麺類を茹でた残り湯、どうしてますか?
キャンプ・登山などの野外メシで作って食べるパスタやラーメンはシンプルなものでも格別です。夏なら火照ったカラダに嬉しい冷や麦・素麺、寒い冬ならアツアツの鍋焼きうどんなんかもいいですよね。しかし、気になるのは「茹でた後の残り湯」です。
腹具合に余裕があれば、スープに仕上げて残さずいただいたり、乾麺タイプのパスタであれば使う水の量を調整して茹で上がりと同時に茹で汁が残らないようにすることも可能ですが、麺類を茹でるとどうしても残り湯が出てしまう場合があります。これには麺から溶け出た炭水化物や塩分が含まれるため、そこらの地面に簡単に捨てるのはよろしくありません。
それでも、どうしても残り湯が出てしまうことがあります。モラルあるキャンパーや登山愛好家なら「自然環境へ持ち込んだモノは、極力すべて持ち帰る」を実践されていることでしょう。そんな皆さんにオススメしたいのが「高吸水性樹脂(高分子吸収材)」。数10g持っていくだけで、十分な活躍をしてくれます。
キャンプや登山での「麺類」調理の懸念は「残り湯」
野外で食べる麺類は、お手軽で簡単に調理できて美味しく満足感もあるもの。パスタにラーメン、焼きそばやうどん、冷や麦、蕎麦とレパートリーも色々あります。共通しているのは、茹でるためにそれなりの量の水が必要になること。
そんな麺料理ですが、少なくない方が気にされているのはこの茹でた後の「残り湯」。麺から溶け出た炭水化物と塩分が含まれます。インスタントラーメンなどの場合は、そこに油脂分が含まれる製品もあります。
塩分を含む麺の茹で汁は雑草の駆除を目的として使えるため、環境負荷という点ではキャンプ場や登山地などにそのまま捨てるのは好ましくありません。これをベースにスープなど別の料理に使って完食するのがベストですが、つい多めの水を使ってしまったり参加者が多人数の場合は多少残ってしまうこともあります。
解決策のオススメは「高吸水性樹脂」!
そんな「麺茹で時の余分な残り湯」問題をスマートに解決してくれるのが、この「高吸水性樹脂」。高分子吸収材とか吸水性ポリマーとも呼ばれますが、赤ちゃん用のオムツや女性用品などにも使われている、大量の水分を吸収して内部に閉じ込めてくれる素材です。
これは真水であれば、たった1gで300mlもの水分を吸収してくれます。(過去の記事「被災時のトイレ問題の解決方法(後編)」でも詳しくご紹介しています)
真水では1gで大量の水を吸ってくれますが、麺類を茹でた茹で汁には不純物や塩分があるのでより多めの高吸水性樹脂が必要です。(特に塩分が吸水性を下げる要因になります)
しかし、多少量を増やせば十分に機能してくれるので、編集部スタッフはキャンプ用に高吸水性樹脂を30ml仕様のナルゲンボトルに入れて常備しています。だいたい1回に使う量は残り湯300ml想定で10g。30mlのナルゲンボトルで約3回分です。
高吸水性樹脂を実際に使ってみよう!
麺類を茹でた残り湯があらかた冷めたら、高吸水性樹脂を10gほど投入します。塩分濃度によって量を調整する必要がありますので、多少の余裕を持って用意しておけばいいでしょう。使用量はたかが知れていますので携行性に問題はありません。
真水であれば高吸水性樹脂の投入直後から一気に吸水が始まりますが、残り湯の場合の吸水スピードはゆっくりです。
スプーンや箸でかき混ぜてしまいます。すると、どんどん水分を吸ってモコモコの状態になっていきます。
「大根おろし」ではありませんよ。吸水が完了した状態の高吸水性樹脂です。
あとは持ち帰って燃やすゴミとして捨てるだけ!
というわけで残り湯はすべて高吸水性樹脂に吸い取られてジェル状の状態になりますので、こんな風にビニール袋に詰め込んでしまえばいいわけです。持ち帰ったら「燃やすゴミ」として捨てられます。
持ち帰りの際は、こうやってクッカーに詰め込んでしまえばビニール袋が破れる心配もなく、何回分かをまとめることができます。
というわけで、意外とこの「高吸水性樹脂」はキャンプや登山の食事の際の余剰水分の後始末にオススメです。編集部スタッフはキャンプ用途だけでなく、簡易トイレ用などの防災用としてもキロ単位で備蓄しています。
まとめ
普段はあまり馴染みのないと感じる高吸水性樹脂ですが、乳幼児用品や介護用品、衛生用品など意外と身の回りにあるものです。とにかく余剰水分を直接的な水分の形以外で処分したいときに威力を発揮するので、今回のような麺類を茹でた際の残り湯の処分以外でも、トイレが無い条件下でのキャンプ・登山の際にも尿処理用としても活用できますし、簡易トイレという点では長距離ドライブの際に用意しておくとイザという状況に対処できます(特に小さなお子さん連れのファミキャンなどにも威力を発揮します)。
「簡易トイレ」という形で小分け包装で販売されている商品も便利ですが、高吸水性樹脂をキロ単位で用意しておけばコストパフォーマンス的にはかなりメリットが大きいです。ニオイが気になる水分を処理する場合は、併せて「驚異の防臭袋」あたりを使用するとニオイ対策も万全。どちらもかさ張るものでは無いので、キャンプや登山・また長距離ドライブのお供に連れて行くと諸々安心です。