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【全国】南海トラフ巨大地震の想定震源域で複数の地震、薩摩半島沖・千葉でM4クラス(2020/2/8〜2/9)
2020/2/8〜2/9にかけて、南海トラフ巨大地震の想定震源域では最大M4.1をはじめとする複数の地震が発生しました。また、薩摩半島西方沖・千葉県北東部でM4クラスの地震も起きています。
それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)。
【千葉県北東部】
2020/02/09 16:36頃, 震度2, M4.0, 深さ40km, 北緯:35.9, 東経:140.5
【徳島県南部】
2020/02/09 08:21頃, 震度1, M3.1, 深さ10km, 北緯:33.8, 東経:134.3
【遠州灘】
2020/02/09 06:58頃, 震度1, M4.1, 深さ10km, 北緯:34.0, 東経:138.2
【紀伊水道】
2020/02/08 14:55頃, 震度1, M2.8, ごく浅い, 北緯:34.2,...
【全国】根室沖及び南海トラフ震源域周辺で小規模地震、口永良部島が噴火(2020/01/23)
2020/01/23、根室沖及び南海トラフ巨大地震の想定震源域周辺で小規模な有感地震と、口永良部島が噴火しました。
地震に関しては、それぞれを時系列で列挙すると次の通りです(最新順)。
【静岡県西部】
2020/01/23 16:13頃, 震度2, M3.7, 深さ40km
【岐阜県美濃中西部】
2020/01/23 08:28頃, 震度1, M2.6, 深さ10km
【根室半島南東沖】
2020/01/23 07:08頃, 震度2, M4.1, 深さ80km
【日向灘】
2020/01/23 06:09頃, 震度1, M3.5, 深さ30km静岡県西部は南海トラフのプレート境界における「弱い固着域」の東端あたりに位置する震源です。
南海トラフにおいては東海〜四国にかけて弱い固着域が広く大きく存在し、その範囲に強い固着域が点在しています。
静岡ではこれまで東海地震などへの啓蒙や教育が徹底されてきました。抜き打ちで防災訓練が実施されるという話があるほど、小中学校や一般家庭レベルでも国内屈指の地震対策に関する関心の高さを持つ県とも言えます。根室半島南東沖は最近お伝えすることが多い震源で、このあたりを含む北海道の千島海溝側では昨年後半あたりから地震が増えてきている印象があります。
千島海溝と日本海溝に沈み込む直前の太平洋プレート(アウターライズ)内では正断層型巨大地震が発生することが指摘されています。(千島海溝側のアウターライズ地震断層は、数は多いものの浅い傾向にあります)
アウターライズ地震が起きた場合、陸側の揺れは小さいながらも津波が沿岸部に押し寄せる可能性がありますが、このアウターライズ地震については震源断層の情報が無く想定シナリオ地震が設定できていないのが現状とのこと(JAMSTEC公開資料より超概略)。日向灘は南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端に位置し、比較的活発に活動している震源です。
日向灘付近を含む南海トラフ周辺の海底(東海から四国の陸地から遠く離れた海底)では、最近になってプレートの境目がゆっくり動く「スロースリップ」という現象が東京大学と海上保安庁の研究グループによって初観測されています。
スロースリップ自体は長期間にわたって極めてゆっくりと動くため観測が難しいのですが、東日本大震災が発生する直前にも発生自体は確認されていたため、今後の津波を伴う地震のメカニズム解明や防災対策への活用が期待されています。岐阜県美濃中西部も断層帯が多く存在し、比較的地震が起きやすい領域で、この辺りは4つのプレート(ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート)の動きで形成されたとされる日本アルプスの西側で地殻活動が活発であるゆえ、これら以外にも多数の断層が存在し火山もあります。
糸魚川-静岡構造線の東側が「フォッサマグナ」です。
これは地質学において東北日本と西南日本の境目となる領域で、古い地層でできた本州の中央を「U字型」の溝が南北に走り、その溝の中に新しい地層が堆積した地質構造となっています。1/23は口永良部島が小規模な噴火を起こしています。
つい先日はフィリピンのタール山で大規模な噴火があり、すでに現地での避難者数は100万人を突破しているという深刻な状況に陥っていますが、現状、環太平洋火山帯の範囲で噴火している火山は比較的多めです。
アジアにおいてはインドネシアのクラカタウが2019年末に爆発的噴火、同じくインドネシアのデュコノ火山でも爆発的な活動が続き、環太平洋火山帯のアジアとは反対側の中南米ではグアテマラのパカヤ山、チリ中部のネバドスデチジャン山、エクアドルのレベンタドール山などでも活発な火山活動が継続しています。
今月に入り、アラスカのシシャルディン山も噴火、噴煙が高さ7600mを超える規模まで上がっています。JTNDYmxvY2txdW90ZSUyMGNsYXNzJTNEJTIydHdpdHRlci10d2VldCUyMiUzRSUzQ3AlMjBsYW5nJTNEJTIyZW4lMjIlMjBkaXIlM0QlMjJsdHIlMjIlM0UlM0NhJTIwaHJlZiUzRCUyMmh0dHBzJTNBJTJGJTJGdHdpdHRlci5jb20lMkZoYXNodGFnJTJGU2hpc2hhbGRpbiUzRnNyYyUzRGhhc2glMjZhbXAlM0JyZWZfc3JjJTNEdHdzcmMlMjU1RXRmdyUyMiUzRSUyM1NoaXNoYWxkaW4lM0MlMkZhJTNFJTIwdm9sY2FubyUyMGluJTIwZXJ1cHRpb24lMkMlMjBKYW51YXJ5JTIwMTglMkMlMjAyMDIwJTJDJTIwYXMlMjB2aWV3ZWQlMjBmcm9tJTIwQ29sZCUyMEJheS4lMjBQaG90byUyMGNvdXJ0ZXN5JTIwb2YlMjBBYXJvbiUyME1lcmN1bGllZi4lMjAlM0NhJTIwaHJlZiUzRCUyMmh0dHBzJTNBJTJGJTJGdC5jbyUyRk05a2lpcXdlWkclMjIlM0VwaWMudHdpdHRlci5jb20lMkZNOWtpaXF3ZVpHJTNDJTJGYSUzRSUzQyUyRnAlM0UlMjZtZGFzaCUzQiUyMEFsYXNrYSUyMEFWTyUyMCUyOCU0MGFsYXNrYV9hdm8lMjklMjAlM0NhJTIwaHJlZiUzRCUyMmh0dHBzJTNBJTJGJTJGdHdpdHRlci5jb20lMkZhbGFza2FfYXZvJTJGc3RhdHVzJTJGMTIxOTA0NDYwMzkxNzAyOTM3NiUzRnJlZl9zcmMlM0R0d3NyYyUyNTVFdGZ3JTIyJTNFSmFudWFyeSUyMDE5JTJDJTIwMjAyMCUzQyUyRmElM0UlM0MlMkZibG9ja3F1b3RlJTNFJTIwJTNDc2NyaXB0JTIwYXN5bmMlMjBzcmMlM0QlMjJodHRwcyUzQSUyRiUyRnBsYXRmb3JtLnR3aXR0ZXIuY29tJTJGd2lkZ2V0cy5qcyUyMiUyMGNoYXJzZXQlM0QlMjJ1dGYtOCUyMiUzRSUzQyUyRnNjcmlwdCUzRQ==2000年代に入り、環太平洋火山帯全体で活動が活発化している状況とも考えられます。
この規模での地殻活動となると、日本でもいつどこで大きな地震や噴火がほとんど前兆無しで発生するか判りませんが、それはこれまでも繰り返されてきたことです。
基本的に環太平洋火山帯では日々大きな地震が起きるものです。地球上で発生する地震の約90%はここで起きています。
出来るかぎり(可能な範囲で構いません)の備えをした上であれば、必要以上に怖がったり不安に感じることはありません。
【東日本】岩手・宮城・茨城沖と伊豆で小規模地震(2019/12/30〜12/31)
2019/12/30〜12/31は、静岡県伊豆地方・岩手県沖・茨城県沖・宮城県沖と父島近海で小規模な有感地震が相次ぎました。
いずれも最大震度は1。ただし、宮城県沖はM4.0・父島近海ではM5.4という規模で発生しています。
時系列で新しい順に列挙すると次の通りです。
【静岡県伊豆地方】
2019/12/31 10:47頃, 震度1, M1.7, 深さ10km
【岩手県沖】
2019/12/31 02:14頃, 震度1, M3.3, 深さ50km
【茨城県沖】
2019/12/30 19:27頃, 震度1, M3.6, 深さ30km
【宮城県沖】
2019/12/30 13:32頃, 震度1, M4.0, 深さ40km
【父島近海】
2019/12/30 13:11頃, 震度1, M5.4, 深さ10km
静岡県伊豆地方の震源は相模トラフの西端あたりかつ、首都直下地震の想定震源域の西端あたりでもあり、南海トラフ巨大地震の想定震源域の東端あたりに位置するので気にはなるものの、近年で最大の地震は
2015/03/15 23:44頃, 静岡県伊豆地方, 震度2,...
【関東・近畿】相模湾・栃木県北部・和歌山県北部で小規模な地震(2019/12/24)
2019/12/24は、相模湾・栃木県北部・和歌山県北部で小規模な地震がありました。
それぞれ、
2019/12/24 09:11頃, 相模湾, 震度1, M1.9, ごく浅い
2019/12/24 10:58頃, 栃木県北部, 震度1, M2.4, 深さ10km
2019/12/24 19:44頃, 和歌山県北部, 震度1, M2.1, ごく浅い
となり、いずれも最大震度は1、マグニチュードも1.9〜2.4と小さなものでした。
相模湾での規模の大きな地震はあまり無く、今回の地震も有感地震としては今年5月以来。
また、近年における相模湾で最大震度4以上の地震は、2013/07/10 00:21頃に起きた最大震度4・M3.9のもの程度です。
栃木県北部に関しては、12/4に北部でM4.7・最大震度4を含めて、ほぼ同じ震源域で2度の地震が起きています。
栃木県には福島県との県境から那須野原の西縁に沿って延びる活断層である「関谷断層」と、中禅寺湖の南東には「内ノ籠(うちのこもり)断層」があります。
関谷断層の地表で認められる長さは約38km、地震発生確率の長期評価は0%。
関谷断層の長期評価としての将来的な地震発生確率はほぼ「0%」ですが、これまでの大阪府北部地震や北海道胆振東部地震の震源付近の断層の評価も同様であったことを考えると、100%の楽観視はできないでしょう。
2つの断層の間では過去に大きな地震が複数発生した記録はあり、特に1683年にはM6.3〜M7.0と推定される地震が発生しています。
また、1949/12/26には現在の日光市(当時の今市市)付近で内陸直下型地震となる「今市地震」が発生し、このときはM6.2が起きた8分後にM6.4の地震が続けて発生しました。余震は翌年3月下旬まで続いたそうです。
この地震による死者は10名、負傷者は163名とのこと。少々気になるのは和歌山県北部。南海トラフ巨大地震の想定震源域内となります。
小規模な有感地震は頻繁に起きていますが、近年で最大震度4以上を観測したものは次の通り。
【和歌山県北部での近年の最大震度4以上の地震】
2013/06/08 20:39頃, M4.0, 最大震度4
2013/06/08 16:17頃, M3.9, 最大震度4
2011/08/10 08:13頃,...
【全国】種子島近海・奄美大島近海でM4クラスの地震(2019/12/20)
2019/12/20、鹿児島の種子島近海と沖縄の奄美大島近海でM4クラスの地震がありました。
それぞれ最大震度2・M4.5、最大震度3、最大震度3・M4.3となります。深さはどちらも30km。
併せて同日は長野県南部で最大震度1・M2.7と、静岡県中部で最大震度1・M2.6の地震が起きています。
【2019/12/20 19:00までに発生した地震】
■奄美大島近海
2019/12/20 18:31頃, 震度3, M4.3, 深さ30km
■静岡県中部
2019/12/20 14:09頃, 震度1, M2.6, 深さ30km
■長野県南部
2019/12/20 13:51頃, 震度1, M2.7, 深さ10km
■種子島近海
2019/12/20 05:28頃, 震度2, M4.5, 深さ30km
奄美大島近海は比較的地震が多く発生する震源域で、過去10年における目立った最大震度4以上の地震をピックアップすると次の通りです。
【奄美大島近海での近年の最大震度4以上】
2019/02/10 14:34頃, M4.8, 最大震度4
2019/01/08 10:01頃, M4.4, 最大震度4
2016/01/09...
台風19号上陸中、千葉県南東沖で最大震度4・M5.7の地震(2019/10/12)
2019/10/12は非常に強い勢力の台風19号の上陸中に、千葉県南東沖で最大震度4・M5.7の地震がありました。震源の深さは約80km。
ITOITO-STYLEではこれまで、台風と地震の関係・関連の可能性について継続的にお伝えしてきましたが、現象としては台風通過中にその勢力圏内でM5.7の地震が発生した形となりました。
また、この日は午前中に茨城県沖でも震度1, M2.9の小規模な地震が起きています。
さらに10/14には大潮となる満月を迎えます。太陽と月が一列に並ぶこのタイミングでは潮汐力が最大となり、海では大潮が起きます。
昔から満月や新月の時期に地震が起きると言われますが、2016年に東京大学の研究チームによって大潮の時期=満月時に大地震の発生確率が上昇する(大きな潮汐応力が地震を誘発する)という研究結果が出ており、学術雑誌「Nature Geoscience」に掲載されています。
https://www.nature.com/articles/ngeo2796
台風と地震の因果関係についても、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が構築した国内最大の科学技術情報プラットフォームである「J-STAGE」において学術的資料が公開されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsprs/55/5/55_325/_pdf同様の研究は米国のマイアミ大学とフロリダ国際大学の研究チームによってもおこなわれており、大地震がおきたいくつかの被災地では地震発生前の4年以内に激しい豪雨を伴う大型熱帯低気圧に見舞われていることを確認しています。
AFP通信:『大地震は台風の後にやってくる、米大研究』
https://www.afpbb.com/articles/-/2844839
10/12の台風上陸とその勢力範囲で起きたM5.7クラスの地震の直接的な因果関係を証明することは現時点ではかなり難しいとは思いますが、それぞれが同時に発生した現象としては注目するに値するでしょう。
また台風の影響によって各地で大雨特別警報なども発令され、地盤が大量に水分を含み土砂災害の発生リスクも高まっています。
この状態で次に大きな地震が起きた場合、大きな被害が発生する恐れもあります。
2018/9/6に起きた「北海道胆振東部地震」では、前日に台風21号が北海道付近を通過したこともあり、この地域の火山灰を多く含んだ地層で大規模な土砂災害を引き起こしたことは記憶に新しいところです。
ともあれ台風19号による被害は拡大が見込まれるため、台風一過後の復旧復興が急がれると共に、土砂災害などの二次災害と大きな地震発生の可能性に関しても念頭に起き、個人やご家庭レベルでも今後の災害にしっかりと備えてください。
【静岡】静岡県中部で最大震度2、M4.1の地震(2019/10/02)
2019/10/02は、静岡県中部で最大震度2、M4.1の地震がありました。
このあたりを震源とする体感する震度1以上の地震は多くはありませんが、震度2以上に限ると昨2018年は1回、一昨年の2017年も1回でした。2016〜2015年には震度2以上は発生せず、2014年に6回程度です。
このあたりは南海トラフ巨大地震の想定震源域内であり、なおかつ「固着域」。特に静岡県中部には強い固着域が存在していますが、この地震が何か特別危険なものであったり、大きな地震の前兆であったりという情報は発表されていません。
特に静岡にお住まいの皆様は、数十年前から来るぞ来るぞと言われ続けていると思いますので、釈迦に説法かとは存じます。
中央構造線などの主要な大規模断層帯沿いでは体感しない規模の小さな地震は連日多数発生しており、これはプレートの動きによる通常のものと捉えて良いかと思います。
今回の震源のすぐ近くでは、20年近く前・2001/04/03に最大震度5強・M5.1の大きめの地震が起きています。
この時は岐阜県・愛知県でも震度4を観測し、震源から離れた茨木・栃木・埼玉・千葉・富山・京都・大阪などでも震度1を観測しています。
また、2001年の地震では直後に静岡市内で「青白い閃光」が見られました。
この閃光に関しては東海大学海洋研究所による研究報告が公開されています。
『2001年 4月 3日に発生した静岡県中部の地震(M 5.3)に伴う発光現象について』
http://www.scc.u-tokai.ac.jp/~289077/bulletin/files_for_bulletin/33_23-noda.pdf
閃光現象が起きた場所を100m四方まで絞り込めたものの、結論としては明確に閃光の光源を特定するには至っていません。
しかし報告書自体はとても興味深いものですので、ご興味のある方はぜひお目通しください。
なお9月初旬に公表された気象庁による「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」も通常どおりですので差し迫った危険は無いと言えますが、いつ何どき起きるか判らないのが自然災害。
備えをしっかりした上で、何か起きたときにはすぐに対応できるようにしておきましょう。
【関東】伊豆〜父島近海で小規模な地震(2019/09/25)
2019/09/25は、伊豆大島・伊豆地方〜父島近海で小規模な地震がありました。いずれも最大震度は1、M2.4〜M3.6です。
伊豆地方と伊豆大島近海での地震は、ちょうど駿河トラフと相模トラフの接合領域の南側で起きています。
今回注目したのは伊豆・小笠原・マリアナ海溝沿いの父島近海での地震。
最大震度1・M3.6と小規模なものですが、父島近海では時おり大きな地震が発生します。
特に2010/12/22 02:20の地震は震源が浅く最大震度も4だったにも関わらず、マグニチュードは7.4を観測。関東〜東北地方、中部地方などにかけても揺れ、北海道でも震度1を観測しました。
マグニチュードが大きく震源の深さも10kmと浅い地震だったため、当時は東海〜西南日本の太平洋岸地域に津波注意報が発令されました。
このあたりは太平洋プレートがフィリピン海プレートの下へ沈み込んでおり、太平洋プレートはおおむね年間で4cmほどの速さで移動しています。
そして、伊豆周辺での地震は駿河トラフと相模トラフの接合領域で起きていますが、ここから西は南海トラフ。
伊豆だけでなく房総沖などでは頻繁に地震が起きており、このあたりで大きな地震が起きた場合は首都直下地震や南海トラフ巨大地震に連動する可能性も考えられます。
何年も前から環太平洋火山帯は活動期に入ったと考えられており、事は日本列島だけの範囲には収まりません。いずれかの巨大地震発生時には、行政レベルだけでなく国レベルで機能麻痺に陥り、公的な救援・支援活動そのものが受けられないケースも想定しなければなりません。
その上で、私たち一般庶民レベルでもできうる限りの備えをしておく必要があります。まず基本は自助、それから互助・共助です。
房総沖巨大地震・首都直下地震・北海道沖(根室沖)巨大地震・そして南海トラフ巨大地震と、今後30年内に高確率での発生が想定されている巨大地震は複数ありますが、それが妄想や絵空事でないことは、これまでに起きた東日本大震災や熊本地震、北海道胆振東部地震・大阪府北部地震・阪神淡路大震災などが証明しています。
【南海トラフ】巨大地震の想定震源域内、中央構造線沿いで複数の地震(2019/9/7〜9/12)
2019/9/7〜9/12にかけて、南海トラフ巨大地震の想定震源域内、中央構造線沿いで複数の小規模な地震がありました。
南海トラフの弱い固着域の北端側・中央構造線沿いに発生しており、規模はM2.1とM3.3が2回です。
中央構造線などの主要な大規模断層帯沿いでは体感しない規模の小さな地震は連日多数発生しており、これはプレートの動きによる通常のものと捉えて良いでしょう。
前提として、本記事執筆時点での南海トラフ巨大地震に関する気象庁の最新見解は、これまでどおり
「大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」
となっていますので、南海トラフ巨大地震の前兆ではないか?といった心配は基本的に不要ですが、そのためにはいつ起きても対応できるように備えをしておく必要はあります。
南海トラフにおいて海側プレートと陸側プレートが地下で接し動いている部分にあると見られる「固着域」には定点的に強く固着している部分と、広範囲に渡って弱く固着している部分がありますが、弱い固着域部分においては九州東端〜東海地方にかけて、継続的なスロースリップ(ゆっくり滑り)現象が観測されています。
弱い固着部分で破壊が起きるたびに有感地震が発生すると考えられますが、気にしておきたいのは沖合にある強い固着域のいくつかです。ここのひずみが限界を迎えて連鎖的に破壊されたときは、より大きな地震が発生する可能性があります。
以前から南海トラフ巨大地震は必ず来ると言われています。
発生した時に「備えていた人たちとそうでなかった人たち」との間では、その後の被災生活の質は大きく異なることになるでしょう。
2019/09/08〜09/09にかけて、地震ではありませんが台風15号の首都圏直撃で、特に千葉県においては大規模な停電が数日間続く事態となっています。
もし南海トラフ巨大地震が想定される最大の規模で発生した場合、停電だけに絞っても、千葉の停電を圧倒的に凌駕する規模と期間で市民の生活と生命健康に深刻なダメージをもたらす恐れがあります。
とは言え数十年前から来るぞ来るぞと言われて未だに起きないのも事実で、大きな自然災害に対する緊張感を長期間維持するのは不可能と言うもの。
このあたりは気持ちの折り合いを付けて、無理のない範囲で備えを生活の中に組み込む必要があるでしょう。
【東日本】岐阜・静岡・伊豆半島・福島沖でそれぞれ震源が移動するような小規模な地震(2019/07/05)
2019/07/05は岐阜・静岡・伊豆半島・福島沖でそれぞれ震源が移動するような小規模な地震がありました。
いずれも地震がよく起きている領域です。
岐阜〜伊豆半島にかけては南海トラフ巨大地震の想定震源域、福島県沖に関しては東日本大震災の震源からはやや離れてはいるものの、今後30年内に東北〜関東沿いでの再度の巨大地震が懸念される領域内でもあります。
また、7/5は同じ環太平洋火山帯に属する米国のカリフォルニア、サンアンドレアス断層付近で群発地震的な揺れが発生しています。
ちょうど6月下旬に近くのオレゴン州沿岸でも連続する地震が多数発生してぎました。
サンアンドレアス断層と言えば、2015年公開の災害映画「カルフォルニア・ダウン(邦題)」の原題「San Andreas」がちなんだものです。
映画自体はご覧になった方も多いでしょう。ハリウッド作品ということで派手な災害シーンの連続でしたが、思い返せば東日本大震災における津波被害は映画とはまた異なる、現実に起きたこととしての大変なものでした。
「カリフォルニア・ダウン」の予告編動画はこちら:「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言いますが、すでに大雨による被害も起きており、また水分を多量に含んだ地盤の緩みなどに地震が加わることでの次の災害も懸念されます。
重要なことは、まずは「自助」です。自分たちの身は自分たちで守るために備える。最初から国や自治体による救助や支援をあてにしている場合、いざという時に最悪は命を失いかねません。
備えは何もない平時にこそ、おこなっておきましょう。