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備蓄食料は真空パックで長期保存!実際に試して徹底レビュー

食料備蓄の課題の1つは「消費期限を忘れる」こと。いわゆる「ローリングストック法」と言われるローテーション消費が基本ですが、不慣れなうちはついつい消費期限を忘れて気がついたら期限切れになっていることも。解決方法の1つはご家庭での「食材の真空パック」です。

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備蓄食材の長期保存に真空パックを活用

災害対策として日頃から食料備蓄をされているかたも多いと思いますが、2020年初旬は新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請によって備蓄を始めたかたも多いと思います。報道などを観る限りでは、主食面ではコメやパスタ・インスタントラーメンなどに需要が集中したようです。

 

大量に備蓄した場合の課題は「賞味期限切れを忘れる」こと。解決手段の1つとして、ローテーション消費と併せて「真空パック」を活用してみましょう。

備災FUN!』では、次の震災・災害に備える「備災」をテーマに、被災時にも大活躍のアウトドアグッズを日常で活用して「楽しみながら備える」情報をメインに発信しています。

家庭でもできる「真空パック」

真空パックと聞くと、なんとなく個人や家庭レベルでは難しそうなイメージがあるかもしれませんが、今は本格的な真空パック用の機器が手軽かつ安価に入手できます。通販サイトなどでは数千円レベルからの商品も。

(写真は編集部スタッフが災害対策として実際に備蓄している食料の一部)

 

「お米やパスタ類を大量に備蓄してしまったけど、賞味期限を考えて消費する自信が無い」という場合は、こうした手頃な真空パック機を購入して、とりあえずパックしてしまいましょう。

 

というわけで、いつものように編集部スタッフが実際に購入して愛用している真空パック機器を用いて、具体的な活用方法をご提案します。

真空パック機器の選び方

各社から様々なモデルが発売されており価格も様々。どれを選べば良いのかわかりにくいのですが、独断と偏見による選択基準は次の4点。

 

① 使用する「袋」は専用品以外も使える(低ランニングコスト)
② 汁物や水分を含むものでもパックできる(調理済み惣菜などにも対応)
③ 内部洗浄とメンテナンスがしやすい(特に食材から出た水分を吸った場合に)
④ 使用方法が解りやすくサポートが手厚い

以上の基準で選択したのが、「FOOD SHIELD(フードシールド)JP290-Plus」。上記をすべて満たし使い勝手も簡単かつ良好です。特に汁物や水分を含むものでも、安心してパックできる「大容量集水カップ」が付いたモデルを使用しました。

図解のわかりやすい日本語の取扱説明書も添付され、様々な使いかたを実演する 公式YouTubeチャンネル も開設されています。

(※真空パック機器の使用時は商品に同梱されている取扱説明書を読み、ご理解の上で正しくお使いください)

オススメの真空パック備蓄食材

長期備蓄を目的として初めてでも手軽にパックしやすいものは、何と言っても「お米と乾麺・乾物」でしょう。

 

無洗米・パスタ・インスタントラーメン・乾燥ワカメやヒジキなど(水分を含まないもの)。

(写真は無洗米を2合づつ真空パック)

 

真空パックの練習用にも適しており、そのまま長期備蓄品として保存できます。お米や乾麺・乾物なら真空パックしてしまえば腐敗などの心配は最小限です。

 

なお、これらをパックした後の賞味期限の考えかたとしては、表示されている賞味期限の約1.5〜2倍程度としてください。真空パックと言えども過信は禁物です。さらに万全を期したい場合は、乾燥剤や脱酸素剤を同封して真空パックするのもいいでしょう。

(写真は早ゆでタイプのマカロニ)

 

パスタの場合、備蓄に向いているのはマカロニに代表されるショートパスタが真空パックにオススメ。早ゆでタイプなら水や燃料費なども節約になり、災害備蓄だけでなくキャンプなどのアウトドア用の食材としても活用されています。

インスタントラーメン(袋麺)をパックする場合は、インスタントラーメン自体の包装袋に2箇所程度切れ込みを入れてからパックします。包装袋内にある程度の空気が入っているため、そのままだと包装袋内部にある空気が残ったままになってしまいます。

実践!食材真空パック 〜お米編〜

日本の食卓に欠かせない主食が「お米」。保存性も良く備蓄用にも最適な食材の1つです。停電して電子炊飯器が使えなくても、固形燃料やカセットコンロで炊くこともでき、キャンプなどのアウトドア愛好家なら「焚き火」での炊飯も定番です。

 

そんなお米も、空気中の酸素と結合して酸化したり吸湿して劣化していきます。スーパーなどで売られているお米が入っている樹脂系素材の袋には空気抜きのための微小な穴が空いているため、酸化やコクゾウムシなどの虫が入らないように長期備蓄には注意する必要があります。そんなお米の家庭での長期保存には、真空パックが最適です。

 

実際のパック方法は次のとおりです。

炊飯1回ごとの使い切りサイズでナイロンポリ袋にお米を入れます。使用している真空パック機はポリ袋なら何でも使えるタイプですが、今回は真空パック用途で汎用のナイロンポリ袋「クリロン化成(株)の彊美人(きょうびじん)」シリーズから140mm × 200mmサイズのタイプを使い、2合づつパックすることにしました。

真空パック機の圧着フタを開けて準備。中央は脱気用ノズルを出したところ、横方向に伸びる銅色のラインはポリ袋を加熱して溶着させるためのヒーターです。

 

ノズルを覆うようにポリ袋をセットします。この際、ノズル部分に空気の通り道ができるように、食材を近づけたり袋にシワを作ることがコツ。空気の通り道が塞がれてしまうと、うまく脱気できません。

圧着フタを閉じて真空パックを開始。吸気を抜くための脱気時間と、ヒーターでポリ袋を溶着する時間は1秒単位で調整できます。

無洗米2合分の真空パック完了、フタを開けて取り出すだけです。パック時にエージレスなどの脱酸素剤などを同封すれば、より保存性が高まります。

2合(1合150g × 2)づつパックして、10パック完成。お米1合を炊くと2人前弱程度ですので、2合は3人前強〜4人前弱くらいの量です。パックした日時とお米袋に記載の賞味期限は書いておくと便利です。

 

購入したままのお米の標準的な保存期間は、気温と湿度が上がる春〜夏なら精米後1ヶ月。逆に秋〜冬なら2ヶ月が目安。
真空パックすれば常温でおよそ1年、冷蔵庫なら2年程度鮮度を保つことができるとされます。

自家製の真空パック食品も作れる

編集部スタッフは自宅でよく「サラダチキン」を作っていますが、その際にも真空パック機を活用しています。

生の鶏むね肉に味付けをしたら、そのまま真空パックしてそのまま70度以上の熱湯で60分程度ボイル(食中毒を防ぐなら80度で30分間以上または100度なら数分以上)。

粗熱が取れたら冷蔵庫へ。これなら食中毒のリスクも最小限に抑えられますし、保存期間も伸ばすことができます。

 

しっかりと火を通した調理済み食品の冷蔵保存時の賞味期限は、食材の鮮度や状態にもよりますが清潔な状態でおおむね3日程度。これを1週間までは伸ばせます。

こちらは自家製の菜の花の漬け物を真空パック。素材を軽くボイルしてから漬け汁となる調味液と一緒にパックします。パック後には殺菌のため再度短時間ボイルして冷蔵庫へ。

「割干し大根」なども保存食として作りやすくなります。写真は空気が乾燥する冬に編集部スタッフが仕込んだ割干し大根。厚切りで機械乾燥ではない完全天日干しです。

1週間程度で干し上がり。実は大根の重量の95%は水分です。幅広・分厚くカットした大根も、干してしまえばかなり小さく軽くなります。

念のため乾燥剤を同封して真空パックしました。乾燥野菜は、まとめて作って普段遣いできる「備蓄野菜」としても使いやすい食材です。

他にも休日に自家製のカット野菜の真空パックをある程度まとめて作って冷蔵保存しておくと、平日の料理がラクだったりと、料理の幅が広がり効率化も可能です。

災害時、被災生活がある程度長引く場合の食事でこれまで指摘されたのは「野菜不足」。解決策はいくつかありますが、1つは「乾燥カットわかめ」の備蓄です。入手しやすく保存性も高い食材。

市販の乾物は賞味期限が半年〜2年程度と比較的長めに設定されていますが、徳用サイズを購入して1回ぶん程度づつ小分けして真空パックするとさらに長期保存も期待でき、使い勝手も良く高コスパ。

(※甲状腺疾患をお持ちの場合、海藻に含まれるヨウ素の摂取が制限される場合がありますので、該当される場合は先に主治医にご相談ください)

乾燥カットわかめと一緒に備えておきたいのが、インスタントラーメンの真空パックです。備蓄食料としても大きな立ち位置を確立した便利食ですが、そのままではほぼ炭水化物のみ。

乾燥わかめや缶詰の焼き鳥などを加えれば、備蓄食料としても一定の栄養バランスが期待できる組合わせです。

(※袋入りインスタントラーメンを真空パックする際は前述のとおり、包装袋に切れ込みを入れて内部の空気も同時に脱気されるようにするのがコツです)

真空パックと言えども過信しない

真空パックした食材であっても、常温保存するとボツリヌス菌が増える場合があります。ボツリヌス菌は酸素が少ない状態でも増殖して毒素を出し、食中毒の原因となる細菌のひとつです。

 

自家製を含む惣菜類を真空パックする際は、パック後にしっかりとボイルなどで加熱しておきましょう。また惣菜類などは真空パックしたからと言ってそれを過信せず、早めに消費し切るようにしましょう。

(ボツリヌス菌に関する情報や食材別の賞味期限目安などは、参考情報として記事末にリンクを記載)

ちょっと変わったものを真空パック

真空パックして便利なものは食材に限りません。たとえば医薬品・タオルなどの布類・嫌気性の接着剤などのパックにも活用できます。

【医薬品の保存】
常備薬などが余ってしまった場合、真空パックして保存することもできます。備災・防災用として非常用持ち出し袋に入れておくのも良いでしょう。

病院での処方薬は基本的に用法用量を守ればすべて飲みきることが前提ですが、万が一余ってしまって保存したい場合は、主治医に確認した上で真空パック保存を検討してみてください。

なお病院などで処方された医療用医薬品は、製造後、未開封の状態で3〜5年が使用期限とのこと。
(参考情報:製薬協「Q29くすりの使用期限と上手な保管方法は。」
市販薬の賞味期限についてはパッケージを確認してください。

【タオルなどの布類】
旅行などに行く場合や非常用持ち出し袋にタオルなどを入れておく場合に、真空パックすればコンパクトにできます。

写真は、真空パック用の袋ではなく一般的なチャック付きポリ袋で真空パックした例。今回使用した機器であれば、表面が滑らかな素材のポリ袋であれば比較的どれでも真空パック用に使うことができます。

【空気に触れさせたくない接着剤や補修剤などの保存】
接着剤や補修剤などにおいては、一度開封してしまうとフタをしめても微妙な隙間から空気中の水分を取り込んで、固化して使えなくなったりフタが開かなくなってしまうものがあります。

これは編集部スタッフがキャンプ用品の補修などに使っている「シームグリップ」という防水補修剤。使用開始後は使いかけを放っておくとすぐに固まってフタが開かなくなってしまうので、保存は極力空気に触れないようにして冷蔵保存するなどの工夫が必要です。しかし、これも真空パックしてしまえば安心。

どの「真空パック袋」を使えば良いの?

真空パック機「FOOD SHIELD(フードシールド)JP290-Plus」は専用の真空パック袋は必要としないのが特徴の1つです。ジップロックに代表されるいわゆる「チャック付きポリ袋」でも真空パックできます。

市販のナイロンポリ袋なら何でも使えるので、あらかじめ100毎単位で購入しておくといいでしょう。ただナイロンポリ袋にも多くのサイズがあるので、どれを購入すればよいか迷うところです。

編集部スタッフも当初どれを買えばよいか迷ったので、サイズが異なる大〜小のナイロンポリ袋を5種類ほど実際に買って試してみました。

ナイロンポリ袋は、真空パックに使える市販のナイロンポリ袋でもっともスタンダードとされる「クリロン化成 彊美人(きょうびじん)」というシリーズがオススメです。

初めて買うなら、この3サイズが良いでしょう。

より大きいサイズもありますが慣れないと(空気が吸い出される際の通り道が作れないなど)うまく脱気できなかったりするので、まずはこの3サイズから使い慣れるのがオススメです。

メンテナンス・お手入れ方法

お米や乾麺などの水分をほとんど含まない食材をパックする場合はあまり気にすることもありませんが、惣菜類などの水分や汁気を含むものをパックすると空気を抜くための機器内の部品内に吸った汁気が残ってしまいます

それらをキレイにするには、温水(お湯)を吸わせて内部をクリーニングします。メンテナンス用のチューブが付属するので「吸気(脱気)用ノズル」に装着して温水を吸わせ、内部に残った汁気を洗浄します。

香りの強いものに含まれる汁気の場合は、食洗機用の洗剤などを溶かした温水を吸わせた後に「すすぎ」用の温水を吸わせてクリーニングすると良いでしょう。終わったらしっかりと乾燥させてから収納してください。

(写真は洗浄用のお湯を吸わせ、吸ったお湯が真空パック機に取り付けた「集水カップ」に排出された状態。このカップは大容量であると手入れもやりやすいです)

今回使用した真空パック機「FOOD SHIELD(フードシールド)JP290-Plus」は、背面にメンテナンス用スペースがありフタを開けてアクセスします。白いボックスの下側が吸気ノズル、ボックス内には左側の黒いスポンジ状のフィルターが入っています。

汁物をパックした際に汁に含まれる微小な固形物などはここに集められるので、定期的にここもクリーニングすると良いでしょう。白いボックスの右から延びているチューブは、集水カップへ繋がっています。

まとめ

過去のいくつかの震災を経験された方々などは既に家庭備蓄を進めていると思いますが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛や「STAY HOME」をキッカケとして備蓄をはじめたかたも多いでしょう。

 

編集部スタッフの周囲でも、無洗米・パスタ・インスタントラーメンなどは缶詰やレトルト食品と並んで備蓄している人が多い食材です。しかし同時に多く聞く話は、ローテーション消費を心がけていながらも、ついつい賞味期限が切れてしまったというもの。

 

その点、お米やパスタなど、乾燥度合いがかなり高く保存時の酸化程度が気になる食材であれば、真空パックすることで保存性をより高めることができます。

 

自家製惣菜の日々の真空パックなどは後のメンテナンスを考えるとちょっとだけ面倒だったりしますが、長期備蓄食品の保存性を高めるための真空パックはかなりオススメできます。特に無洗米などを備蓄されている場合は、真空パック機の導入を検討してみてください。

 

■参考情報リンク
・北海道石狩振興局「真空パック等の密封食品の保存に注意しましょう!」
http://www.ishikari.pref.hokkaido.lg.jp/hk/cth/boturinus.htm
・東京都福祉保健局「食中毒を起こす微生物・ボツリヌス菌」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/boturinu.html
・大作商事株式会社「食品別真空保存期間 目安表」
https://www.daisaku-shoji.co.jp/p_freshpackpro_store.html
・石島商事株式会社「真空包装機で食材を保存するときの目安期間」
https://ishijimashoji.com/free/shinkuuhousouki-shinkuupack
・全国食肉事業協同組合連合会「期限表示(消費期限・賞味期限)」
https://www.ajmic.or.jp/kumiai/2013pdf/p38-40.pdf
・愛知県尾張農林水産事務所「安心・安全な浅漬けの加工方法と消費期限の検討」
https://www.pref.aichi.jp/nogyo-keiei/nogyo-aichi/gijutu_keiei/ippan1103.pdf

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