トップ 読み物 災害時のトイレ問題 ~ 女性トイレは大行列、公共トイレは💩💩💩があふれる!

災害時のトイレ問題 ~ 女性トイレは大行列、公共トイレは💩💩💩があふれる!

大震災の度に繰り返される、被災地でのトイレ問題。今後の発生が懸念される南海トラフ巨大地震や首都直下型地震では、いままでの震災の比ではない数の被災者の発生が予測されています。何も備えずに次の大災害が発生したとき、トイレ問題は衛生面を含めて極めて深刻な状況を引き起こします。

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過去の震災経験に学ぶ、災害時のトイレ問題

2018年3月11日は東日本大震災からちょうど7年目となりますが、まだまだ当時の光景が容易に思い浮かびます。

激しい揺れの後、電気が途絶え信号灯が消えた交差点、店頭から刻々と姿を消す生活物資。テレビの緊急ニュースで報じられる被災地に押し寄せる津波による甚大な被害や原発の深刻な状況。

今では当時の大変な状況を収めた写真や映像が簡単に入手できること以上に、東日本大震災後にも熊本地震や鳥取県中部地震など、日本各地で大小多くの地震が発生しているという状況にあるからかもしれません。私たちは日本のどこに住んでいても、大地震にいつ遭遇するかわからないのです。

過去の大災害に遭遇した人たちが、そのとき何に困り、何が必要だったのか。そしてどのように行動すべきだったのかといった情報を数多く残してくれています。

そこから学ぶべきことはたくさんありますが今回は、発災時および避難所生活の中で困ったことのトップに挙げられることが多い「トイレ問題」に注目したいと思います。

備災FUN!』では、次の震災・災害に備える「備災」をテーマに、被災時にも大活躍のアウトドアグッズを日常で活用して「楽しみながら備える」情報をメインに発信しています。

いまだ改善できない被災時のトイレ問題

今現在でも、駅や高速道路のサービスエリア・デパートに観光施設などの女性トイレの前に、長蛇の列がある風景を目にすることは少なくありません。行列ができるのは、いつも女性トイレのみ。時には、我慢できずに男性トイレに飛び込む女性の姿があるのもご存じの通りです。

女性の場合、身だしなみを整えたり、洋服の構造上、男性よりもトイレの利用時間が長くなるため必然的に長蛇の列ができます。

もっともこうした事態に遭遇するのは人が多く集まる場所だけであり、通常は行列に並ぶことなく女性でもトイレを利用できます。

しかし、大きな災害に直面した場合はどうでしょうか。これまでの震災時に途絶したライフラインの回復までの期間をみると、電気→ガス→水道の順番で回復しています。水道を利用できるようになるまでは、もちろん水洗トイレも利用できません。

東日本大震災では、1週間で断水を解消することができた水道事業者は5割強にとどまっています。つまり、被災前の「もとのトイレ環境」に戻れるまでには1週間以上もの時間が必要になるかもしれないのです。

もちろん震災などの大災害の経験を重ねるたびに、国や自治体による仮設トイレ設置までの対応速度や設置数などは徐々に改善されてはきていますが、特に女性用トイレで発生する大行列は深刻な問題として抜本的に改善されるには至っていません。

阪神淡路大震災では、兵庫県内の9割にあたる125万世帯が断水し全体復旧まで3か月を要したため水洗トイレも長期間使用不能となり、避難所のトイレには汚物の山ができて「トイレパニック」という言葉が生まれました(「トイレ衛生対策2・震災経験から学ぶ災害時のトイレ」より)。

東日本大震災の時も、避難所に仮設トイレが行き渡るまでには数日を要しており、3日以内に仮設トイレが行き渡った自治体は被災地全体の3割強にとどまっています(「東日本大震災3.11のトイレ - 現場の声から学ぶ」より)。

熊本地震においても、断水により自宅水道が使えないために公園などの公共トイレの利用がありましたが、水道が使えないのはこちらも同様。便器からは溢れるほどの糞便が溜まり、衛生上の問題も懸念される状況であったことが報告されています(「いがモバ・被災地の現実・メディアが伝えない熊本のトイレ問題」より)。

また多目的トイレなどは当然なく、避難所でも断水で屋内のトイレが使えないため屋外の簡易トイレの利用となるため、高齢者はトイレまでの往復を躊躇して水分摂取を減らし体調に影響が出たり、夜間は灯りが無いために女性や子供さんにとってもトイレへ行くことは不安であったり。

また、車中泊の人たちとの共同利用や、避難所での集団生活のためトイレを利用する時間帯が重なるなど、避難所でのトイレ事情も極めてストレスフルになることが判っています。

お風呂に溜めた湯水は、災害時トイレに使える?

従来、災害に備えてお風呂のお湯は入れたままにして、いざという時はトイレを流すことに使うといったことが言われてきましたが、現在ではそう簡単にいきません。

大震災発生後は下水管や排水パイプが破損している可能性があり、その場合トイレを流すとパイプが詰まったり破損箇所から水と排泄物が一緒に溢れ出すことになります。特に、マンションやアパートなどの集合住宅の場合、階下宅に被害が出ます。

下水管が破損している場合、そこに汚物を含む汚水を流すと、破損箇所からの漏水することで周辺地域が汚染される可能性もあり、感染症の発生に繋がることもあります。

大震災が発生した直後からしばらくの間は上下水道が止まって断水し、自治体のゴミ収集業務もストップするため被災地では広範囲にわたって衛生状況が一気に悪化していきます。

回収されず腐敗した生ゴミを目的としたネズミやゴキブリなどの害獣害虫が病原菌を媒介することも十分考えられるため、抵抗力の低い乳幼児やお年寄りにとっては、最悪、命にかかわる状況に至る可能性もあります。

以上のことから、災害時はお風呂に溜め置いた水を、安易に用を足した後の水洗トイレを流すことに使うことは極力避けなければなりません。

簡易トイレこそ、災害備蓄の必須品

では上下水道が機能しない、仮設トイレもない、こうした場合にはどうしたらよいのでしょうか。1つの手段としては上下水道が無事な地域へ避難することが考えられますが、発災直後は移動も容易ではありません。

東日本大震災では被災地の津波が押し寄せ、同じ町内での避難すらままならずに命を落とされた方々がおられ、熊本地震では移動の要となる道路が寸断されました。阪神淡路大震災では広い範囲で火災が発生し、いずれの震災においても数多くの建物の倒壊により通行不能となる道路が数多くでています。

結局、食料と同様に水を使わない「簡易トイレ」等を備蓄しておくことが、災害時のトイレ事情に対応する重要な要素となります。

避難所の仮設トイレが設置されれば、それを利用することができるようになります。しかし前述のとおり、これまでの震災での避難所のトイレで起きた諸問題や、仮設トイレに関しては汚い・臭い・暗い、外に設置されていて寒い、和式で使いづらい、段差があって子どもやお年寄りには使いづらい、男女共用で嫌だ、待ち時間が長いなどの声が記録に残っています。

仮設トイレが設置されても、それは快適なトイレ環境が約束されているわけではないのです。特に、女性にとって生理期間中のトイレ問題は深刻です。もし自宅が無事なら、自宅のトイレを活用する・自宅内に組み立て式のトイレを設置するなどして、できるかぎりストレスが少ないトイレ環境を作るための備えをしてはどうでしょうか。

備蓄しておくべき簡易トイレと必要な量

では、何をどれくらい準備すればよいのか。いったいいくらかかるのでしょか。一般的には、人の排尿回数は1日4回~6回、排便回数は1~2回と言われています。これにトイレ環境回復までの期間と家族人数をもとに備蓄量を考えます。

期間については最低限、仮設トイレが設置されるまでの3日分・可能なら1週間分を想定します。ITOITO-STYLEとしては、2週間分の備蓄を推奨します。

具体的に検証してみましょう。4人家族が自宅のトイレが使える場合(水は流れない)を考えてみます。

4人(家族)× 7回(1日のトイレ利用回数)× 14日間 = 392回分

4人家族の場合は、約400回分のトイレ利用に必要な資材の準備が必要ということになります。

では、1回分を処理するための資材には、いくらぐらいかかるのでしょうか。
入手が容易な市販品のセット(凝固剤と汚物袋のセットが基本となり、大容量の場合にはそのセットを集約してためておく大袋等がセットになっている)は、1回当たり90円~160円くらいで購入できます。1回当たり100円として計算してみましょう。

100円 × 400回 = 40,000円

結構な金額になりますね。その上、段ボール箱で数箱分の量になるので、収納場所にも困りそうです。その場合は1週間分の備蓄にして、半分に減らすということも考えられますが、ITOITO-STYLEでご紹介している方法であれば、費用および収納場所の節約ができますので、参考にしてください(「簡易トイレとして使用できる素材を個別に調達した場合」)。費用および収納場所を約半分に抑えることができます。

2週間分の簡易トイレをコンパクトに備蓄する最善策

これは編集部スタッフが実際に備蓄している「簡易トイレ」のセット。「ちょっと何を言っているのかわからない」と思うかもしれませんが、左の黒いポリ袋はお解りいただけるとして、中央は高吸水性樹脂(高分子吸収材)、右は主に介護用に便利に使われている「防臭袋」です。

高吸水性樹脂は、市販の小分けされた簡易トイレにも使われている「おしっこ」を吸収させるものです。編集部スタッフが備蓄している高吸水性樹脂「CP-1」。1.5kgの大容量です。

簡易トイレ用途の推奨使用量は1回あたり10gなので、4人家族構成としてそれぞれ1人1日あたり5回おしっこをする場合、この1.5kgは約1週間分。2週間分なら2袋を備蓄しておけば十分ですね。

防臭袋は、育児用や介護用としてユーザーの多い「驚異の防臭袋 BOS」。「うんち」の臭気成分は強力なため、一般的なビニール袋などでは密封しても素材を通過してニオイ漏れします。

しかし、この防臭袋はうんちのニオイもしっかりシャットアウトできる素材であるため、すでに使い捨てオムツを廃棄するまでの期間、この中に入れてニオイ対策をするユーザーが多い製品。当然、ご家庭における被災時のトイレ問題(特に「うんち」対策)には極めて有効です。

いずれの場合も、ご家庭のトイレを簡易トイレ化する場合、便座の下の便器内に黒いポリ袋をセットし、おしっこの場合は「高吸水性樹脂 CP-1」を1回あたり10g投入して用を足します。うんちの場合は、ポリ袋に直接用を足します。

いずれの場合も、用を足した後はできるだけポリ袋の空気を抜いてから袋のクチを縛り、最後に防臭袋に入れて改めて袋のクチを縛って密封し、廃棄用のバケツなどに収めます。

簡易トイレの使用に関する詳しいレビュー記事をこちらに掲載しているので、ぜひ御覧ください。

被災時のトイレ問題の解決方法(前編)

被災時のトイレ問題の解決方法(後編)

まとめ

災害に対する家庭や個人での備蓄というと、ついつい水や食料ばかりに意識が行きがちですが、食べたり飲んだりすれば当然「出る」わけで、その時にトイレがまともに使えない状態では被災時の生活を乗り切ることは困難です。

大きな災害を経験するたびに、確かに国や行政による簡易トイレ設置は充実してきていますが、まだまだ抜本的解決には程遠いのが実情です。災害が無くても、例えばゴールデンウィークや夏休み・正月休みなどの長期休暇の時期には、高速道路のサービスエリアのトイレですら大行列します。

今後の発生が懸念されている南海トラフ巨大地震や首都直下型地震では過去の震災での被災者数を大幅に上回ることが想定されていますが、避難所の圧倒的不足が言われています。当然、トイレに関してはこれまで以上に深刻な問題となるはずです。

そうなると「備えていた人たち」と「備えていなかった人たち」の間では、被災時の生活の質には大きな差が出てきます。備えるべき品々は、いざ有事となった場合はもう手に入りません。備えるべきタイミングは、何もない今のうちです。

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