過したこともあり、この地域の火山灰を多く含んだ地層で大規模な土砂災害を引き起こしたことは記憶に新しいところです。
ともあれ台風19号による被害は拡大が見込まれるため、台風一過後の復旧復興が急がれると共に、土砂災害などの二次災害と大きな地震発生の可能性に関しても念頭に起き、個人やご家庭レベルでも今後の災害にしっかりと備えてください。
【静岡】静岡県中部で最大震度2、M4.1の地震(2019/10/02)
2019/10/02は、静岡県中部で最大震度2、M4.1の地震がありました。
このあたりを震源とする体感する震度1以上の地震は多くはありませんが、震度2以上に限ると昨2018年は1回、一昨年の2017年も1回でした。2016〜2015年には震度2以上は発生せず、2014年に6回程度です。
このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域内であり、なおかつ「固着域」。特に静岡県中部には強い固着域が存在していますが、この地震が何か特別危険なものであったり、大きな地震の前兆であったりという情報は発表されていません。
特に静岡にお住まいの皆様は、数十年前から来るぞ来るぞと言われ続けていると思いますので、釈迦に説法かとは存じます。
中央構造線などの主要な大規模断層帯沿いでは体感しない規模の小さな地震は連日多数発生しており、これはプレートの動きによる通常のものと捉えて良いかと思います。
今回の震源のすぐ近くでは、20年近く前・2001/04/03に最大震度5強・M5.1の大きめの地震が起きています。
この時は岐阜県・愛知県でも震度4を観測し、震源から離れた茨木・栃木・埼玉・千葉・富山・京都・大阪などでも震度1を観測しています。
また、2001年の地震では直後に静岡市内で「青白い閃光」が見られました。
この閃光に関しては東海大学海洋研究所による研究報告が公開されています。
『2001年 4月 3日に発生した静岡県中部の地震(M 5.3)に伴う発光現象について』
http://www.scc.u-tokai.ac.jp/~289077/bulletin/files_for_bulletin/33_23-noda.pdf
閃光現象が起きた場所を100m四方まで絞り込めたものの、結論としては明確に閃光の光源を特定するには至っていません。
しかし報告書自体はとても興味深いものですので、ご興味のある方はぜひお目通しください。
なお9月初旬に公表された気象庁による「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」も通常どおりですので差し迫った危険は無いと言えますが、いつ何どき起きるか判らないのが自然災害。
備えをしっかりした上で、何か起きたときにはすぐに対応できるようにしておきましょう。
【関東】伊豆〜父島近海で小規模な地震(2019/09/25)
2019/09/25は、伊豆大島・伊豆地方〜父島近海で小規模な地震がありました。いずれも最大震度は1、M2.4〜M3.6です。
伊豆地方と伊豆大島近海での地震は、ちょうど駿河トラフと相模トラフの接合領域の南側で起きています。
今回注目したのは伊豆・小笠原・マリアナ海溝沿いの父島近海での地震。
最大震度1・M3.6と小規模なものですが、父島近海では時おり大きな地震が発生します。
特に2010/12/22 02:20の地震は震源が浅く最大震度も4だったにも関わらず、マグニチュードは7.4を観測。関東〜東北地方、中部地方などにかけても揺れ、北海道でも震度1を観測しました。
マグニチュードが大きく震源の深さも10kmと浅い地震だったため、当時は東海〜西南日本の太平洋岸地域に津波注意報が発令されました。
このあたりは太平洋プレートがフィリピン海プレートの下へ沈み込んでおり、太平洋プレートはおおむね年間で4cmほどの速さで移動しています。
そして、伊豆周辺での地震は駿河トラフと相模トラフの接合領域で起きていますが、ここから西は南海トラフ。
伊豆だけでなく房総沖などでは頻繁に地震が起きており、このあたりで大きな地震が起きた場合は首都直下地震や南海トラフ巨大地震に連動する可能性も考えられます。
何年も前から環太平洋火山帯は活動期に入ったと考えられており、事は日本列島だけの範囲には収まりません。いずれかの巨大地震発生時には、行政レベルだけでなく国レベルで機能麻痺に陥り、公的な救援・支援活動そのものが受けられないケースも想定しなければなりません。
その上で、私たち一般庶民レベルでもできうる限りの備えをしておく必要があります。まず基本は自助、それから互助・共助です。
房総沖巨大地震・首都直下地震・北海道沖(根室沖)巨大地震・そして南海トラフ巨大地震と、今後30年内に高確率での発生が想定されている巨大地震は複数ありますが、それが妄想や絵空事でないことは、これまでに起きた東日本大震災や熊本地震、北海道胆振東部地震・大阪府北部地震・阪神淡路大震災などが証明しています。
【南海トラフ】巨大地震の想定震源域内、中央構造線沿いで複数の地震(2019/9/7〜9/12)
2019/9/7〜9/12にかけて、南海トラフ巨大地震の想定震源域内、中央構造線沿いで複数の小規模な地震がありました。
南海トラフの弱い固着域の北端側・中央構造線沿いに発生しており、規模はM2.1とM3.3が2回です。
中央構造線などの主要な大規模断層帯沿いでは体感しない規模の小さな地震は連日多数発生しており、これはプレートの動きによる通常のものと捉えて良いでしょう。
前提として、本記事執筆時点での南海トラフ巨大地震に関する気象庁の最新見解は、これまでどおり
「大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」
となっていますので、南海トラフ巨大地震の前兆ではないか?といった心配は基本的に不要ですが、そのためにはいつ起きても対応できるように備えをしておく必要はあります。
南海トラフにおいて海側プレートと陸側プレートが地下で接し動いている部分にあると見られる「固着域」には定点的に強く固着している部分と、広範囲に渡って弱く固着している部分がありますが、弱い固着域部分においては九州東端〜東海地方にかけて、継続的なスロースリップ(ゆっくり滑り)現象が観測されています。
弱い固着部分で破壊が起きるたびに有感地震が発生すると考えられますが、気にしておきたいのは沖合にある強い固着域のいくつかです。ここのひずみが限界を迎えて連鎖的に破壊されたときは、より大きな地震が発生する可能性があります。
以前から南海トラフ巨大地震は必ず来ると言われています。
発生した時に「備えていた人たちとそうでなかった人たち」との間では、その後の被災生活の質は大きく異なることになるでしょう。
2019/09/08〜09/09にかけて、地震ではありませんが台風15号の首都圏直撃で、特に千葉県においては大規模な停電が数日間続く事態となっています。
もし南海トラフ巨大地震が想定される最大の規模で発生した場合、停電だけに絞っても、千葉の停電を圧倒的に凌駕する規模と期間で市民の生活と生命健康に深刻なダメージをもたらす恐れがあります。
とは言え数十年前から来るぞ来るぞと言われて未だに起きないのも事実で、大きな自然災害に対する緊張感を長期間維持するのは不可能と言うもの。
このあたりは気持ちの折り合いを付けて、無理のない範囲で備えを生活の中に組み込む必要があるでしょう。
【東日本】岐阜・静岡・伊豆半島・福島沖でそれぞれ震源が移動するような小規模な地震(2019/07/05)
2019/07/05は岐阜・静岡・伊豆半島・福島沖でそれぞれ震源が移動するような小規模な地震がありました。
いずれも地震がよく起きている領域です。
岐阜〜伊豆半島にかけては南海トラフ巨大地震の想定震源域、福島県沖に関しては東日本大震災の震源からはやや離れてはいるものの、今後30年内に東北〜関東沿いでの再度の巨大地震が懸念される領域内でもあります。
また、7/5は同じ環太平洋火山帯に属する米国のカリフォルニア、サンアンドレアス断層付近で群発地震的な揺れが発生しています。
ちょうど6月下旬に近くのオレゴン州沿岸でも連続する地震が多数発生してぎました。
サンアンドレアス断層と言えば、2015年公開の災害映画「カルフォルニア・ダウン(邦題)」の原題「San Andreas」がちなんだものです。
映画自体はご覧になった方も多いでしょう。ハリウッド作品ということで派手な災害シーンの連続でしたが、思い返せば東日本大震災における津波被害は映画とはまた異なる、現実に起きたこととしての大変なものでした。
「カリフォルニア・ダウン」の予告編動画はこちら:「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言いますが、すでに大雨による被害も起きており、また水分を多量に含んだ地盤の緩みなどに地震が加わることでの次の災害も懸念されます。
重要なことは、まずは「自助」です。自分たちの身は自分たちで守るために備える。最初から国や自治体による救助や支援をあてにしている場合、いざという時に最悪は命を失いかねません。
備えは何もない平時にこそ、おこなっておきましょう。
【静岡】伊豆半島東方沖でM4.1・最大震度4の地震(2019/06/24)
2019/06/24の19:22頃、伊豆半島東方沖でM4.1・最大震度4の地震がありました。
位置は相模トラフの西端、駿河トラフとの境界あたりです。
6/24は千葉県南東沖でもM5.5の地震が起きており、千葉県南東沖は最近地震活動が活発な印象です。
同日インドネシアでもM7.5(深さ220km)が起きていますし、一昨日〜昨日にかけて米国オレゴン州沿岸でM5クラスが連発、数日前には山形沖でM6.8、茨城県北部でM5.2、ニュージーランド付近ケルマディック諸島でM7.2、中国四川省でM5.8など、短期間で多くの規模大きめの地震が環太平洋火山帯を中心とした世界各地で発生。
今後の地震に備えつつ、気象庁発表や各種報道などにも注意してください。
特にこれから梅雨明けして真夏に向かう時期でもあります。
日本では過去に幾度もの大震災を経験してきましたが、唯一、現代において経験が無いのが『真夏の大震災』です。
猛暑・酷暑となった状況下で巨大地震が発生したらどういう状況になるのかはあまり想像したくはありませんが、停電・断水・物流停止、各地で火災や建造物崩壊、土砂崩れ・道路の陥没や損壊などが発生するでしょう。
災害規模が大きいほど国や自治体の対応は滞りますので、自衛隊・消防・レスキュー隊などによる支援が届かない地域も多発することは容易に想像できます。
最終的に、個人・家庭・地域単位で自力で乗り越えて行かざるを得ない状況になることもあり得ますので、この機会に「真夏に大震災が起きた時、自分たちには備えがあるか、何ができるのか、どうすべきか」を考えてみるのも良いかと思います。
【国内】日本全国で相次ぐM4クラスの地震(2019/6/9〜6/11)
2019/6/9〜6/11にかけて、日本全国でM4クラスの地震が相次いでいます。
2019/6/1から数えるとM4クラスは合計13回。それ以下の有感地震も全国で多く発生しています。
M4以上の地震が相次ぐのはちょっと珍しい印象はあり、6/1からのものを列挙すると下記の通りです。
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2019/06/11 10:59, 千葉県北西部, 震度2, M4.2, 深さ60km
2019/06/11 10:21, 宮城県沖, 震度3, M4.4, 深さ60km
2019/06/11 02:19, 北海道東方沖, 震度2, M4.6, 深さ40km
2019/06/11 00:25, 静岡県中部, 震度2, M4.0, 深さ30km
2019/06/10 22:12, 宮城県沖, 震度2,...
【茨城】茨城県北部で最大震度4・M4.2の地震(2019/05/27)
2019/05/27の04:04頃, 千葉県北部で最大震度4・M4.2の地震がありました。
5/25には千葉県南部で震度5弱・M5.1、5/26には同じ環太平洋火山帯のペルーでM8.0と大きめのものが続いています。
5/26〜5/27にかけてはM3クラスの地震も国内で複数発生。
近年の日本では経験の無い「真夏の大震災」が起きないことを祈るばかりですが、起きた場合に何が対策として可能なのかを個人やご家庭レベルでも考えておく必要はあるでしょう。
首都直下地震や南海トラフ巨大地震などが万が一、猛暑酷暑の真夏に発生した場合、初動においては国や自治体、自衛隊・消防・警察によるスピーディな対応は期待できないと認識しておくべきです。
停電・断水・都市ガス供給がストップ、都市機能も大規模かつ広範囲に麻痺。熱中症の危険性がある中で水も無く涼をとることもできないケースも考えられます。
生鮮食品などはすぐに傷み始めますが、自治体によるゴミ収集はできなくなります。
深刻化するのはトイレ周りで、各地で衛生環境が急速に悪化していくことも想定できます。
備えていた人たちと備えていなかった人たちとの間で関係が悪化することも考えられますし、支援物資を巡っては避難所入所者と自宅避難者との間でトラブルが発生する場合もあるでしょう。
個人や家庭で何をどこまで備えておけばどのような対応ができるのか、想像すら難しい状況になることも考えられますが、ともかく可能な限りの想像を巡らせて、出来る範囲で(無理なく)備えをしておく以外の方法は無いでしょう。
【静岡】静岡県中部で震度3・M4.1(2019/2/8)
2/8に注目した地震は、06:34頃の静岡県中部を震源とする震度3・M4.1のもの。
このあたりを震源とする体感する震度1以上の地震は多くはありませんが、震度2以上に限ると昨2018年は1回、一昨年の2017年も1回でした。2016〜2015年には震度2以上は発生せず、2014年に6回程度です。
この震源よりも西側の中央構造線沿いとなる静岡県西部を震源とする震度2以上の地震のほうが多めのようです。
このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域内であり、なおかつ「固着域」。特に静岡県中部には強い固着域が存在していますが、この地震が何か特別危険なものであったり、大きな地震の前兆であったりという情報は発表されていません。
特に静岡にお住まいの皆様は、数十年前から来るぞ来るぞと言われ続けていると思いますので、釈迦に説法かとは存じます。
中央構造線などの主要な大規模断層帯沿いでは体感しない規模の小さな地震は連日多数発生しており、これはプレートの動きによる通常のものと捉えて良いかと思います。
2/7に公表された気象庁による「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」も通常どおりですので差し迫った危険は無いと言えますが、いつ何どき起きるか判らないのが自然災害。
備えをしっかりした上で、何か起きたときにはすぐに対応できるようにしておきましょう。
【和歌山・静岡】南海トラフ固着域で続く小規模地震(2018/11/06)
2018年11月6日は、早朝に和歌山県南方沖と静岡県西部で震度1の小規模な地震がありました。
南海トラフと中央構造線に近い部分での地震が10月あたりから増えています。東海・東南海・南海地方では地表における高さ・水平方向での顕著な変動が出ているという話も出ています。
また紀伊水道での地震も目立ってきた感がありますが、北西方向には淡路島があり阪神淡路大震災の震源となった野島断層を含めた断層帯があります。
阪神淡路大震災は逆断層・横ずれ断層型の直下型地震ですが、今後発生が想定されている南海トラフ巨大地震は海溝型地震でタイプとして同じではありません。
しかし阪神淡路大震災の震源からさらに北東方向には2018年6月に発生した「大阪府北部地震」の震源付近には「有馬ー高槻断層帯」を始めとする大きめの断層帯が複数存在しています。
特に「有馬ー高槻断層帯」あたりの断層では地震発生率の評価がほぼ「0%」のところ、つまり従来はノーチェックだった場所で大きな地震が発生しているため、お住まいの地域にどのような断層帯が存在するのか、確認しておくと良いでしょう。