「キャンプ入門」に最適な花見の季節
今年もお花見シーズンがやってきました!ネットやテレビのニュースなどで全国各地の桜の名所から、徹夜で場所取りをする方々や桜そっちのけで酒宴に興じる皆さんの映像が入ってくる季節です。みなさんは例年、誰とどのようなスタイルのお花見を楽しんでいますか?
職場やサークルなどの仲間と大人数でワイワイとやる宴会型のお花見はもちろん楽しいですし、家族や親戚・はたまたご近所さんなどと一緒に、お弁当を用意しての花見もいいですね。
夫婦や恋人同士でのデュオ・スタイルはもちろん、あえて1人で混雑しない平日を使って、静かに花を愛でながらお酒を楽しむ「ソロ花見」などもオツなもの。
今回は少人数でのお花見スタイルを楽しみたい方にピッタリ、特に2人で行くデュオ・スタイルでの入門編としてもオススメのキャンプグッズをご紹介します。これを使えばちょっとしたスペースさえあれば十分なので、花見スポットで前夜や早朝から場所取りをしなくて済むかもしれませんよ!
2018年の最速のソメイヨシノの開花は高知で3月15日。平年より1週間早いそうです。東京では3月17日で都心の満開予想日は3月29日となっています。以降の開花予想は宮城で4/6、青森で4/20、北海道で4/26と続きます。
都心では過去同じ日が満開だったのは2015年ですが、その日の最高気温は20度、最低気温は9.5度でした。昼間は暖かいようですが、10度を下回る朝晩はまだまだ肌寒いですね。
それに春の天気は不安定で雨が降り続くこともあり、ベストコンディションでのお花見を楽しむことができるとは限りません。
そんな時でもコンパクトで携帯しやすいキャンプグッズがあれば、快適な「しっぽり花見」を満喫できます。
またキャンプグッズは防災用としても優れていますが、いざという時にその威力を発揮させるには日頃からの使いこなしが重要です。つまり、日頃からキャンプを嗜んでおけば自然とグッズを使いこなせるようになるわけです。
しかし初心者にとっては、いきなりテントやタープなどの「大物」に手を出すのはハードルが高いもの。まずは汎用性の高い手頃なものから始めてみましょう。
デュオ・スタイルでのお花見用にオススメのキャンプグッズ
編集部の独断と偏見によるチョイスです。大きめのトートバッグ1つに収まるだいたい以下の5点セットがオススメです。
花見となればお酒の一杯もやりたいもの。徒歩や電車での持ち運びに最適です。
① 圧倒的に小さいサイズに折りたためるチェア(イス)
② 圧倒的に小さいサイズに折りたためるテーブル
③ シングルバーナー&クッカーのセット(アウトドア用の携帯ガスコンロと小型の鍋)
④ 小さめのレジャーシート
⑤ 小さめのひざ掛け + カイロ
それぞれこのようなグッズになります。チェアやテーブルは片手で持ち運べるコンパクトなものを選びましょう。
実際に詰め込んでみたのが上記の写真です。
では、それぞれ編集部スタッフが実際に購入して愛用中のグッズを中心に、オススメポイントをご紹介していきます。
① 圧倒的に小さいサイズに折りたためるチェア(イス)
収納状態のチェア。いずれの編集部スタッフが実際に購入して愛用中です。
上側は「ヘリノックス(Helinox)のチェアワン」で、収納時の長さは35cm・重さはたったの890g、耐荷重は145kg。
下側は「DOD(旧:DOPPELGANGER OUTDOOR)のC1-101」で、収納時の長さは35cm・重さはたったの965g、耐荷重は80kg。
それぞれを組み立てた状態。お尻を包み込んでくれるので、コンパクトな割に座り心地は抜群です。
こうしたチェアを使うメリットは以下の通り。
・イスがあるとお尻を冷やさずに長時間花見を楽しむことができます。
・雨上がりの湿った場所でも利用可能。
・コンパクトで軽いので携行性も良好。
【寸評】
花見と言ったら定番はレジャーシートやブルーシートというイメージが強いわけですが、まだ肌寒い時期のため地面に座り続けるのはちょっとツラいですね。特に女性や冷え性の方には長時間のレジャーシート座りはキビシイもの。
そこでオススメはこのタイプのチェア。お手頃価格のものからキャンプ愛好家の間でも評価の高いブランドギアまで様々なものが出ています。とりあえず2脚用意しておくと、花見だけでなく今後のキャンプで大活躍すること間違い無し。
予備としてカバンに入るレベルのさらに小さなものを揃えておけば、出先でちょっと座りたいときなどにも便利です。
② 圧倒的に小さいサイズに折りたためるテーブル
アウトドア用テーブルで編集部スタッフ愛用の1つがこの「ヘリノックスのテーブルワン」。収納時の長さは60cm、重さはたったの610g。
アウトドアでテーブルを使うメリットは以下の通り。
・春は虫が活発に動き始める時期。テーブルがあれば食べ物や飲み物も比較敵安全。
・飲食物や小物を安定して置くのに便利
・コンパクトで軽いので持ち運びしやすい。
【寸評】
花見の時期は暦(こよみ)の上では「啓蟄(けいちつ)」と呼ばれる時期とも重なり、『冬籠りの虫が這い出る』という意味の春の季語でもあります。レジャーシート上に遊びに来たアリなどの小さな虫たちが食べ物にたどり着くことだけは避けたいですね。
そんな場合でも、このようなテーブルがあればだいたい安心です。最近はとてもコンパクトなテーブルが各社から発売されているので、チェアと併せて1つあると行楽シーズンにはとても便利です。
コンパクトなアウトドア用テーブル各種。手前はマンガ「ゆるキャン△」でもおなじみのアルミロールテーブル、左は小さなプレート状に折り畳める国内SOTOブランドの「フィールドホッパー」。
アルミロールテーブルとフィールドホッパーを折りたたむとこの程度のサイズ感です。どちらも万能なので、1つ揃えておくと様々な用途に重宝します。
③ シングルバーナー&クッカーのセット
このシングルバーナーはゴトク部分のガス噴出孔が家庭用ガスコンロのゴトクに似た形状を持つ品。編集部女性スタッフにも「扱いやすい」と人気が高いです。
クッカーは国産のユニフレーム・ブランドから「山クッカー・角型3」。アルマイト加工された大鍋・小鍋と、こびりつきにくいフッ素加工されたフライパンのセット。
シングルバーナーはアウトドア用の携帯ガスコンロ、クッカーは小型の鍋です。
これらを利用するメリットは、
・おつまみや飲み物を手軽に暖めることができる。
・手をかざせば、ちょっぴり温かい。
・小さく軽いので携帯するのにもってこい
【寸評】
アウトドアで火を使った調理となると、ゴツいバーベキューコンロを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、手のひらサイズの小さなコンロ、シングルバーナーがオススメです。
クッカーと呼ばれる小さなアウトドア用の鍋類があれば、出先でも簡単にちょっとした料理が作れます。クッカーが無くても、シングルバーナーで缶詰を暖めるといった使い方もオススメです。
なお「山クッカー角型3」に関しては別途、詳細なレビュー記事を公開していますので、こちらもせひ御覧ください。
使用するテーブルが可燃性素材の場合は、シングルバーナーはこのような金属製のサブテーブルで使うと安全で便利です。
なおシングルバーナーは使用するガス管の種類や形状に応じて、2種類くらい用意しておくと使い分けができます。両端はアウトドア用の「OD缶」を使用するタイプで右はPRIMUS(プリムス)のP-155S。バーナーとガス缶を分離した形で利用できるタイプ。
中央は100円ショップでも手に入るカセットボンベ「CB缶」を使用するタイプで、SOTOのST-310。CB缶仕様タイプとしてはロングセラーとなるもので、寒冷地でも利用できるマイクロレギュレーター構造を採用しています。
若干割高なOD缶に対して、リーズナブルなCB缶からガスを詰め替えるためのアダプターもあります。メーカー保証外の自己責任にはなりますが、ガス詰め替えアダプターはかなり高いコストパフォーマンスを実現してくれます。
④ 小さめのレジャーシート
・荷物を置くために準備
・小雨程度なら雨よけになる
【寸評】
意外と見落としがちな「荷物置き場」。小さめのレジャーシートシートを活用しましょう。地面に敷くので汚れたり破損したりしても良いものを。100円ショップでも手に入ります。
小雨がぱらついてきたら、濡れては困るものの上にかぶせたり撤収時に頭上に掲げて雨よけに。
お花見セット・プチキャンプバージョン!
トートバッグに収まる範囲で、こんな感じの宴席が出来上がります。ここにタープを追加すれば、デイキャンプバージョン。
グッズを詰め込んだトートバッグのサイズ感。女性でも比較的ラクラクです。
人数が4人程度までなら、大型のトートバッグで対応できます。こちらはキャプテンスタッグの大型収納トートバッグ。75リットル入る大容量。
チェアを2つ追加して合計4脚、テーブルも前述の3点をすべて収納したところ。まだ余裕がありますが、さすがに重量感が増してきます。持ち運びは男性陣の出番。(バッグ2つに分割するという手もありますね)
大型トートバッグのサイズ感はこちら。さすがに大きいですが、なんとか持ち運べます。後のデイキャンプや宿泊を伴うキャンプでも、かさ張るサイズの荷物をひとまとめに収納できるなど便利に使えます。
まとめ
春から秋までの間は絶好のキャンプシーズンです。世間一般的にはキャンプといえば夏というメージが強いと思いますが、冬を含めて通年で楽しめます。近年ではソロキャンプ愛好者の増加や女性層の参入によりハイシーズンに向けて人気のグッズは品薄になったりするものもあります。
これからキャンプを始めてみたい場合は、まずはお花見を兼ねて最小構成のグッズ類を使い、チェアで過ごすプチキャンプからスタートし、ゴールデンウィークあたりにはタープやテントを使ったリビングで過ごすデイキャンプへ、夏以降は本格的に宿泊キャンプにチャレンジといったステップアップもいいと思います。
編集部では梅雨〜夏の雨天時や真冬でもテントでの宿泊をともなう冬キャンプを楽しんでいますが、雨をしのぐための対応や氷点下の夜に自力で暖を取りながら過ごす冬キャンプができるようになる頃には、グッズ類も必要なものが揃い、使い方も把握できています。こうなれば、災害時でも(無事であれば)キャンプグッズを駆使したり様々な工夫をこらして乗り切ることができるようになるでしょう。
「非常用持ち出し袋」を準備されている方も多いと思いますが、準備したらクローゼット等にしまいこんで意外と使ってみたりしないものです。しかしいざ非常時となった場合に、それまで使った経験のない道具でスムーズに乗り切れるでしょうか?
非常時こそ、日頃から使い慣れたものによる安心感というものがあるはずです。キャンプは来るべき非常時への演習と捉えれば、文字通り「楽しみながら備える」ということができます。
防災・備災に関心はあるけどまだキャンプはやったことがないという方、そろそろキャンプを始めてみてはいかがでしょう?電気・ガス・水道が当たり前に使える日常とは違う環境に身をおくことで、見えてくる別の何かがあると思います。